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Windows Dev Kit 2023 で Arm の Windows 11 の仮想マシンを作成する

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Arm の Windows 11 の開発キットとして過去に提供されていた Windows Dev Kit 2023 (Project Volterra) の Hyper-V で ARM の Windows 11 の仮想マシンを作成する方法をまとめておきたいと思います。

Arm の Windows で Hyper-V を起動したい理由

最終的に使用する環境は Copilot+PC の環境となるのですが、Arm の Windows で現在使用している各種ソフトが動作するのかを確認したいというケースが出てきました。

Arm の Windows 11 では、Arm でのエミュレーションのしくみ に記載されているように x86 / x64 のエミュレーションがサポートされていますが、Arm をネイティブにサポートしていなソフトによっては インストーラーの途中でエラーとなり、中途半端な状態でインストールが残ってしまうという状態になることがありました。

そのため、ホスト OS ではなく、ゲスト OS として検証用の Arm の Windows 11 を実行することでインストールの途中でエラーが発生してもホスト OS に影響を与えない / 再実行を容易にしたいというのが今回のモチベーションとなりました。

Windows サンドボックス を使用することでも対応できますが、ポイントで状態を残しておきたいため、Hyper-V の仮想マシンを使用するのが今回のニーズには適しているかと思います。

 

Arm 版 Windows のインストールメディア

Arm 版 Windows のインストールメディアは次の場所で公開されています。

仮想マシンに Arm の Windows 11 をインストールする際には、これらのインストールメディアを使用することができます。

 

23H2 で Hyper-V を使用した場合の問題

Arm の Windows でも通常の x64 の Windows と同様に「Windows の機能の有効化または無効化」から機能を追加することができます。

Arm の Windows 11 の最新は 24H2 ですが、現状の私の Windows Dev Kit 2023 では、Windows Update を最新の状態まで適用しても 23H2 までしか更新が行われませんでした。

image

Windows 11 を起動するには TPM の有効化が必要となりますが、23H2 の Hyper-V の仮想マシンで vTPM を有効にしようとすると次のような問題が発生します。

23H2 までは、仮想マシンで TPM を有効とすると「ホスト ガーディアン サービスクライアント構成の設定を取得できませんでした」のエラーが発生し、仮想マシンで vTPM を使用できるように設定することができませんでした。(私は Windows Dev Kit 2023 の 23H2 で確認しましたが、Surface Pro X の 22H2 でも発生していたようです)

 

Windows Dev Kit 2023 で vTPM を使用する方法

Windows on Arm の Hyper-V で仮想マシンで TPM を有効化する vTPM のサポートですが、23H2 の Build 22631 には含まれておらず、Build 25370 以降でサポートされた機能となっているようです。

What’s new in Build 25370

Support for vTPM in Hyper-V on Windows on Arm (Arm64) builds

After upgrading your host OS to the latest flighted build (Build 25370 and higher), you will now be able to upgrade guest Windows on Arm VM’s to Windows 11 Insider Preview builds as it will detect

the TPM 2.0 requirement.

現状、GA している最新のビルドである 24H2 はこの内容が含まれているバージョンとなりますので、23H2 から 24H2 にアップグレードすることで、Windows Dev Kit 2023でも Arm の Windows 11 の仮想マシンを実行することが可能となります。

現状の私の環境では、Windows Update で 24H2 はダウンロードされてきていませんので手動でインストールを行っています。

Windows 11 インストール アシスタント は使用できなかったため、Arm ベース PC 用の Windows 11 ディスク イメージ (ISO) をダウンロードする から各言語の Arm 版の Windows 11 のインストールメディアをダウンロードしてインストールする方法でアップグレードを実施しています。

Windows Dev Kit 2023 にインストールされていたのは英語版の Windows 11 となりますので、英語版の Windows のインストールメディアの ISO をダウンロードして、セットアップを実行することで 24H2 へのアップグレードが可能となります。

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24H2 アップグレード後に作成した仮想マシンであれば、vTPM を有効にすることができ、Arm の Windows 11 上で、ARM の Windows 11 の仮想マシンを起動することができます。

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Winodws 11 Enterprise であれば、90 日の評価期間がありますので、インストールの検証であればこの期間があれば問題ありませんので、Arm へのインストールの検証に仮想マシンを活用できそうです。

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Written by Masayuki.Ozawa

1月 13th, 2025 at 5:52 pm

Posted in Windows on ARM

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