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SQL Server / SQL Database Update (2023/08 中旬~9 末)

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時間が取れず、直近の SQL Server ベースの環境のアップデートをまとめられていませんでしたので、SQL Server / SQL Database Update (2023/08 上旬) 以降に発表されたものをまとめておきたいと思います。

Azure SQL Database

Preview

Azure SQL Database free offer (2023/09)

Azure サブスクリプションが有効な期間で、Azure SQL Database を無料で利用することができるオファーが追加されました。

このオファーでは、毎月、次の SQL Database を 1 つ無償で使用することができます。

  • SLO: 汎用目的の Serverless モデル
  • ストレージサイズ: 32 GB
  • CPU 時間: 100,000 vCore 秒 (27.7 時間分)
    • アイドル時間が 1 時間を超えた場合の自動停止が有効化されている

月の無償分を超えた場合には、翌月の月初まで自動停止状態とするか、次月まで従量課金で利用するということが可能です。
アナウンスされた当初は、East US / West Central US / UK South リージョンでの利用となっていたのですが、現時点では リージョンの制限はなくなり、東日本でも使用することができるようになりました。

 

参考情報

 

GA

External REST Endpoint の GA (2023/08)

sp_invoke_external_rest_endpoint を使用した Azure の外部 REST エンドポイントの呼び出し機能が GA しました。
機能で許可されている Azure の REST API の呼び出しに制限されますが、T-SQL を起点として、SQL では対応することが難しい処理を Azure の他の機能を呼び出して対応することができるようになります。

 

参考情報

 

sys.dm_database_backup を使用したバックアップ情報の取得 (2023/09)

※GA のアナウンスに含まれていましたが、投稿時点のドキュメントでは Preview となっていました。

SQL Database のバックアップ頻度については次のドキュメントに記載されています。

自動的に取得されているバックアップについて、実際にどのように取得されているのかを確認することができる DMV (sys.dm_database_backups) の一般提供が開始されました。

PaaS なのでバックアップ頻度を意識する必要があるケースは少ないと思いますが、実際にどのように取得されているのかを DMV を使用して確認することができます。

 

参考情報

 

Hyperscale の短期保有バックアップ (PITR) の保持期間を 35 日に指定 (2023/09)

デフォルトは 7 日間となっている PITR の保持期間を DTU / vCore と同様に最大で 35 日までの設定が一般提供開始となりました。

 

参考情報

 

Hyperscale の長期保有バックアップ (LTR) の保持期間を 10 年に指定 (2023/09)

PITR と同様に長期保有バックアップ (LTR) についても、DTU / vCore と同様に最大で 10 年間保持の設定が一般提供開始となりました。

 

参考情報

 

Azure SQL Managed Instance

 

GA

Private Endpoint の一般提供開始 (2023/08)

Azure SQL Managed Instance の Private Endpoint の一般提供が開始されました。
これにより VNET 間の接続や パブリックエンドポイント 以外の方法でも、MI への接続経路を確保するシナリオが実現できるようになりました。

Private Endpoint を使用した MI への接続は、TCP:1433 を使用した接続のみが許可されているため、DAC (TCP:1434) / ミラーリングエンドポイント (TCP:5022) の接続で接続できない、アプリケーションからの接続はプロキシ接続のみが利用できるというような特徴があるため、いくつかのユースケースでは従来の VNET ローカルエンドポイントの利用が必要になることは意識をしておいたほうがよさそうです。

 

参考情報

 

Business Critical の最大ログレートの改善 (2023/09)

Business Critical のトランザクションログのレートリミットが改善され、4MiB/s per vCore → 4.5MiB/s vCore になりました。

Premium Series のハードウェアを使用した場合の最大のレートリミットについても 96MiB → 192MiB となっており、トランザクションログの書き込み負荷が高い環境でも MI を活用しやすくなっています。

 

参考情報

 

S3 に取得したバックアップのリストア (2023/09)

AWS S3 上の取得されている SQL Server のバックアップを MI にリストアする機能の一般提供が開始されました。
この機能は SQL Server では、SQL Server 2022 で新しく導入された機能 となるのですが、この機能を MI でも使用することができます。

RDS for SQL Server や、SQL Server on EC2 からの移行容易性につながるかもしれませんね。

 

参考情報

 

Azure Database Migration Service

Preview

Azure Portal のエクスペリエンスの改善 (2023/08)

従来まで DMS の設定は Azure Data Studio を中心にして実行していたのですが、Azure Portal からも設定ができるようになったようです。サポートされる移行パターンとしては従来と同様となっており、今回のアナウンスは操作性の改善となりそうです。

 

参考情報

 

Synapse Analytics

GA

Synapse Link for Azure Cosmos DB のカスタムパーティション分割 (2023/09)

Synapse Link によって格納される分析ストアの情報をパーティション分割ストアとして利用することでクエリパフォーマンスを向上させる機能が一般提供開始されました。

Synapse Link の分析ストア向けのパーティション分割設定となるため、Cosmos DB のパーティション分割とは別の設定として定義を行うことでデータの分析ストア上のデータをパーティション分割することができる機能となるようです。

 

参考情報

 

SQL Server

SQL Server 2019

Cumulative Update

問題の修正が主となっており、今回の期間でアナウンスされた CU には、メジャーな機能追加は含まれていないようでした。

 

参考情報

 

SQL Server 2022

Cumulative Update

CU7 では、問題の修正の他に SQLIOSim の改善 が行われました。SQLIOSim は SQL Server をインストールすることなく、SQL Server からの I/O パターンのシミュレートをするツールとなりますが、ログ出力内容をはじめとして様々な機能強化が行われているようです。
SQL Serverを使用せずにマシンで SQLIOSim を使用する という情報が公開されていますので、検証用に SQL Server 2022 CU7 の環境を作成し必要なファイルをコピーすれば、SQL Server 未導入の環境に対して、最新の SQLIOSim の実行が可能となります。

CU8 に関しては従来通りの問題の修正となるようです。

参考情報

 

Preview

RHEL9 / Ubuntu 22.04 向けの SQL Server 2022 がプレビューで提供開始となったようです。
Ubuntu 22.04 / RHEL9 を使用したコンテナイメージについてもプレビューで提供が開始されました。

 

参考情報

 

Azure SQL Edge

Beta 機能

Apple Silicon 環境で x64 の SQL Server を実行 (2023/09)

Azure SQL Edge ではなく、Docker Desktop for macOS の新機能となるようですが Apple Silicon の環境で Docker を使用して x64 の SQL Server コンテナーを動作させることができるようになったようです。

従来までは ARM64 で動作する Azure SQL Edge を使用することが回避策の一つとして提示されていたのですが、Azure SQL Edge は SQL Server のデータベース部分でサポートされていない機能があるため、SQL Server の代替として使うときには注意が必要だったのですが、今回の対応でこの機能差を意識する必要がなくなったようです。

今まで気づいていなかったのですが、Azure SQL Edge の ARM64 サポートについては廃止されているようで、コンテナーイメージは削除されず使用することはできるようですが、ARM64 はサポート対象外となるようです。
(ARM64 サポートが無くなると、Azure SQL Edge の存在意義って….)

 

参考情報

 

Azure VM

Preview

Update Manager (2023/08)

Azure Update Manager を使用してパッチ適用を実行する機能がプレビューで公開され米s多。
SQL Server on Azure VM では、IaaS エージェント拡張機能でもパッチ適用の機能が公開されていますが、それより細かい設定が可能となりそうです。

Update Manager と IaaS エージェント拡張機能のパッチ適用はそれぞれが動作してしまうため、Update Manager を有効にした場合は、IaaS エージェント拡張機能による自動更新は無効にするというような考慮が必要となるようです。

 

参考情報

 

GA

マルチサブネットの可用性グループのポータルからの展開 (2023/08)

Azure Portal から可用性グループ構成済みの SQL Server on Azure VM を展開する場合に、複数のサブネットを使用した構成での展開が一般て提供開始となりました。(ドキュメントを確認した感じでは、シングルサブネットで展開するという選択肢がなさそう?)

マルチサブネットで可用性グループの展開を行うことで、ロードバランサーを使用せずに可用性グループを構築することが可能となり、切り替え時の即応性が向上するというメリットがあります。

 

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今後廃止予定の機能のアナウンス

VM からインターネットへの既定の送信アクセスの廃止 (2023/09)

実際に適用されるのは「2025/09/30」なので直ぐに影響する問題ではないですが、Public IP が付与されていない VM からのインターネットアクセスの挙動が変更されます。

SQL Server をインストールしている環境は、Public IP を付与せず、Bastion や踏み台からアクセスするケースが多いのではないでしょうか?そのような環境で構築した SQL Server のインターネットアクセスが制限されることになりますので、Windows Update を Microsoft Update 経由で実行している環境や、SQL Server の VM に外部 PaaS のエージェントを導入している環境については、インターネットへのアクセス経路の見直しが必要となる可能性があります。

 

参考情報

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Written by Masayuki.Ozawa

10月 4th, 2023 at 4:44 pm

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