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SQL Server の情報をメインに Microsoft 製品の勉強内容を日々投稿

2020/10 の SQL Server / SQL Database 関連の更新情報

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来週から PASS Summit 2020 が開催されますが、その前に、先月の更新情報を確認しておかないとなと思いチェックしてみましたとさ。

更新情報のまとめは、毎週は無理なので月次でやろうと思いました(遠い目)

Contents

2020/9/24

Change Locale/language of SQL Server on Azure VM

これは、10 月の更新情報ではありませんが、当ブログでは触れていなかったので、先月からの持越しで。
Azure の仮想マシンで SQL Server を動作させる場合、Market Place から提供されている SQL Server インストール済み仮想マシンを使用することで、VM で稼働している SQL Server の利用をすぐに開始することができます。

提供されている SQL Server インストール済みイメージは英語版のみとなっており、日本語版を使用するためには、

  • SQL Server をアンインストール
  • SQL VM リソースプロバイダー / IaaS Extension のアンインストール
  • OS に日本語の言語パックを導入して、日本語のローカライズ設定を行う
    • 英語版は全ロケールで動作しますが、各国語版は、各言語にローカライズされた環境が動作要件となっています。
  • SQL Server の各国語版のメディアで再インストール
    • プロダクトキーは、VM 内にデフォルトで配置されているインストールファイルから取得
  • SQL VM リソースプロバイダーのインストール
    • IaaS Extension もこのタイミングでインストールされます。

というような作業を行う必要があるのですが、この手順が解説されています。

日本語の SQL Server をインストールしているのはたまたまなのか、問い合わせが多いのが日本語なのかが気になったり、ならなかったり。

2020/10/2

Reserved capacity on Azure SQL Database Hyperscale is now available

Azure SQL Database Hyperscale が予約容量で利用可能となり、長期間使用する場合にはコスト割引を活用することができます。

2020/10/5

Microsoft Drivers 5.9.0 Preview 1 for PHP for SQL Server Released

PHP 向けの SQL Server のドライバーの最新バージョンが Perview で公開されました。
サポート対象のプラットフォームの強化が大きな内容でしょうかね。

2020/10/14

The October 2020 release of Azure Data Studio is now available

Azure Data Studio (ADS) 最新バージョンがリリースされました。

ADS に含まれている拡張機能の更新も行われているようですが、新しい機能としては次の内容が含まれているようです。

  • SQL Server の展開オプションの強化 (Azure SQL Edge / Azure Arc / SQL Server on Azure VM のサポート)
  • PowerShell Notebook のストリーミングの情報出力のサポート

展開については、展開するための Notebook が生成されるため、Python の勉強をするときにも参考になるのかなと。

Azure Synapse Link for Azure Cosmos DB: SQL serverless runtime support in preview

SQL on-demand (Serverless SQL Pool) の Synapse Link がプレビューで利用可能となりました。
SQL on-demand の T-SQL のインタフェースを介して、Cosmos DB の分析ストアのデータを参照することができるようになります。

T-SQL が使用できるツールから Cosmos DB のデータを参照してデータ活用することができますので、Comos DB のデータを開発者でなくても活用しやすくなるのではないでしょうか。

Distributed database transactions spanning multiple Azure SQL Managed Instances

Managed Instance で分散トランザクションがプレビュー機能として利用できるようになりました。
これにより、複数の Managed Instance 間で分散トランザクションを使用することができます。

Managed Instance では、リンクサーバー経由で SQL Server ベースの環境と接続することができますが、現時点では、分散トランザクションがサポートされているのは「Managed Instance 間」に限定されるため、リンクサーバーを使用したアクセスについては、分散トランザクションに参加することはできません。

アクセス方法については、.NET の TransactionScope と、T-SQL の BEGIN DISTRIBUTED TRANSACTION の 2 パターンに対応しており、この点は SQL Database の Elastic Transaction とは異なる点かと。(Elastic Transaction は TransactionScope のみの対応だったはずですので)

分散トランザクションの利用方法によって、Private Endpoint (VNET 間のアクセス) か、Public Endpoint を併用できるかが異なるようですので、トランザクションの開始方法による使用されるネットワーク経路は意識しておいた方がよさそうです。

Machine Learning open sourcing for R and Python Custom Runtime

SQL Server 2016 以降は R、2017 以降は R / Python、2019 以降は、R / Python / Java を SQL Server の拡張機能として利用できるようになりました。

これらの機能では標準で SQL Server に同梱されている R と Python のランタイムを使用していましたが、カスタムランタイムを使用することもできるようになります。

SQL Server でこれらの機能を使用する場合、Language Extension を使用しているのですが、Language Extension が Open Source として公開されたようです。 (Java の部分については以前から公開されていたかと)

SQL Server 2019 CU3 以降であれば、R と Python でカスタムランタイムを使用できるようになり、任意の実行環境を使用できるようですね。

2020/10/15

Azure SQL VM Automatic Registration and Reporting Services Images

SQL Server on Azure VM では、Azure 上での SQL Server の運用を支援するための機能として、SQL Server リソースプロバイダー や、SQL IaaS Extension というような機能を利用することができます。

Market Place から展開した VM に関しては、基本的に導入が行われているはずなのですが、リソースプロバイダーに登録されていない、SQL Server VM (IaaS Extension が導入されている SQL Server がターゲットになると思いますが) にたいして、再起動が行われない軽量モードの SQL VM リソースプロバイダーの登録を自動的に実行することができるようです。

Market Place ではなく、BYOL のような形態で SQL Server をインストールした環境の構築が、断続的なタイミングで発生する場合などに、有効にしておくと、リソースプロバイダーへの登録の抜けをなくすことができそうですね。

SQL Server は、2016 以降、SQL Server Reporting Services (SSRS) のインストーラーが、SQL Server のインストールメディアとは別になっていますが、Azure MV で SSRS インストール済みのイメージが提供され、SSRS を使用できる環境がすぐにデプロイできるようになったようです。

2020/10/16

Analyze Azure CosmosDB data using Azure Synapse Link and Transact-SQL language

こちらは、更新情報というわけではないですが、最近 Synapse Link を触っていたのでメモとして。

Synapse Analytics には、Synapse Link という機能により、現在は Cosmos DB に対して接続を行うことができます。
Synapse Link を使用した Cosmos DB への接続の形態は大きく分けて 2 種類あり、

  • SQL on-demand (Serverless SQL Pool) から、T-SQL で分析ストアにアクセスを行う
  • Spark Pool から、Spark でアクセスを行う
    • トランザクションストア (OLTP) にアクセス / Structured Streaming でアクセス
    • 分析ストア (OLAP) にアクセス

というようなアクセス方法の提供が行われており、SQL on-demand を使用した T-SQL による Cosmos DB へのアクセスが紹介されています。

T-SQL によるアクセスは分析ストアに対してのアクセスとなりますので、RU の消費が抑えられ、T-SQL の様々なデータ集計方法を活用することができます。

Cosmos DB の SQL API で使用可能なクエリは、SQL クエリの使用を開始する で解説されています。
Synapse の SQL on-demand で使用可能な T-SQL については Azure Synapse SQL でサポートされる Transact-SQL 機能 で解説されているのですが、T-SQL の様々な機能を使用することができるようになっていますので、データの検索性は Synapse Link のほうが高いかもしれませんね。

2020/10/19

Released: Support for Dynamic Network Names (DNN) Listeners for Always On Availability Groups

先日投稿した、SQL Server on Azure VM の AlwaysOn 可用性グループで DNN がサポートされました の内容となりますが、SQL Server 2019 CU8 以降では、SQL Server on Azure VM で AlwaysOn 可用性グループを作成する際に、DNN (Dynamic Network names) がサポートされるようになり、可用性グループのリスナーに対してアクセスを行う際に、Azure のロードバランサーを使用することなく、DNS ベースの名前解決でリスナーにアクセス可能な構成をとることができるようになりました。

2020/10/20

SQL Server Management Studio 18.7 now generally available

SSMS 18.7 がリリースされました。(2020/11/4 時点では、18.7.1 という修正版が最新です)

今回の SSMS から、Azure Data Studio (ADS) が同時にインストールされるようになり、SSMS をインストールすると ADS も同時に使用できるようになります。

2020/10/22

Public preview: Zone redundant configuration for Azure SQL DB general purpose tier

Ignite で発表のあった内容の正式なアナウンスですね。

汎用目的 (General Purpose : GP) の可用性オプションとしてゾーン冗長がプレビューで利用することができるようになりました。

現時点で利用可能なリージョンについては以下のようになっているようです。

  • East US
  • East US 2
  • West US 2
  • North Europe
  • West Europe
  • Southeast Asia
  • Australia East

2020/10/26

Released: Microsoft.Data.SqlClient 2.1 Preview 2

.NET の SQL Server のデータアクセスコンポーネントの最新の Preview が公開されました。

認証周り (Azure AD 認証) のサポートの強化とと、Always Encrypted が .NET Standard 2.0 の各プラットフォームでサポートされるようになったのが大きな変更点でしょうか。

MicrosoftR and the .NET Foundation announce the release of version 1.0 of .NET for ApacheR Spark?

Spark で .NET を動作させる .NET for Apache Spark の 1.0 がリリースされました。

.NET for Apache Spark は Synapse Analytics の Spark Pool でも利用することができるようになっており、C# / F# で、Spark API にアクセスするジョブを作成することができます。
Notebook については、C# カーネルの機能を使用することができ、.NET のスキルを Spark でも活用できるものとなっているようです。

Common Criteria Certification for SQL Server 2019

SQL Server 2019 が Common Criteria certification を取得したとのことです。
そうえいば、SQL Server の機能としては、Common Criteria Compliance Enabled サーバー構成 といものがありましたね。

2020/10/27

Azure Synapse Analytics release notes

2020/10 の更新で、SQL Pool (Dedicated SQL Pool) で、次の機能がプレビューでサポートされたようです。

  • T-SQL Inline Table-Valued Functions (preview)
  • MERGE command (preview)

 

2020/10/28

Public preview: Auditing of Microsoft support operations in Azure SQL DB and Azure SQL MI

Azure SQL Database / Azure SQL Managed Instance で、Microsoft サポートが実行した操作についての監査ができる機能が Public Preview で提供されました。

セキュリティの観点で、ユーザー操作だけでなく、SR によるサポートを依頼している際に、MS 側で実施された操作についても透明性が必要という場合の監査ができるようになったようですね。

SQL Audit の機能拡張という位置づけのようで、監査ストレージについては、通常の監査と同様の設定が引き継がれるようです。(ストレージアカウントはサポートしていないとのことで、Log Analytics / Event Hub が保存先に含まれる必要があるようです)

We’re retiring Azure SQL DB Import-Export Direct Endpoints on 31 October 2023

Import-Export のダイレクトエンドポイントのサポートが 2023/10/31 で終了するとのことです。

sqlpackageや、Import / Export の REST API は引き続きサポートされるようですので、初期の機能で bacpac の Export / Import を使用している場合に影響を受ける形でしょうかね。

2020/10/30

Power BI Visualization for Azure Synapse SQL Pool Dynamic Management Views

Synapse Analytics の SQL Pool (Dedicated SQL Pool) の DMV を可視化するための Power BI レポートが公開されました。
DB / テーブルの分散状況を確認することができるようです。

Release: SQL Server Migration Assistant (SSMA) v8.15

SSMA 8.15 がリリースされ、いくつかの機能強化が行われてます。

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Written by Masayuki.Ozawa

11月 4th, 2020 at 11:30 am

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