前回の Update: SQL Server / SQL Database Update (2024/01~2024/03/03)
前回の投稿以降の Update をまとめておきたいと思います。
- Azure Updates
- Preview
- GA
- Azure SQL Blog
- SQL Server Blog
- SQL Server
- SQL Database
- Azure Arc
Contents
- 1 SQL Database
- 1.1 Preview
- 1.1.1 Hyperscale の名前付きレプリカのゾーン冗長サポート
- 1.1.2 汎用目的の MI でゾーン冗長をサポート
- 1.1.3 Database Watcher の提供開始
- 1.1.4 SQL Database から Microsoft Fabric に対してのミラーリングの提供開始
- 1.1.5 Hyperscale のエラスティックプールに対してのメンテナンスウィンドウの設定
- 1.1.6 SQL Database の Microsoft Copilot
- 1.1.7 SQL Database の正規表現関数のサポート
- 1.1.8 Purview の情報保護ポリシーでラベルを使用した SQL Database のアクセスコントロール
- 1.1.9 Entra ID のプリンシパルを使用した SQL ログインの柔軟性の向上
- 1.1.10 Azure SQL Managed Instance で外部 REST エンドポイント呼び出しをサポート
- 1.2 GA
- 1.1 Preview
- 2 SQL Server
- 3 ツールアップデート
SQL Database
Preview
Hyperscale の名前付きレプリカのゾーン冗長サポート
Hyperscale の名前付きレプリカで ゾーン冗長可用性 がサポートされました。
Hyperscale では Read Replica を作成する方法として名前付きレプリカの機能が提供されていますが、この名前付きレプリカの構成閉じて可用性ゾーンを使用したゾーン冗長がサポートされるようになりました。
名前付きレプリカでゾーン冗長を使用する場合、プライマリレプリカの Hyperscale でゾーン冗長が有効になっている必要があります。
現状、ゾーン冗長はデータベースの作成時にのみ設定を行うことが可能であるため、後からゾーン冗長構成とすることはできません。
現状、ゾーン冗長は東日本でのみサポートされており、東日本のゾーン冗長については、「既定のメンテナンス期間」のみがサポートされているため、ゾーン冗長の設定時にはこのような制約は意識しておく必要があるかと思います。
汎用目的の MI でゾーン冗長をサポート
MI では、ビジネスクリティカルについては東日本でゾーン冗長が既に GA していましたが、汎用目的のサービス階層でゾーン冗長がサポートされました。日本では東日本でサポートされています。
Database Watcher の提供開始
本ブログでも Database Watcher for Azure SQL が Public Preview で提供開始されました で投稿しましたが、Database Watcher というデータベースのパフォーマンスモニタリングのサービスがパブリックプレビューで提供されました。
Database Watcher は、SQL Server ベースの PaaS のデータベースの状況を取得するのに強力な機能となります。
SQL Database から Microsoft Fabric に対してのミラーリングの提供開始
こちらも本ブログでは Microsoft Fabric の Mirroring Azure SQL Database (Preview) について調べてみる で投稿しましたが、SQL Database から Microsoft Fabric へのデータ同期方法としてミラーリング機能が提供されました。
- Azure SQL データベースのミラーリング (プレビュー)
- Announcing Mirroring Azure SQL Database in Fabric for Public Preview
ゼロ ETL で Fabric にデータ同期を行うことができる機能となり、SQL Database とのデータ同期を容易に設定することができます。
同様の機能として Synapse Link for SQL がありますが、SQL Database と Fabric のミラーリングについては、Synapse Link と共存することができないため、既存で Synapse Link を使用している環境ではこの機能を活用することができませんが、Fabric に SQL Database のデータを取り込む際には活用を検討してみる良い機能となるのではないでしょうか。
Hyperscale のエラスティックプールに対してのメンテナンスウィンドウの設定
Hyperscale のエラスティックプール構成でメンテナンスウィンドウ (メンテナンス期間) の設定が可能となりました。(Hyperscale のエラスティックプールについても現在プレビューで提供されている構成となります)
SQL Database の Microsoft Copilot
Private Preview となりますが、Azure の Copilot として、SQL Database の Copilot が使用できるようになりました。
この Copilot では、Copilot in Azure に統合鵜されている形で、SQL Database についての質問をする / Azure Portal のクエリエディターで自然言語を使用してクエリを記載するというような使い方をすることができます。
SQL Database の正規表現関数のサポート
現時点では Private Preview となりますが、SQL Database で正規表現のサポートが行われます。
現状の SQL Server ベースのデータベースエンジンでは、LIKE 句 で少しだけ、正規表現的なパターンマッチを行うことができましたが、サポートとしては弱いため、正規表現を使用するためには CLR での実装を検討する必要がありましたが、SQL Server のネイティブサポートとして正規表現のための関数のサポートが追加されました。
Purview の情報保護ポリシーでラベルを使用した SQL Database のアクセスコントロール
Purview でラベルを使用して SQL Database のアクセスコントロールを実施することができるようになりました。
SQL Database では、データの検出と分類 という機能があり、列に対して情報種別と機密ラベリングの設定と、アクセス状況の監査を行うことができます。
標準の機能では、これは監査目的となりアクセス制御をすることはできないのですが、Purview を使用することで、ラベリングによるアクセス制御をすることができるようになるようです。
Entra ID のプリンシパルを使用した SQL ログインの柔軟性の向上
SQL Database は Entra ID を使用したログオンが可能となっており、Azure リソースのマネージド ID を使用した認証を行うことができます。
ログインを作成する際には「CREATE LOGIN」「CREATE USER」を使用しますが標準の構文では「リソース名」を使用して作成を行うことになるのですが、同一のリソース名が存在していた場合には、どのリソースに対してのユーザーを作成するのかが判別できないという問題がありました。
従来までは、同一のリソース名のマネージド ID が存在する場合の SQL DB のユーザー作成について ? 暫定版 ? で投稿したような SID を使用して作成するという暫定的な対応が可能だったのですが、「WITH OBJECT_ID」というオプションが提供され、同一のリソース名が存在する場合は、サービスプリンシパルのオブジェクト ID を指定することで明示的にリソースを指定することができるようになりました。
- Create SQL logins and users for nonunique Microsoft Entra principals with Object ID ? Public preview
- Microsoft Entra logins and users with nonunique display names (preview)
Azure SQL Managed Instance で外部 REST エンドポイント呼び出しをサポート
SQL Database では一般提供が開始されている sp_invoke_external_rest_endpoint が MI で Private Preview として提供が開始されました。
MI からストアドプロシージャ経由で許可されている Azure の REST API を呼び出すことができ、DB を起点とした処理を拡張することができます。
GA
データベースの計画メンテナンスの事前通知の一般提供開始
サービスヘルスを使用することで、データベースの計画メンテナンスの通知を受け取ることができます。
Managed Instance についてはプレビュー機能となっていますが、SQL Database については、一般提供が開始となりました。
SQL Database のエラスティックジョブの一般提供開始
SQL Database では SQL Server エージェントの機能はありませんが、SQL をジョブとして実行することができる機能としてエラスティックジョブがあり、この機能の一般提供が開始されました。
エラスティックジョブは 同時実行キャパシティ レベル によって価格が変わり、Azure SQL Database の価格 に記載されているコストが発生します。
Azure Functions を使用した Azure SQL トリガーの一般提供開始
Azure Functions では、Functions の Azure SQL トリガー として、変更の追跡で SQL Database に対してのデータの変更を Azure Functions のトリガーとして使用することができる機能がありますが、この機能が一般提供開始となりました
SQL Server
SQL Server Security Update
SQL Server で以下の修正プログラムがリリースされました。
SQL Server 2022
- Cumulative Update #12 for SQL Server 2022 RTM
- CU12 については CU12 + GDR が提供されているため、こちらではなく Security Update for SQL Server 2022 RTM CU12 を使用したほうが良いです。
- CU12 では次のような対応も行われています。
- Security Update for SQL Server 2022 RTM CU12
SQL Server 2019
- Security Update for SQL Server 2019 RTM
- RTM に対しての最新の GDR となります。
- Security Update for SQL Server 2019 RTM CU25
- 2024/02/15 に提供された CU25 に GDR が追加された更新プログラムとなります。
- Cumulative Update #26 for SQL Server 2019 RTM
Preview
SQL Server on Azure VM を展開する際に、Premium SSD v2 を使用した構成を展開できる機能が Preview として提供されました。
- Public Preview: SQL Server on Azure VM storage configuration deployment experience with support for Premium SSD v2
- Azure portal で Premium SSD v2 ストレージ使用して Azure VM に SQL Server をデプロイする (プレビュー)
Premium SSD と v2 の比較については Azure マネージド ディスクの種類 から、コストについては Managed Disks の価格 から確認できます。
Premium SSD v2 は、サイズ / IOPS / スループットが独立しており、v1 と比較して柔軟な構成をとることができます。
GA
SQL Server on Azure VM の修正プログラム適用の機能強化
SQL Server on Azure VM の修正プログラム (更新プログラム) の適用を Azure Update Manager を使用して実施する方法が一般提供開始となりました。
今までは IaaS Agent の 自動修正 の機能を構成することで、更新プログラムの適用を実施することができましたが、Azure VM 上の SQL Server 用 Azure Update Manager を構成することで、Update Manager と統合した形で更新プログラムの適用を実施することが可能となります。
ツールアップデート
SQL Server Management Studio 20
SSMS の最新バージョンとなる SSMS 20 がリリースされました。(投稿を書いている時点では 20.1 が最新バージョンとなります)
- Upcoming changes for SQL Server Management Studio (SSMS) – Part 3
- Release notes for SQL Server Management Studio (SSMS)
SSMS 20 は SQL Server のメジャーリリースのタイミングとは独立して提供が行われた最初の SSMS となるとのことです。(従来の SSMS は SQL Server の新しいメジャーリリースのタイミングで新しいメジャーバージョンが提供されていました)