ブログのアクセス数を見ていたら今週、夏休みの方が多いせいかアクセス数がかなり下がっていました。
あと、修羅イバー という二つ名を持つ方が修羅の国にいらっしゃるそうです。すごいですね!!
土日で、Windows のカスタムインストールメディアの作成について少し調べていたので、一度情報をまとめてみたいと思います。
カスタムインストールメディアですが、8. ステップ 5. クライアントの展開 で公開されている、インストールメディアの install.wim をカスタマイズした WIM に置き換えて展開するためのメディアとなります。
これが作れると WIM でキャプチャーした展開用端末の構成をインストールメディアとして使用できる用になるので結構便利そうなのですよね。
Contents
■参照コンピューターでイメージをキャプチャ
冒頭で紹介した技術文書の用語で参照コンピューターと書かれているものは、展開用に使用するコンピューターとなります。
このコンピューターを作成する際の注意点としては、
- Administrator のプロファイルだけが存在する状態とし、他のユーザーのプロファイルは削除しておく
CopyProfile による既定のユーザー プロファイルのカスタマイズ - カスタマイズは Administrator で実施する
- Windows 8.1 の場合は参照コンピューターに OS をインストールしたら 1 時間以内に Pre-staged app cleanup の対応をする
Pre-staged app cleanup が実行済みかどうかを確認する - ビルトインのストアアプリの更新に気を付ける
# Windows 8 の場合はビルトインのストアアプリを更新すると Sysprep 時にエラーとなることがあります。
Removing or Updating Windows 8 built-in Windows Store apps causes Sysprep to fail
が定番でしょうか。
参照コンピューターを作成するタイミングでいくつか気を付ける必要があります。
sysprep についての問題が多いかと思いますので、ログファイルの情報については抑えておいたほうがよいかと思います。
6. ステップ 3. 標準カスタム イメージの作成 では、Windows PE の imagex を使用したイメージのキャプチャ方法が記載されていますが、Windows 8 以降では DISM を使用することでキャプチャすることができます。
DISM を使ったハード ディスク パーティションのイメージのキャプチャ
OS のインストールメディアで起動して、回復用のコマンドプロンプトか Shift+F10 を押してコマンドプロンプトを開くことで DISM コマンドを実行できますので、そこからイメージをキャプチャすることが可能です。
DISM のキャプチャにはいくつかのオプションがあり、設定するかを検討する必要があるものは
- /Capture-Image 時の /Compress オプションの利用
Dism /Capture-Image /ImageFile:D:install.wim /CaptureDir:C: /Name:Windows 8.1 Enterprise Edition" /Compress:max
- キャプチャ後の WIM ファイルに対して、/Split-Image を使用して分割した WIM (.swm) を作成
Dism /Split-Image /ImageFile:D:install.wim /SWMFile:D:install.swm /FileSize:3000
あたりかと思います。
/Capture-Image はイメージをキャプチャする際に使用しますが、/Compress オプションを使用することで、WIM の圧縮有無を設定することができます。
FAT32 の制限として 1 ファイルが 4GB 以内の必要がありますので、圧縮をすることで、 4GB の制限内に WIM ファイルを抑えることができる可能性があります。
ただし、Office 等をインストールした場合、4GB 以内に収めることは難しいかと思います。
4GB を超える場合は分割した WIM ファイルを作成することでファイルサイズを抑えることができます。
Surface Pro の回復ドライブ等はこの分割した WIM (.swm) ファイルを使用してイメージが作成されています。
分割した WIM ファイルは
- install.swm
- install2.swm
- install3.swm
というような連番のファイルとなりますのでこれをカスタムインストールメディアとして使用するようです。
カスタムイメージファイルについては install.wim / install*.swm というファイル名の必要があるようです。
ただし、注意点としては Windows 8 / Windows 8.1 では分割 wim ファイルのインストールはサポートされていないようです。
Windows イメージ (.swm) ファイルを複数の DVD にまたがるように分割する
Windows 8.1 と Windows 8 の場合、Windows セットアップでは分割 .wim ファイルのインストールはサポートされていません。
以前のバージョンの Windows(R) の場合、Windows セットアップで /installfrom コマンド ライン パラメーターを使って分割 .wim ファイルをインストールする場合、分割 .wim ファイルの名前を "install.swm"、"install2.swm" のようにする必要があります。Windows セットアップでは、install*.swm という名前の分割 .wim ファイルが検索されます。別のファイル名を使用すると、Windows セットアップで分割 Windows イメージがインストールされません。
実際に試してみたところ、[マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項が見つかりません。インストール元が有効であることを確認し、インストールを再実行してください。」となりインストールをすることができませんでした。
こちらについては Windows 8.1 install from USB with multiple swm files license terms error でも報告されており、上述の Windows 8 / 8.1 のセットアップでサポートしていないことが影響しているようです。
Install.wim を使用した場合はライセンス条項が表示されますので、この辺は現状の制約でしょうか…。
■カスタムインストールメディアの作成
カスタムインストールメディアについては、
- インストールメディアの install.wim をキャプチャしたファイルに置き換え
# swm を使用する場合は install.wim を削除し、swm を配置 (と言っても現状、分割 WIM が使えるのは Windows 8 より前のバージョンになりますが)
して、メディア用のファイル群を作成し、USB または DVD (or ISO) を作成することになるかと思います。
USB メモリでカスタムメディアを作成する場合、
diskpart select disk 1 clean active format fs=fat32 quick exit
というような流れで FAT32 でフォーマットした USB メモリを使用することになるかと思います。
# UEFI を使用する場合は FAT32 / BIOS を使用した場合は NTFS でも起動できるようですが手元の環境では UEFI 環境しか試せるものがないため、FAT32 しか検証できていません。
UEFI で起動する場合には上記の手順でフォーマットした USB メモリにインストールメディアの内容を単純にコピーするだけで、起動可能なメディアを作成することができます。
MBR で起動する場合は、bootsect (bootsect /nt60 E: /mbr というようなコマンド) を使用してブート領域を書くことになるかと。
bootsect についてもインストールメディアが使えますので、Windows PE は不要かと。
DVD 等で起動するために ISO を作成する場合は oscdimg が必要になってきます。
これについては ADK に含まれますので、ADK をインストールする必要が出てきます。
Windows 8.1 Update 用 Windows アセスメント & デプロイメント キット (Windows ADK)
oscdimg については、
oscdimg -m -o -u2 -udfver102 -bootdata:2#p0,e,bC:\iso\boot\etfsboot.com#pEF,e,bC:\ISO\efi\microsoft\boot\Efisys.bin c:\ISO c:\temp\win81.iso
というような形式のコマンドを実行することで、UEFI / BIOS の両方に対応したインストールメディアを作成できます。
今回調べていて初めて知ったのですが、PE を作成するための、Makewinpemedia のコマンド ライン オプション というものが最近の ADK には含まれているのですね。
■回復ドライブのイメージを置き換える
Windows のリストアをするためのメディアとして回復ドライブがあります。
USB 回復ドライブを作成する
回復ドライブでも WIM / SWM が使用されていますので、対応の機種向けの回復ドライブの sources のイメージを置き換えることでもカスタムのメディアを作成することができます。
回復ドライブについては分割 WIM に対応していますので、Windows 8 / Windows 8.1 をターゲットとした場合も、SWM ファイルを使用したイメージのリストアをすることが可能です。
UEFI 向けの回復ドライブについては上述の FAT32 フォーマットの USB に必要となるファイル群を格納することで作成することができます。
Sources ディレクトリにある、install.wim / install*.swm を回復に使用するイメージとして認識するようですので、ここに作成した WIM を配置することでリストアすることができます。
注意する点としては ResetConfig.xml の内容と WIM ファイルのインデックスでしょうか。
ResetConfig.xml は回復をする際に使用する WIM のインデックスの情報やパーティションのフォーマットをする際のスクリプトファイルの情報を格納したものになります。
以下は Surface Pro の ResetConfig.xml となります。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?> <Reset> <SystemDisk> <MinSize>50000</MinSize> <DiskpartScriptPath>CreatePartitions-UEFI.txt</DiskpartScriptPath> <OSPartition>4</OSPartition> <RestoreFromIndex>2</RestoreFromIndex> <WindowsREPartition>1</WindowsREPartition> <WindowsREPath>RecoveryWindowsRE</WindowsREPath> <RecoveryImagePartition>5</RecoveryImagePartition> <RecoveryImagePath>RecoveryImage</RecoveryImagePath> <RecoveryImageIndex>2</RecoveryImageIndex> </SystemDisk> </Reset>
この中では、パーティションを初期化した場合のスクリプトとして、[CreatePartitions-UEFI.txt] が指定されています。
このテキストファイルの内容ですが、以下のようになっています。
convert gpt create partition primary size=999 set id=DE94BBA4-06D1-4D40-A16A-BFD50179D6AC gpt attributes=0x8000000000000001 format quick fs=ntfs label="Windows RE tools" assign letter=T create partition efi size=200 format quick fs=fat32 label="System" assign letter=S create partition msr size=128 create partition primary shrink minimum=7200 gpt attributes=0x0000000000000000 format quick fs=ntfs label="Windows" assign letter=W create partition primary set id=de94bba4-06d1-4d40-a16a-bfd50179d6ac gpt attributes=0x8000000000000001 format quick fs=ntfs label="Recovery image" assign letter=R rescan exit
通常の DISKPART のスクリプトファイルとなっており、Windows 回復環境や回復ドライブ作成用のイメージファイルの格納先のパーティションを作成していますので、これらについては必要に応じて変更をします。
また、単純に WIM をキャプチャした場合、インデックスは 1 にキャプチャした内容が格納されています。
Surface Pro の標準の WIM ではファイル内に複数の情報が格納されており、OS のリストア用イメージについては Index 2 に格納されています。
単純にキャプチャした WIM を使用する場合は XML を以下のように書き換える必要があります。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?> <Reset> <SystemDisk> <MinSize>50000</MinSize> <DiskpartScriptPath>CreatePartitions-UEFI.txt</DiskpartScriptPath> <OSPartition>4</OSPartition> <RestoreFromIndex>1</RestoreFromIndex> </SystemDisk> </Reset>
回復ドライブをカスタマイズする方法はいくつか公開されており、それについては以前まとめてみたものがありました。
回復領域や回復ドライブを作る際に参考になる情報
■使用するメディアと参照コンピューターの組み合わせの注意
こちらはめったに該当しないと思いますが。
冒頭で記載した技術情報の流れで
- Windows 8.1 Update 評価版
- Windows 8.1 Update Enterprise Edition インストールメディア
を使ってメディアを作成してみたのですが、Windows 8.1 Update Enterprise Edition インストールメディア[入力されたプロダクト キーは、インストールに利用できる Windows イメージのいずれにも一致しません。別のプロダクト キーを入力してください。」が表示されインストールすることができませんでした。
このエラーですが、sources フォルダ内の EI.cfg の内容や PID.txt を使用したプロダクトキーの指定の問題として有名かと思います。
[EditionID] [Channel] Retail [VL] [EditionID] [Channel] Volume [VL]
Windows セットアップのエディション構成ファイルとプロダクト ID ファイル (EI.cfg と PID.txt)
EI.cfg を削除した場合、プロダクトキーの入力が表示されます。
EI.cfg を修正した場合、[インストールに利用できるイメージを表示できませんでした。]のメッセージが表示されてしまいます。
今回は
- Windows 8.1 Update Enterprise Edition で参照コンピューターを作成
- Windows 8.1 Update Enterprise Edition でカスタムインストールメディアを作成
していますが、参照コンピューターとカスタムインストールメディアの組み合わせは注意しておく必要がありそうです。
# MSDN で入手した 8.1 Enterprise Edition ではカスタムインストールメディアを作成できました。
起業展開する場合は Enterprise / Pro の 2 エディションとなるかと思いますが、この辺は参照コンピューターとカスタムインストールメディアを製品版で作成して、事前に検証をしておいた方がよさそうですね。
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18 8月 14 at 11:09