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Archive for the ‘SQL Server’ Category

第 1 回 Get The Fact セミナーの振り返り その 1

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12 月 8 日に Microsoft 社が開催している SQL Server の Get The Fact セミナーに参加をしてきました。
SQL Server の真実 – Get The Fact セミナー

このセミナーですがチョークトークの形で開催されており、Microsoft 社 の SQL Server Product Manager チームの方と、かなり近い距離でセッションを受けられるとても貴重な機会でした。
# 質問を Twitter でつぶやくと答えてくれたり。

第 1 回は運用管理について以下の内容についてのセッションでした。

  1. ログ管理
  2. バックアップ & リカバリ
  3. でタッチ & アタッチによるデータベースの移動
  4. パフォーマンスデータコレクション

まずは、ログ管理について数回に分けてまとめていきたいと思います。
今回はデータ書き込み時にログがどのように使われるかと、ログの基本的な構成について、セッションの内容をふまえ振り返っていきたいと思います。

■データ書き込みの基本動作

トランザクションログについてまとめるにあたり、セミナーでもお話しがあったのですが、データ書き込みの基本動作について軽くまとめてみたいと思います。

SQL Server のデータ書き込みですが、ログキャッシュに書き込み → トランザクションログファイルに書き込み → メモリ上のデータを変更 → チェックポイント発生時にメモリ上のデータをデータファイルに書き込みという流れになります。
# ログキャッシュと、ログファイルへの書き込みタイミングは大抵の場合、タイムラグはさほどないというお話でした。

データ変更時の流れを概要図としてまとめると以下のようになります。
# 概要図なので実際の挙動とは少し違うところがあるのですが。

image

データ変更 (INSERT / UPDATE / DELETE / TRUNCATE) をした場合、ログに書き込んだ後にすぐにデータファイルを更新するのではなくメモリ上のデータを変更して、その後に実際のデータファイルの更新が行われます。
② の処理でメモリ上のデータは変更されているが、実際のデータファイルが更新されていないデータ (ページ) を [ダーティーページ] (汚れたページ) と呼び、メモリ上のデータをデータファイルに書き込むタイミングを [チェックポイント] と呼びます。

ダーティーページに関しては、以下のクエリで確認をすることが可能です。

SELECT
    CASE database_id
        WHEN 32767 THEN ‘Resources’
        ELSE DB_NAME(database_id)
    END AS [DatabaseName],
    COUNT(*) AS [TotalPage],
    SUM(CONVERT(int,is_modified)) AS [DirtyPage]
FROM
    sys.dm_os_buffer_descriptors
GROUP BY
    database_id

TEST というデータベースに対してデータ更新を行った際のダーティーページの情報が以下になります。
TEST データベースでメモリを 8 ページ使用しており、そのすべてのページがダーティページとなっています。
# データを新規に INSERT した時のメモリの情報になります。
image

チェックポイントが発生し、メモリ上のデータがデータファイルに書き込まれると、その処理で使用していたログファイルの内容 (変更されたデータの情報) はデータファイルに反映された状態となりますので、そこまでの処理が終了しすることで、ログの内容が消せる状態となります。

メモリ上のデータにしか変更が反映されていない状態で、その変更分のログが消されてしまいますと、メモリの内容が無くなった 場合 (シャットダウンや異常終了等) に、変更内容を戻すことができなくなってしまいますので。
image
 

手動でチェックポイント (CHECKPOINT ステートメントを実行) した後に、ページの状態を取得するクエリを実行した時の結果が以下になります。
image

ダーティーページがフラッシュされ、0 になっているのが確認できます。
ダーティーページをフラッシュしても、メモリ上にはキャッシュとしてデータは残った状態になります。
更新されたデータをそのままメモリ上に残しておいた方が、そのデータを使用する処理が発生した場合、ディスクからデータを読まずに済みますので。

■トランザクションログファイルの構成

ログファイルは [ldf] という拡張子のファイルで構成がされています。
ログファイルは複数の ldf ファイルで構成することも可能なのですが、ログファイルはシーケンシャルに使われますので複数のファイルで構成しても、ファイルが並行で使用され負荷が分散されるという事はありません。

概要図を書くと以下のようになります。
image

ログファイルを複数用意するのは、負荷分散ではなく (複数ファイルを用意しても負荷は分散されない) ログファイルを格納しているドライブの容量がなくなり、追加のログファイ
ルを設定しなくなてしまった場合になるのかと思います。
# このような状況が発生しないようにするのがベストなのですけどね。

ログファイルは、データファイルとは異なりファイルグループと言った概念がなく、単一のファイルで構成されているのですが内部的には仮想ログファイル (Virtual Log File : VLF) という単位に分割がされています。
image

ログファイルはトランザクションログのバックアップを適切に実行することでこの仮想ログが循環されながら使用されることになります。

データ変更時のログの内容ですが、ログレコードとして管理されており、ログレコードには [LSN] (Log Sequence Number) というシーケンシャル No が振られています。

トランザクションログのログレコードの内容は [DBCC LOG] を実行することで確認をすることができます。
DBCC ログは以下の形式で実行を行います。

dbcc LOG (dbname | dbid [,{0|1|2|3|4}[,[‘lsn’,'[0x]x:y:z’]|[‘dir’, 0|1]|[‘numrecs’,num]|[‘xdesid’,’x:y’]|[‘extent’,’x:y’]|[‘pageid’,’x:y’]|[‘objid’,{x,’y’}]|[‘logrecs’,{‘lop’|op}…]|[‘output’,x,[‘filename’,’x’]]|[‘column’,'<value>’]|[‘key’,'<value>’]|[‘nolookup’]|[‘allocid’,BIGINT]…]]])

 

ログレコードの詳細まで表示する場合は、オプションとして [4] を設定します。
[DBCC LOG(N’TEST’, 4)] といった形式で実行することでログレコードの内容を含めて取得することが可能です。
image

トランザクションをロールバック / ロールフォワードするときなどは、この LSN を使用することで、どの地点まで戻せばよいのかを判断しています。 
データファイルのページでも LSN は保持しており、ページの LSN とログの LSN を比較することで、ロールフォワードの必要があるかを判断しています。
# この辺の詳細は別途まとめる予定です。

ページの情報は [DBCC PAGE] を実行することで、取得ができます。
以下は DBCC PAGE の実行例です。
# DBCC PAGE で情報を取得するためには、トレースフラグ [3604] を有効にする必要があります。

DBCC TRACEON(3604)
DBCC PAGE (N’TEST’, 1, 78)
DBCC TRACEOFF(3604)

PAGE: (1:78)

BUFFER:

BUF @0x0000000085FB5F00

bpage = 0x00000000853A8000           bhash = 0x0000000000000000           bpageno = (1:78)
bdbid = 5                            breferences = 0                      bcputicks = 0
bsampleCount = 0                     bUse1 = 23176                        bstat = 0xc00009
blog = 0x21212159                    bnext = 0x0000000000000000         

PAGE HEADER:

Page @0x00000000853A8000

m_pageId = (1:78)                    m_headerVersion = 1                  m_type = 1
m_typeFlagBits = 0x4                 m_level = 0                          m_flagBits = 0x8200
m_objId (AllocUnitId.idObj) = 45     m_indexId (AllocUnitId.idInd) = 256 
Metadata: AllocUnitId = 72057594040877056                                
Metadata: PartitionId = 72057594039173120                                 Metadata: IndexId = 0
Metadata: ObjectId = 2137058649      m_prevPage = (0:0)                   m_nextPage = (0:0)
pminlen = 5                          m_slotCnt = 700                      m_freeCnt = 396
m_freeData = 6396                    m_reservedCnt = 0                   m_lsn = (286:13625:2)
m_xactReserved = 0                   m_xdesId = (0:0)                     m_ghostRecCnt = 0

ページ情報の [m_lsn] からページが更新された際の LSN を確認することが可能です。

仮想ログにはシーケンシャル No が内部的に振られており、ログレコードはこのシーケンシャル No を考慮しながら仮想ログを先頭から使用しながら書き込まれていきます。
image

このように書き込みが
行われますので、複数のファイルを用意した場合は以下のように使用されます。
image

仮想ログファイルは [DBCC LOGINFO] を実行することで確認することができます。
このクエリを実行すると以下のような情報が取得できます。
image

この情報を確認することで、ログファイルが内部的にいくつの仮想ログに分かれていて、今どの仮想ログが使用されている (再利用ができない) 状態なのかを確認することができます。
Status = 2 は ACTIVE なログが存在している VLF となるため、再利用することができません。
# この辺は SQL Server を実行しているコンピュータでトランザクション ログのサイズが予期せず増大する、または、ログがいっぱいになる に少し記載があります。

この状態の VLF は [トランザクションログのバックアップ] を取得することで、アクティブなログレコードを含んでいない VLF のStatus が 0 (REUSABLE) となります。
image

REUSABLE に変わった VLF は再利用が可能になりますので、新規にログレコードを書き込むことが可能となります。

image

現在、アクティブなログを含んでいる VLF に関しては、Status = 2 のままですが、アクティブなログを含んでいない VLF に関しては Status = 0 となり再利用が可能となります。
# アクティブなログを含む (Status = 2) の VLF もログレコードが書き込める (空きがある) のであれば利用されます。

ログの切り捨て時 (再利用のために解放) には、[MinLSN] (最小復旧 LSN:データベース全体をロールバックするために必要となる最初の LSN) が切り捨て可能なスタート地点となります。
この、MinLSN から、最後に書き込まれたログまでを [アクティブなログ] と呼び、このアクティブなログが含まれている仮想ログに関しては、データベースの回復に必要となるため、再利用することはできません。
# MinLSN が実際に見れれば説明がしやすかったのですが、ちょっと取得方法がわかりませんでした。

この Status = 0 の状態の VLF ですが、[DBCC SHRINKFILE] を実行した際に、縮小される単位になります。
VLF はログファイルを作成 (あるいは拡張) したタイミングでファイルサイズとログの個数が決まりますので、使用している VLF の状態によっては、SHRINKFILE をしても思ったよりファイルが小さくならないことがあります。

セミナーではログ管理をするにあたって、このようなログの基本的な動作についてのお話を聞くことができました。
# 基本的に振り返りの内容は、私が間違って理解している個所があるかもしれませんので、間違っていた場合はセミナーの内容ではなく私の理解力不足です…。あと、今回の内容をすべてお話しいただいたのではなく、調べる取りかかりの情報をいただけた形になります。

他にも SQL Server のログ管理 (バックアップ) で重要となる [復旧モデル] についてもお話しがありました。

次の投稿では、この復旧モデルについて振り返ってみたいと思います。

Written by Masayuki.Ozawa

12月 13th, 2010 at 6:06 am

SQL Server で WOW64 その 2

one comment

前回の投稿でパフォーマンスモニタのログが取得できるようになりましたので、WOW64 のメモリの使用状況を確認していきたいと思います。

WOW64 を使用していない環境 (32bit 環境) では SQL Server のメモリ使用状況は以下のようになります。

■/3GB なし
image

■/3GB あり
image

/3GB なしで 1.6GB ,/3GB ありで 2.6GB のメモリが使用できています。

 

それでは、WOW64 で動作している SQL Server 2008 R2 / Denali で同様の情報を取得してみます。

■SQL Server 2008 R2
image

■Denali
image

WOW64 のアプリケーションの場合、ユーザーモードの領域は 4GB 使用することができます。
そのため、32bit の SQL Server ではありますが、2GB 以上のメモリを使用することが可能です。
# 64bit の OS のため、/3GB スイッチも設定はないですし。

SQL Server 2008 R2 と Denali の WOW64 のメモリ使用状況を比較すると、プランキャッシュの上限に少し差が出ているようでした。
SQL Server 2008 R2 では、プランキャッシュが 1.5GB 程確保できているのですが、Denali では、1GB で頭打ちとなっています。
データとプランで使用しているメモリ合計については両バージョン共に 3.5GB となっているので、WOW64 で使用できるメモリの上限は共に同じになっていることが確認できます。
# 32bit / 64bit 共に、ユーザーモードのメモリ空間をフルには使えないみたいですね。32bit の場合は、1.6GB ぐらいで頭打ちになりますし。この辺はどうしてこのようになるのかをきちんと勉強したいと思います。

参考ではありますが、WOW64 を使用した場合のメモリについては以下の技術情報に記載がされています。
メモリ アーキテクチャ

 

WOW64 で AWE を有効にした場合どうなるかも合わせて試してみました。

■SQL Server 2008 R2 (AWE)
image

■Denali (AWE)
image

WOW64 + AWE を使用すると、4GB をフルに使用することができていますね。
# WOW64 + AWE で動作させても変わらないんだろうな~と思っていたので、ちょっと意外でした。
ただし、AWE を使用しても 4GB 以上のメモリを使用することはできていません。
また、AWE を使用することで、設定前と比較して400MB 程度使用可能なメモリが増えているのですが、この増加分はデータベースキャッシュに割り当てられており、プランキャッシュに関しては、1.5GB から変化していません。
このあたりの動きは通常の AWE と同様になるようですね。

現状、Denali では、AWE はサポートしていませんので、AWE を有効にしてもメモリのトレンドは変わりません。

AWE と WOW64 について、数回に分けて投稿してきましたがその検証で取得した値を表にしてみました。
# 数値は SQL Server 2008 R2 のものとなっており、() 内は Denali の値になります。

  データベースキャッシュ(最大) プランキャッシュ (最大) 利用メモリ (メモリ6 GB 搭載時)
/3GB なし 1.0 GB (1.0 GB) 900 MB (700 MB) 1.6 GB (1.5GB)
/3GB あり 1.5 GB (1.5 GB) 1.5 GB (1.2GB) 2.6 GB (2.5 GB)
AWE 4.1 GB (1.0 GB) 850 MB (700 MB) 4.2 GB (1.5GB)
AWE + /3GB 4.0 GB (1.5 GB) 1.4 GB (1.2GB) 4.1 GB (2.5 GB)
WOW64 3.0 GB (3.0 GB) 1.6 GB (1.0 GB) 3.5 GB (3.5 GB)
WOW64 + /3GB 4.0 GB  (3.0 GB) 1.6 GB(1.0 GB) 4.0 GB (3.5 GB)

# これらの値はあくまでも参考値ですので、環境によって変化します。

SQL Server のエンジニアの端くれなので、診断で環境を見たことはあるのですが自分でデータをとってまとめるという機会がなかったので、今回の投稿はよい機会でした~。

Written by Masayuki.Ozawa

12月 11th, 2010 at 2:37 pm

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SQL Server で WOW64 その 1

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SQL Server を WOW64 で動かした時のメモリの使用状況について少しまとめていきたいと思います。
パフォーマンス モニタでメモリの情報を取得しようとして結構はまったので、その 1 として WOW64 で SQL Server を実行した場合の情報取得につて書いていきたいと思います。
64bit OS では SQL Server を WOW64 (Windows 32-bit on Windows 64-bit) でインストールすることが可能です。
64bit OS で SQL Server をインストールしようとすると通常は 64bit の SQL Server がインストールされます。
インストール時に [Options] から [Processor Type] を [x86] に設定することで WOW64 で SQL Server をインストールすることができます。
image
WOW64 の SQL Server のインストールではインストールする機能の選択画面では、両方の [Program Files] が表示されますが、
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データベースのルートディレクトリの選択では、[Instance root directory] が [Program Files (x86)] に設定がされます。
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後のインストールは x64 の SQL Server と同じです。
タスクマネージャーを確認すると [*32] となっていますので、WOW64 で実行されているのが確認できます。
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それではパフォーマンスモニタでメモリの情報を取得してみたいと思います。
image
MSSQL~ のカウンターが無いですね…。
Process では、[sqlservr.exe] の情報を取得することが可能なのですが。
image
WOW64 の SQL Server の場合は、32bit のパフォーマンスモニタを起動して情報を取得します。
32bit のパフォーマンスモニタを起動するためには、[C:WindowsSysWOW64perfmon.exe] を実行します。
# [mmc /32 perfmon.msc] でも起動することが可能です。
32bit のパフォーマンスモニタを起動すると SQL Server のカウンターを取得することができます。
image
それでは、WOW64 上の SQL Server のメモリ情報を取得してみたいと思います。
まずは SQL Server 2008 R2 で試してみました。
image
取得したログに SQL Server のカウンターが無いですね…。
ログの取得対象として SQL Server のカウンターは設定されています。
image
[Relog] コマンドを使って、取得したパフォーマンスモニタのログからカウンターを取得してみたいと思います。
Relog コマンドには [-q] オプションがあり、このオプションを使用するとログに含まれるカウンターの情報を取得することが可能です。

>relog c:PerfLogsAdminPerformanceWIN-KLC3RJ46I7R_20101208-000007DataCollector01.blg -q
入力
—————-
ファイル:
???? c:PerfLogsAdminPerformanceWIN-KLC3RJ46I7R_20101208-000007DataCollector
01.blg (バイナリ)
開始:?????????? 2010/12/8 7:48:09
終了:?????????? 2010/12/8 7:52:24
サンプル:?????? 251
\WIN-KLC3RJ46I7RMemoryAvailable KBytes
コマンドは、正しく完了しました。

ログから追加できるカウンターに表示されていないという事ではなく、ログ自体に含まれていない (取得されていない) ことが確認できます。
WOW64 のパフォーマンスモニタのログ取得について調べていたところ、SQL Server でとても参考になるサイトが二つ見つかりました。
SQL Server Wow64 Perfmon Issues
How It Works: Almost Everything You Wanted To Know About The SQL Server (2005, 2008) Performance Counter Collection Components
最初のブログは WIndows Server 2003 がベースとなっています。
Performance Log and Alerts のサービスで使用する exe を レジストリを変更してWOW64 のものに差し替えて取得するという方法が紹介されています。
image
image
2008 以降はパフォーマンスモニタのサービスは [svchost.exe] 経由になっているのですが、これを [SysWow64] のものにすれば取得できるというわけでもないので残念ながらこの方法では取得できず…。
image
2 つめのサイトでは 64bit の SQL Server のカウンターのライブラリ DLL を [system32] にコピーするという方法が紹介されています。
SQL Server のパフォーマンスモニタのカウンターですがサービス毎に、ライブラリの DLL が個別に設定されています。
# 使用している DLL 名は HKLM のサービスのレジストリの [Library] から確認することができます。
image
同一バージョンの 64bit の SQL Server から、カウンターのライブラリ DLL をコピーし、ファイル名を上記で確認した DLL 名と同一にして、[C:WindowsSystem32] にコピーをして再度ログの取得を試してみました。
image

>relog c:PerfLogsAdminPerformanceWIN-KLC3RJ46I7R_20101209-000009DataCollector01.blg -q
入力
—————-
ファイル:
???? c:PerfLogsAdminPerformanceWIN-KLC3RJ46I7R_20101209-000009DataCollector
01.blg (バイナリ)
開始:?????????? 2010/12/9 22:28:06
終了:?????????? 2010/12/9 22:28:44
サンプル:?????? 39
\WIN-KLC3RJ46I7RMSSQL$DENALIX86:Plan Cache(_Total)Cache Pages
\WIN-KLC3RJ46I7RMSSQL$DENALIX86:Buffer ManagerDatabase pages
\WIN-KLC3RJ46I7RMSSQL$SQL2008R2X86:Plan Cache(_Total)Cache Pages
\WIN-KLC3RJ46I7RMSSQL$SQL2008R2X86:Buffer ManagerDatabase pages
\WIN-KLC3RJ46I7RMemoryAvailable KBytes
コマンドは、正しく完了しました。

?
2008R2 と Denali の情報を取得してみたのですが両方ともログが取れていますね。
パフォーマンスモニタのログも取得できています。
image
この方法でログを取得することができるのですが [非サポート] になるようですので注意が必要です。
非サポートではありますがひとまず、ログの取得はできました。
WOW64 で SQL Server を実行した際のメモリ利用については次の投稿でまとめたいと思います。

Written by Masayuki.Ozawa

12月 8th, 2010 at 12:27 am

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あらためて SQL Server と AWE その 6

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あらためて SQL Server と AWE の最後の投稿として、AWE を有効にしている場合のメモリ情報の取得についてまとめていきたいと思います。

今まで、DBCC MEMORYSTATUS やパフォーマンスモニタでメモリの情報を取得してきました。
特定のアプリケーションのメモリを取得する際には、タスクマネージャやパフォーマンスモニタの Process でワーキングセットを取得する方法もあるかと思います。

AWE を有効にした状態でタスクマネージャーの [sqlserver.exe] のプライベートワーキングセットを確認してみます。
image

92 MB となっていますね。
パフォーマンスモニタで [sqlserver.exe] の [Working Set] を確認してみます。
image

平均が [116,969,472] Byte となっています。

DBCC MEMORYSTATUS で SQL Server から使用しているメモリを確認してみます。
image
AWE Allocated は [4,235,376] KB となっていますので、4GB 程度のメモリが使用されています。

AWE が有効になっている環境でのメモリ取得に関して、技術文書に以下の記載があります。
SQL Server での AWE メモリの有効化

SQL Server のパフォーマンス モニターの Total Server Memory (KB) カウンターを使用して、AWE モードで実行されている SQL Server のインスタンスによって割り当てられたメモリ量を特定するか、sysperfinfo からメモリの使用量を選択します。

AWE を有効にしている場合はプロセスからではなく、SQL Server のパフォーマンスモニタから情報を取得します。

SQL Server が使用しているメモリの合計は、

  • Buffer ManagerTotal pages
  • Memory ManagerTotal Server Memry (KB)

の何れかで取得することが可能です。

以下の画像が情報を取得したものになります。

image

Total pages は 8KB ページの数が表示されますので、サイズにするためには
540,672 ページ × 8KB = 4,325,376 KB となります。

Total Server Memory (KB) に関しては KB 表示そのままですね。
両方とも同じ値となりますのでどちらから値を取得しても問題はありません。

SQL Server の現状を見るときには基本的に SQL Server 用のカウンタから追っていくことになります。
現状のメモリ使用状況だけを軽く見たいといった時でも SQL Server のカウンタを使うことで正確な値を取得することができます。

 

6 回に分けて AWE についてまとめてみました。
64bit 化が進んでいる中で、32bit の SQL Server を使用する機会はそれほどないかとは思いますが、SQL Server のメモリの使用状況を勉強するということではいい機会だったと思います。

次の投稿では WOW64 の SQL Server についてまとめてみたいと思います。

Written by Masayuki.Ozawa

12月 5th, 2010 at 8:08 pm

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あらためて SQL Server と AWE その 5

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今回は Denali の AWE についてまとめていきたいと思います。

32bit の Denali でも AWE を設定することができます。
image

DBCC MEMORYSTATUS で Memory Manager を確認すると AWE Allocated によるメモリ割り当てがされていることが確認できます。
image

それでは、どれくらいのメモリが割り当てられるかを試してみたいと思います。
# /3GB スイッチは無効にしてあります。
image

このグラフの情報は AWE を有効にしている状態で取得をしているのですが、メモリが 1.4GB 程度で頭打ちになっています。

AWE について SQL Server 2008 R2 の BOL で確認をしてみました。
awe enabled オプション

この機能は、Microsoft SQL Server の次のバージョンで削除されます。
新規の開発作業ではこの機能を使用しないようにし、現在この機能を使用しているアプリケーションはできるだけ早く修正してください

 

SQL Server 2008 R2 の段階で、AWE は次バージョンで削除されることになっています。
# SQL Server 2008 ではこの記載はありませんでしたので、2008 R2 になって明記されたものになります。

SQL Server で実行されているクエリのトレースを取得できるツール、SQL Server Prolifer には [Deprecation] というイベント カテゴリが用意されており、このカテゴリに含まれるイベント クラスを取得すると実行されている SQL が次バージョンでサポートされるかを確認することができます。
Deprecation イベント カテゴリ

それでは、SQL Server 2008 R2 で [awe enabled] を有効にするクエリを実行してイベントを取得してみたいと思います。
image
[sp_configure] で [awe enabled] を設定しようとすると、[Deprecation Announcement] イベントが発生しているのが確認できます。
メッセージンは以下の内容が表示されています。

sp_configure ‘awe enabled’ は、今後のバージョンの SQL Server では削除される予定です。
新しい開発作業ではこの機能の使用を避け、現在この機能を使用しているアプリケーションでは変更を検討してください。

SQL Server Plofiler からも、[awe enabled] に関しては削除対象となっていることが確認できます。

それでは、Denali で [awe enabled] を設定するとイベントが発生するかを確認してみたいと思います。
image

sp_configure ‘awe enabled’ will be removed in a future version of SQL Server.
Avoid using this feature in new development work, and plan to modify applications that currently use it.

Denali でも 、[Deprecation Announcement] が発生しています。
sp_configure で awe enabled は設定ができているので、構文が使用できるかどうかで見るとこのイベントの発生で正常だと思います。

ただし、メモリが使えるかというと簡単に試したところ、通常のユーザーモードの空間内のメモリしか使えていないようですね…。
/3GB スイッチに関しては想定通りの動きとなり、2GB 以上のメモリ空間の利用が可能となります。

現在は CTP 版なので設定できているのかもしれませんが、SQL Server 2008 R2 の BOL に削除されていると記載されている以上、Denali で AWE が使えると思えるのは危険な気がしますね。

検証した感じでは、32bit の Denali のメモリ割り当ては以下のようになりそうです。image

ここまでの投稿で、メモリの情報を取得しながら AWE の動作を簡単に確認してきました。
次の投稿では、AWE 有効時のメモリの使用状況の取得についてまとめたいと思います。

Written by Masayuki.Ozawa

12月 5th, 2010 at 5:08 pm

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あらためて SQL Server と AWE その 4

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前回の投稿で、プランキャッシュの上限について少しまとめてみました。
AWE を有効にしても、プランキャッシュはユーザーモードの中に確保がされますので使用できるメモリは増えません。
image
image

プランキャッシュの上限を増やすためには AWE ではなく、/3GB スイッチを利用します。

/3GB スイッチを使用した場合のプランキャッシュの利用状況は以下のようになります。
image

/3GB スイッチを設定する前は、900 MB 程度だったメモリが、スイッチを設定することにより、1,400 MB 程度まで増加しています。

プランキャッシュですが、Visible ターゲットメモリのサイズに応じて上限が設定されます。
Visible ターゲットメモリは通常のメモリ割り当て (AWE 設定なしで割り当てられるユーザーモード空間) の上限になります。
32bit の場合は 2GB または、3GB が上限となります。

/3GB スイッチを設定しても 3GB のプランキャッシュが設定できるわけではないので注意が必要です。
# いろいろと試してみたのですが、2GB:900 MB / 3GB : 1.4 GB 程度が上限になりそうでしたが、。情報を見ている限りは 75% 取れそうな気もするのですが、これは64bit だけなのかもしれないですね。

/3GB スイッチと AWE を併用した場合のメモリ使用状況はこのようになります。
image

image

/3GB スイッチを設定していない場合と比較すると、プランキャッシュの使用状況が増加していることが確認できます。

/3GB スイッチの注意ですが、このスイッチは 16GB を超えるメモリでは使用することができない点です。
AWE の使用

コンピューターに 16 GB を超える使用可能な物理メモリがある場合、オペレーティング システムで 2 GB の仮想アドレス空間がシステム用に必要になるため、サポートできるユーザー モード仮想アドレス空間は 2 GB だけになります。
オペレーティング システムで 16 GB を超えるメモリ範囲を使用するには、Boot.ini ファイルから /3gb パラメーターを削除する必要があります。
このパラメーターがあると、システムで 16 GB を超える物理メモリを使用できません。

プランキャッシュの上限を考えるとできるだけ 64bit のSQL Server を使用したいところですね。

今回は SQL Server 2008 R2 で検証をしていました。
Denali でも 32bit の SQL Server は引き続き提供されます。

次の投稿では、Denali で AWE を有効にした際の動作をまとめていきたいと思います。

Written by Masayuki.Ozawa

12月 5th, 2010 at 2:09 pm

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あらためて SQL Server と AWE その 3

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AWE を使用すると AWE によってマッピングされたユーザーモード (2GB) を超える領域はデータキャッシュでしか使用されないということを聞くことがあるかと思います。

今回はデータキャッシュとプラン (クエリ) キャッシュについてまとめていきたいと思います。

AWE を使用すると以下のようにメモリを使用することが可能となります。
image

SQL Server のパフォーマンスモニタでは以下のメモリの情報を取得することが可能です。

以下は Denali で取得できる情報になります。
# SQL Server のバージョンによっては項目が違うのですが、似たような情報は他の項目から取得することができます。

  • Connection Memory
  • Database Cache Memory (Database pages)
  • Free Memory
  • Granted Workspace Memory
  • Lock Memory
  • Optimizer Memory
  • SQL Cache Memory (Cache Pages)

これと上の図をマッチングしてみます。

image

ユーザーモードの領域を超えて割り当てが可能なのは [Database Cache Memory] となります。

それではこのあたりの動きを確認していきたいと思います。
まずはデータベースキャッシュメモリを確認してみます。

今回は SQL Server 2008 R2 の環境を使用しています。
# Denali を使用していないのには理由があるのですが、これは別の機会にまとめる予定です。

■AWE を設定していない状態のデータベースキャッシュメモリの使用状況

まずは AWE を設定していない状態でのデータベースキャッシュメモリの使用状況を確認してみます。
データベースキャッシュメモリはデータをキャッシュするために使用されます。

今回は 17 GB 近いデータが格納されているテーブルを用意しました。

image

このテーブルに対して SELECT を実行して、データベースキャッシュの状態を確認していきたいと思います。
SELECT は SSMS で実行しているのですが、SSMS のプロセスで余計なメモリを消費されないように実行結果はファイルとして出力しています。
# グリッドやテキストで SSMS 上に結果を表示すると SSMS でメモリを消費してしまいますので。

以下のグラフはサーバーの空きメモリとデータベースキャッシュの状態をグラフにしたものです。
image

AWE を有効にしていないため、メモリを最大限使用できていないことが確認できます。

それでは、AWE を有効にして同様のデータを取得してみます。

■AWE を設定しいる状態のデータベースキャッシュメモリの使用状況

AWE を設定している状態では以下のようなメモリ使用状態となります。
image

先ほどと比較して、データベースキャッシュに使用できるサイズが増加していることが確認できます。
AWE が有効に働いていますね。

 

それでは、同様の情報をプランキャッシュでも取得してみたいと思います。

■AWE を設定していない状態のプランキャッシュメモリの使用状況

今回は大量のアドホッククエリを動的に生成して EXEC するクエリを実行して、プランキャッシュにアドホッククエリを大量にキャッシュするようにしてテストをしています。

image

AWE は設定していないので、プランキャッシュとしては 900 MB 程度が上限となっています。

それでは、AWE を設定して情報を取得してみます。

■AWE を設定している状態のプランキャッシュメモリの使用状況

プランキャッシュに関しては AWE の恩恵が受けられない領域となります。
そのため AWE の設定有無によるメモリ使用量の変更はありません。

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AWE を設定してもプランキャッシュは通常のユーザーモードのメモリ空間の中でしか確保ができませんので、AWEの有効有無による差が発生しません。

最後に AWE を有効にした状態で、データベースキャッシュとプランキャッシュを最大限使われるようにした際の情報を取得してみたいと思います。

データベースキャッシュが増加した後にプランキャッシュを増やすようにしています。
# サーバーのスペック的に両方を同時に増加させようとすると結構時間がかかりそうだったもので。

image

途中からプランキャッシュが増えるようにしていますので、プランキャッシュの増加に合わせてデータベースキャッシュのメモリが減っていります。

AWE を有効にしてもプランキャッシュの上限は変わりません。
プランキャッシュの上限を増やすためには、/3GB スイッチを利用します。

次の投稿では、AWE と /3GB スイッチの併用についてまとめていきたいと思います。

Written by Masayuki.Ozawa

12月 5th, 2010 at 12:55 pm

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あらためて SQL Server と AWE その 2

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前回の投稿では AWE の設定と設定後の確認について投稿しました。

今回は [動的メモリ] についてまとめていきたいと思います。

SQL Server では [min server memory] と [max server memory] を使用した動的なメモリ割り当てを行うことができます。
この 2 つの値設定することで、SQL Server がどの範囲でメモリを使用するかを指定することができます。
# min server memory はメモリ割り当て後の解放をどの程度まで許容するかの設定で、起動時に確実に確保する設定ではありませんが。

AWE の動的なメモリ割り当てについてですが、以下の技術情報が掲載されています。
SQL Server での AWE メモリの有効化

この中に、以下の記載があります。

Windows 2000 オペレーティング システム上で実行される SQL Server では、AWE マップ メモリの動的割り当てがサポートされていないため、インスタンスごとに max server memory オプションを設定することをお勧めします。

Windows Server 2003 上の SQL Server では、AWE メモリの動的割り当てがサポートされます。

AWE の動的メモリ割り当てに関しては、OS によってサポートの有無が変わってきます。

Windows 2000 Server では動的メモリがサポートされていないため、SQL Server が起動時に可能な限りのメモリを Committed にします。
そのため、[max server memory] を指定することで SQL Server が使用するメモリの条件を設定しておきます。

Windows Server 2003 では動的メモリがサポートされ、SQL Server の起動時には、必要最小限のメモリのみを Committed にして、後は必要に応じて動的にメモリを割り当てます。
動的メモリがサポートされていますので、[min server memory] と [max server memory] を指定しなくても最小限のメモリから必要となるメモリのみを確保していく設定となります。
動的メモリがサポートされていても、サーバー上で稼働しているアプリケーションに影響を及ぼさないように [max server memory] は設定をしていた方が良いとは思います。

書籍によっては、[min server memory] と [max server memory] を同一値に設定して、固定メモリ設定とすると書かれているものがありますので、固定メモリ化するのが良いのかもしれないですね。

 

それでは、AWE の動的メモリ設定についてみていきたいと思います。
今回は SQL Server のバージョンではなく、OS のバージョンによって差が出るということを確認したいため、Windows 2000 Server と Windows Server 2008 上に SQL Server 2005 SP3 の環境を構築しています。
どちらの SQL Server も min server memory = 0 / max server memory =4096 に設定しています。

■Windows 2000 Server の AWE

 

まずは、Windows 2000 Server の AWE 有効時のメモリ割り当てについて見ていきたいと思います。
SQL Server 2005 でも DBCC MEMORYSTATUS は使用できますので AWE Allocated の値を確認してみます。

image

起動直後の状態なのですが、3,326,920 KB のメモリが割り当てられているのが確認できます。
今回の環境ではメモリは 4GB 割り当てています。
# 物理メモリ 4GB に対して、SQL Server の割り当てメモリが 4GB なのでこのような割り当て状況になっています。

この環境では、AWE を使用しても 3GB と少しが SQL Server のメモリ割り当ての上限のようですね。
この状態では、物理メモリを確保していますが SQL Server 上では大半のメモリは [Free Pages] として認識されています。

以下の画像はパフォーマンスモニタで [Buffer ManagerFree Pages] を取得した内容になります。
image

平均して [414,107] ページの空きがあります。
414,107 ページ = 414,107 × 8 KB = 3,312,856 KB
となりますので、メモリを確保していても大半が Free Page として認識されています。

■ Windows Server 2008 の AWE

それでは、Windows Server 2008 の SQL Server 2005 でも同様の確認をしてみたいと思います。

image

Windows Server 2008 の場合は、Windows Server 2003 と同様に動的メモリがサポートされています。
そのため、SQL Server の起動時には必要最小限のメモリのみを確保した状態で起動がされます。

Windows 2000 Server と同様に、Free Page の状態を確認してみます。
image

Free Page のサイズは、
73 ページ = 73 × 8 KB = 592 KB
となりますので、確保しているメモリの大半は Free Page ではなく起動に必要な領域となっていることが確認できます。

 

■SQL Server 2000 で AWE を確認

先ほどは AWE を SQL Server 2005 で確認をしてみましたが SQL Server 2000 SP4 (8.00.2039) でも確認をしてみたいと思います。

SQL Server 2000 でも DBCC MEMORY STATUS は使用できます。
表示形式が SQL Server 2005 とは異なるのですが、[Buffer Distribution] からメモリを確認することができます。
今回は Windows 2000 Server 上に SQL Server 2000 をインストールしていますので、サービスの起動時は可能な限りのメモリが割り当てられます。
image

SQL Server 2000 の場合は KB ではなく、ページ数で表示がされます。
250,755 ページ = 250.755 × 8KB = 2,006,040 KB
となります。

SQL Serve 2000 では、Free Pages からはうまく値を取得できなかったので、[Memory ManagerTotal Server Memory (KB)] から情報を取得しています。
image

平均して、[2,021,680 KB] となっています。

4 GB のメモリを搭載した環境で、AWE を有効にして 2GB のメモリ割り当てというのは少し気になりますよね。
SQL Server 2000 SP4 用に以下の修正プログラムが提供されています。
[FIX] 32 ビット版の SQL Server 2000 SP4 を実行するコンピュータで AWE を有効にすると使用できないメモリ領域がある

SP4 では AWE を有効にしても物理メモリの半分までしかメモリが使用できないという不具合があります。
修正プログラムを実行して再度メモリの使用状況を確認してみます。
image

421,092 ページ = 421,092 × 8KB = 3,368,736
になりますので、先ほどの SQL Server 2005 の時と同程度のメモリが割り当てられています。

修正プログラムを適用すると Free Page の状況も正常に取得することができました。
image

421,083 ページ = 421,083 ページ × 8 KB = 3,368,664 KB
になりますので、大半が Free Page となっているのが修正プログラムを適用すると確認ができます。

 

AWE を有効にすると AWE によってマッピングされた 2GB を超える領域はデータキャッシュのみで使用でき、クエリキャッシュはユーザーモードの空間 (2GB の空間)  でしか使用できないという話をよく聞くことがあると思います。

次の投稿では AWE で有効にしたメモリの使用状況についてまとめたいと思います。

Written by Masayuki.Ozawa

12月 4th, 2010 at 11:09 pm

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あらためて SQL Server と AWE その 1

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32 ビットの SQL Server で大容量のメモリ割り当ての手法として AWE (Address Windowing Extensions) という設定があります。

これから数回に分けて AWE についてまとめていきたいと思います。

■SQL Server の最大メモリ

32 ビットの SQL Server 2008 R2 の最大メモリは以下のようになります。
SQL Server 2008 R2 のインストールに必要なハードウェアおよびソフトウェア

エディション 最大メモリ
Datacenter オペレーティング システムの最大容量
Enterprise オペレーティング システムの最大容量
Standard 64 GB

 

32 ビットの SQL Server ではユーザーモードの VAS (仮想アドレス空間) は 2GB または 3GB となり、それ以上のメモリを使用するためには AWE を使用する必要があります。
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AWE に関しては以下の技術情報の絵がわかり易いと思います。
プロセス アドレス空間

AWE を使用することでユーザーモードの VAS の一部を使用して、利用できるメモリの領域を拡張することが可能となります。
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■AWE を使用するための必須となる前提設定

AWE の使用有無に関しては、SQL Server で設定をするのですが、使用するためには必須となる設定があります。

それが [ローカル セキュリティ ポリシー] の設定です。

ローカル セキュリティ ポリシーで、[メモリ内のページのロック] という権限を SQL Server のサービス起動アカウントに付与する必要があります。
# 英語では、[Lock Pages in Memory] と呼ばれているものになります。
Lock Pages in Memory オプションを有効にする方法 (Windows)

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初期設定ではこのポリシーにはどのユーザー / グループも設定はされていません。
SQL Server をローカルシステムで実行していると、ポリシーを設定していなくても AWE を使用することが出来たりするのですが、サービスの専用ユーザーを作成して SQL Server を実行している場合は、このポリシーにサービス用のユーザーを設定する必要があります。

AWE が正常に有効化されていると以下の SQL Server のログに以下のメッセージが表示されます。

Using locked pages in the memory manager.

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AWE が有効になっていない場合は以下のメッセージとなります。

Using conventional memory in the memory manager.

image

 

■ログ以外で AWE が有効になっているかを確認

先ほどはログから AWE が有効になっているかを確認しましたが、他の方法でも確認することができます。
[DBCC MEMORY STATUS] を実行することで、AWE によりメモリが割り当ての情報を取得できます。
[Memory Manager] や他のセクションの情報から [AWE Allocated] を確認することで AWE によるメモリ割り当てが行われているかを確認することができます。

以下が、AWE が正常に動作しているときの情報になります。
image

[AWE Allocated] に情報が出力されていますね。

AWE が有効になっていない、メモリ内のページのロックが有効になっていない場合は以下のような情報となります。
image

AWE が使われておらず、通常のメモリ割り当てが行われていますので、[VM Committed] としてメモリが割り当てられているのが確認できます。

ログから見ると実際に使われているかが不安になることがありますので、DBCC MEMORYSTATUS を実行して数値として確認をした方が安心かと思います。

ここまでの設定で AWE を知っている方ですと、[max server memory] と [m
in server memory] の設定は? と思われるかもしれません。

次の投稿でこの辺の設定が影響する、[動的メモリ] についてまとめていきたいと思います。

Written by Masayuki.Ozawa

12月 4th, 2010 at 9:06 pm

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SQL Server 2008 R2 CU3 の SQL Azure の DB 名変更について

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SQL Server 2008 R2 CU3 では以下の機能追加がされています。
FIX: A fix is available for SQL Server Management Studio 2008 R2 that enables you to rename SQL Azure databases in Object Explorer

SSMS から SQL Azure のデータベースの名前の変更が可能になっています。

今回はデータベース名の変更についてまとめてみたいと思います。

■データベース名の変更

SQL Azure の ALTER DATABASE では、[MODIFY NAME] を指定することでデータベース名を変更することが可能です。
ALTER DATABASE (SQL Azure Database)

RTM の SSMS を使用してもクエリから実行することでデータベース名を変更することが可能なのですが、CU3 では、オブジェクト エクスプローラーから変更することが可能になっています。

それでは、SSMS CU4 の環境を準備しましたので実際に試してみたいと思います。
# CU4 には CU3 の変更も含まれています。
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はい、表示されていないですね…。
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英語版の SSMS を使うとどうなるでしょう。
まずは RTM で試してみました。

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CU 3 以降の対応ですので、 RTM の SSMS では表示がされないのは想定される動作ですね。
それでは SSMS CU4 で試してみます。
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バージョンは、[10.50.1746.0] ですので最初に試した日本語版の SSMS CU4 と同一です。
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英語版の SSMS では[Rename] が表示されていますね。
機能としても正常に動作します。
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Rename からではなく [F2] を押すことで編集 (データベース名) することもできるのですが、日本語の SSMS CU4 では F2 による編集もできません。

この対応ですが、英語の SSMS でない機能しないようですね…。

Denali の SSMS でも Rename は表示されないみたいです。
# F2 による編集もできませんでした。

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CU3 ではほかにも空間データ型とインデックスについて対応があったようです。
http://blogs.msdn.com/b/sqlrem/archive/2010/12/03/cumulative-update-3-for-sql-server-management-studio-2008-r2-what-s-in-it-for-managing-sql-azure-databases.aspx

空間データ型はほとんど触ったことがないのでいまいち理解度が低いのでこれらについては勉強してからまとめてみたいと思います。
RTM の SSMS でもスクリプト化ができたので、書かれている内容を理解できていないみたいなのですよね…。
英語ものすごい不得手なもので。

Written by Masayuki.Ozawa

12月 4th, 2010 at 8:19 pm

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