WSFC のネットワーク設定についてまとめていきたいと思います。
ネットワーク設定で可能なものは
- [内部]/[外部] ネットワークの設定
- [外部] ネットワークの IP アドレスの設定
だと思います。
以前のバージョンの MSCS と違いハートビートに使用するネットワークの優先順位は設定ができなくなっています。
WSFC ではクラスタのネットワークドライバがルーティングテーブルに応じて優先順を自動的に調整する設定となっているようです。
具体的にこの内容が書かれている技術情報はまだ見つかっていません。Microsoft のパートナー用コミュニティの情報です。
Microsoft の技術情報ではありませんが、TechTarget のホワイトペーパーで DELL の情報として近いものはありました。
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各設定は以下の方法で変更ができます。
[内部]/[外部] ネットワークの設定
クラスタの初期構築後の設定では、クラスタの IP アドレスを設定したネットワークが外部ネットワーク、それ以外のネットワークは
内部ネットワークとして設定されるようです。
外部ネットワークと内部ネットワークの設定は以下の手順で変更できます。
- [ネットワーク] を選択します。
- 対象のネットワークを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
- [クライアントにこのネットワーク経由の接続を許可する] の [有効]/[無効] で [内部]/[外部] ネットワークを設定します。
また、ネットワークの名前についてもこの画面で変更します。?
設定によってネットワークは以下のように使用されます。
MSCS ではサービス専用のネットワーク (クライアント アクセスのみ) が設定できたのですが、WSFC ではこの設定は
なくなっているみたいですね。
以前との設定の比較表を作ってみました。
? Windows Server 2003 以前の設定 クラスタにこのネットワークの使用を許可する 内部クラスタ通信のみ クライアントにこのネットワーク経由の接続を許可する 混合ネットワーク クラスタにこのネットワークの使用を許可しない 無効 (クラスタでは使用しない)
[外部] ネットワークの IP アドレスの設定
外部ネットワークの IP アドレスは [クラスタ コア リソース] として設定されています。
クラスタ コア リソースは以下の手順で変更することができます。
- クラスタ名を選択します。
- [クラスタ コア リソース] を展開します。
- クラスタ名を右クリックし、[プロパティ] を選択します。
- 変更対象の IP アドレスを選択し、[編集] をクリックします。
- [アドレス] に設定されている IP アドレスを変更し、[OK] をクリックします。
?
IP アドレスを DHCP の設定にしている場合のみ [DHCP を使用する] を選択することができます。
? - IP の変更画面で [適用] をクリックすると最終的な確認メッセージが表示されますので [はい] をクリックして確定します。
- 今回は Windows の DNS サーバーを使用していますが DNS の A レコードは連携して変更されていませんでした。
DNS のレコードは手動で設定変更する必要がありそうです。
ネットワークに関係する設定はこれらの操作で変えることができます。
設定は変更できませんが、内部ネットワークの優先順位は以下の手順で確認することができます。
[内部ネットワークの優先順位の確認]
- コマンドプロンプトを [管理者として実行] します。
- 以下のコマンドを実行します。
cluster /LISTNETPRI[実行結果]
>cluster /LISTNETPRI内部ネットワークの優先順位を一覧表示しています:?? ネットワーク名
?? —————
?1 Heartbeat
?2 Public上の例では内部ネットワークの優先順位は意図したものになっていますが、構築後にネットワークを追加した場合は
思った通りの設定にならないこともしばしばあるようです。
どうにか意図した順序で認識できるように制御できないか模索中です。?
ネットワーク系の設定で思いついたのは以上です。
他にも何かネットワーク系の設定がありましたら別途投稿したいと思います。
次回はディスククォーラムの設定をまとめてみたいと思います。