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PASS Data Community SUMMIT 2022 で SQL Server 2022 の一般提供開始がアナウンスされました

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本日から PASS Data Community SUMMIT 2022 が開催されています。

1 日目のキーノートは Microsoft の Rohan Kumar 氏 のセッションとなっていました。

この動画も面白かったですw

このキーノートの中で SQL Server 2022 の一般提供開始 (GA: General Availability) がアナウンスされました!!

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CTP 2.0 による Public Preview が開始されたのが、2022/05/20 なので、半年の Public Preview 期間を経て一般提供が開始されましたね。

製品ページ も SQL Server 2022 に対応したものとなり、SQL Server 2022 の製品ページ も GA 版に変わっています。
ライセンス についても情報が公開されています。

 

評価版のダウンロード

評価版については こちら からダウンロードすることができます。SSRS はこちら から。

SQL Server 2022 の評価版ソフトウェアは以下からダウンロードすることができます。

Visual Studio サブスクリプションにも SQL Server 2022 の Developer Edition が追加されており、評価版については、そちらから入手も可能です。

 

ライセンス関連の情報

投稿点では 2019 のドキュメントもありますが、以下のライセンスドキュメントも 2022 に対応され始めています。

SQL Server 2022 の情報となるわけではありませんが、従来まで SA を購入している場合であった特典の、Free DR replica in Azure の構成が、PAYG の Azure VM でも適用されるということが General availability: DR secondary free with SQL Server on Azure Virtual Machines でアナウンスされました。

コンピューティングについてはコストは発生しますが、完全なスタンバイであれば、 SQL Server のライセンスコストを抑えることができるようになりますので、以下のドキュメントも確認しておくとよいかと思います。(投稿時点ではアップデートがされていませんが、今後アップデートされると思います)

 

SQL Server 関連のアナウンス

PASS 開催に合わせて発表された SQL Server Blog のアナウンスはこちら。

製品基本情報

ドキュメントも一通り、GA 対応 が行われています。

Windows

Linux

個人的に驚いたのは、PSP Optmization が全エディションで使用することができるようになっていることですね。

廃止される機能 / 非推奨となる機能についてはこちらから。

 

Managed Instance とのリンク機能で、MI にフェールオーバーしてからの SQL Server へのフェールバックについても情報の公開が始まっています。現時点では Preview での提供となるようですが、RC1 の時と比較して、MI との相互運用性が向上していますね。

 

製品の提供状況

製品の提供状況についてですが、現時点では次のようになっているようです。

  • 評価 / 無償版 (Developer / Evaluation / Express): 提供中
  • 有償版 (Enterprise / Standard): ボリュームライセンスの顧客向けに提供開始
    • その他のチャネルでの SQL Server 2022 の購入は 2023/01 から開始

 

現在、Visual Studio サブスクリプションで提供されているのは評価 / 無償版となっているので、来年になったら Enterprise / Standard も提供されると嬉しいのですが。

Enterprise は Developer で代替できるのですが、Standard でしか使用できない基本的な可用性グループ等は、Enterprise / Developer / Evaluation では使用できないので、Standard のメディアは必要なのですよね。

Docker イメージも公開が行われています。

 

SQL Server 2022 is now generally available では、次のようなアナウンスが行われています。

SQL Server 2022 free editions (Developer edition, Express edition) are available to download starting today. SQL Server 2022 paid editions (Enterprise edition, Standard edition) will be available in Volume Licensing (Enterprise Agreement, Enterprise Agreement Subscriptions) customers starting today, which represents the majority of SQL Server customers. Customers purchasing via CSP, OEM, and SPLA can begin purchasing SQL Server 2022 in January 2023.

CSP / OEM / SPLA については、2023/01 から購入が可能となっているということなので、このタイミングで MSDN にも評価版以外のメディアが提供されると嬉しいですね。

 

Azure での提供状況

Azure Market Place に SQL Server 2022 が追加されており、仮想マシン上ですぐに使用することができます。こちらは評価版だけでなく各エディションのイメージがすでに展開されているため、本番運用ですぐに使用することができる状態となっています。

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SQL Server IoT 2022

SQL Server IoT 2022 という OEM チャネルでのみ提供される組み込みソフトウエア向けの SQL Server 2022 (SQL Edge とは別) も提供が行われるというアナウンスがありました。

こちらは用途が特殊なので触る機会はめったになさそうですね。

 

SQL Server 2022 向けコンテンツ

PASS のセッション内で紹介されていますが、SQL Server 2022 向けのコンテンツ公開が行われています。

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SQL Server 2022 向けの書籍

SQL Server 2022 の書籍もいくつかリリースされています。(出版タイミングの関係で Preview をベースとしたものです)

 

新しい課金モデルについて

Ignite 2022 で発表された Azure Arc に接続した SQL Server の PAYG による利用についても詳細な情報が公開されています。

SQL Server 2022 Standard / Enterprise では、Azure Arc で SQL Server を接続することで、SQL Server を Azure の課金を通して PAYG で利用することができるようになりました。(Azure のコストとして SQL Server のライセンスを使用するので Azure サブスクリプションが必須となります)

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Manage, secure, and govern your SQL Server estate from Azure も参考になりますね。

PAYG で利用した場合のコストは SQL Server 2022 pricing で公開されており、コア単位に次のコストが接続している Azure のコストとして計上されます。

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よく寄せられる質問 に使用時に気になる点が記載されていますので、こちらは一読しておくとよいかと。

 

従量課金での利用について

詳細は確認している最中なのですが、現時点で課金の考え方は、料金計算ツール で Azure VM で SQL Server を実行した際の SQL Server のコスト相当になるように見えました。

Azure VM で SQL Server を実行した場合、SQL Server は「コアライセンス」での考え方による従量課金となるため、最小が 4 コアライセンスとなり、以降は 2 コアラインセスパックでの購入となります。

1 コア環境でも 4 コア分の SQL Server のライセンスが発生するのですが、Azure VM で利用した場合のSQL Server ライセンスについては、Standard で $292 / Enterprise で $1,095 となっています。これを 1 コア分に換算すると Standard: $73 / Enterprise: 273.75 となり、上記の記載と同様となります。

上述の よく寄せられる質問 にも次の記載があり、コアライセンスでの利用ということが明記されています。

従量課金制でコアの最小数はありますか

従量課金制によって、SQL Server のライセンス条項が変更されることはありません。 このため、SQL Server ライセンス条項で定義されている 4 コア制限の対象となります。

SQL Server ライセンスの考え方については、SQL Server on Azure VM の従量課金と同様のイメージでいるとよいのではないでしょうか。

 

Azure SQL Update

PASS では、SQL Server 2022 以外に、Azure SQL についてのアップデートが多数アナウンスされました。
直近でアナウンスされた内容についてまとめておきたいと思います。

PASS の Update セッションの内容も参考にしているため、少し前に発表された内容も含んでいます。

 

全体アナウンス

 

 

 

Azure Update (2022/10 – 11)

 

 

 

SQL Database

Generally Available

 

 

 

 

  • Hyperscale
    • Hyprscale の GA は少し前の発表となっていそうなのでこちらにまとめて
    • Import / Expoert 操作の Private Link サポート
    • マルチ AZ
    • Geo 冗長バックアップ
    • 汎用目的へのリバースマイグレーション

 

Preview

 

 

 

 

  • Hyperscale
    • プレミアムシリーズハードウェア (メモリ最適化 / CPU 最適化) のサポート

 

Managed Instance

MI は発表された内容が多かったですね。

新機能については What’s new in Azure SQL Managed Instance? にも記載されています。

いくつかの機能は、November 2022 Feature Wave が必要となるのですが、現時点でこれを有効にできるサブスクリプションは Azure Dev/Test サブスクリプションとなるようで、それ以外のサブスクリプションへは今後数か月でオンボードされるようです。

 

Generally Available

 

    • SQL Server 2022 との Managed Instance のリンク機能の一般提供開始
      • 2016 – 2019: MI に対しての一方向レプリケーション
      • 2022: DR (双方向レプリケーション) 現時点では Limited Public Preview となるので、通常の環境では 2022 に対して一方向レプリケーション
    • SQL Server 2022 -> MI へのリンクは GA
    • MI -> SQL Server 2022 へのフェイルバックについては Limited Public Preview

 

 

 

 

  • Improve your SQL Managed Instance performance with new TempDB configurations
    • MI の tempdb の構成が改善されパフォーマンスが向上しています
      • tempdb のファイル数が変更可能 (今までは 12 データファイル固定)
      • tempdb のファイルの拡張サイズを指定可能 (今まではデータ 254MB / ログ 64MB 固定)
      • tempdb の ALLOW_SNAPSHOT_ISOLATION プロパティの永続化

 

  • Lock Pages in Memory (LPIM) の有効化
    • Update のアナウンスは見つからなかったのですが PASS のセッション内で GA した機能として LPIM が紹介されていました。
    • MI で LPIM が有効化されているのが、現在の設定のようです

 

  • バックアップの透明性
    • msdb で backupset が参照可能となり、取得されているバックアップの透明性が向上しています
    • PASS でアナウンスされていた内容なのですが、Update としてアナウンスされた情報は見つかりませんでした

 

Preview

 

 

Novemver 2022 Feature Wave

MI については、November 2022 Feature Wave として大型の機能アップデートが発表されました。

November 2022 Feature Wave については November 2022 Feature Wave for Azure SQL Managed Instance に記載されていますが、現時点では使用できる環境については、次の制限があります。

How to get access to November 2022 feature wave

Rollout of the November 2022 Feature Wave is happening over the course of several months. The initial rollout for the feature wave will cover:

  • Instances that belong to Azure Dev/Test subscriptions (more details in the Q&A section below)
  • Most public Azure Regions, except: Australia Central 2, Germany West Central and West India

Other subscription types and remaining regions will be onboarding in subsequent months.

The onboarding experience is different for new instances and existing instances:

  • New instances that belong to eligible subscriptions created  in new or empty subnets will automatically be enrolled in the feature wave and get access to all new benefits and features.
  • Existing instances created prior to November 2022 can opt into the feature wave to unlock the new benefits and features.

使用できるサブスクリプション / リージョンに制限がありますので、すぐに検証することは難しそうですね。
追加される機能としては次のようなものがあります。

 

 

    • MI 展開に必要となるネットワーク要件の緩和
      • 上述のドキュメントに新しいネットワーク構成が記載されています

  • Virtual Clusters hosting Azure SQL Managed Instance are enhanced

    • MI 作成時に展開される仮想クラスターの機能強化
      • サブネットごとに一つの仮想クラスターとなる
      • DNS サーバーの更新タイミングの変更 (サブネットごとに一つの仮想クラスターとなったことで非同期更新)
      • サブネットのとの関連付けが RNL (Resource Navigation Link) から SAL (Service Association Link) に変更

 

 

 

 

Virtual Machine

Generally Available

 

Migration

Preview

 

 

PASS Data Community SUMMIT 2022 の関連セッション

最後に PASS Data Community SUMMIT 2022 の Microsoft セッションとしてどのようなものがあったのかを列挙しておきたいと思います。

PASS Summit で Microsoft からのアナウンスは What’s New in Azure SQL and SQL Server, Data Exposed Live で発表されたのですが、Microsoft セッションとしては次のようなものが開催されていました。今後、これらのセッションを目にする機会が出てくるのではないでしょうか。

SQL Server 2022

 

Managed Instance

Azure SQL

SQL Server Hybrid

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Written by Masayuki.Ozawa

11月 17th, 2022 at 1:37 am

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