Azure Local 22H2 から 23H2 へのアップグレードについて、Azure Arc ブログで Upgrade from Azure Stack HCI, version 22H2 to Azure Local という記事が公開されました。
検証のため Nested Hyper-V の環境で 22H2 からのアップグレードを試してみたのでその際のメモを。
2024/12/09 時点では、私の使用している環境ではソリューションアップグレードのインストールのロールアウトが行われていなかったため、最後までアップグレードを完了することはできませんでした。
22H2 から 23H2 のアップグレードについて
22H2 のサポート期限について
Azure Stack HCI バージョン 22H2 リリース情報 / Azure Stack HCI バージョン 22H2 のリリース ノート には記載されていませんでしたが、次のドキュメントで 22H2 のサポート期限が 2025/05 と記載されています。
これ以降、22H2 のセキュリティ更新プログラムが提供されなくなりますので、2025/05 までをターゲットとして 23H2 へのアップグレードを計画する必要があります。
ハードウェアのサポートの状況の確認
Azure Stack HCI の運用環境は認定ハードウェア上で動作させることが多いかと思いますが、現在使用しているハードウェアの 23H2 のサポート状況についても意識しておく必要がありそうです。
Azure Stack HCI の認定ハードウェアは Azure Stack HCI solutions で確認することができますが、Platform lifecycle が「Limited support」となっているハードウェアのアップグレードについては、該当のハードウェアで 23H2 がサポートされているかを意識しておく必要があるのかと。
DELL のハードウェアであれば Azure Stack HCI Support Matrix for 14G-15G (2409) として各ハードウェアがサポートする OS が記載されています。(Learn のドキュメントとしては Azure Local のソリューション ビルダー拡張機能の更新 も参考になるかと)
一部のハードウェアでは、22H2 までしかサポートされておらずそれ以上のバージョンをインストールする場合はハードウェアベンダーのサポートを受けることができないので注意が必要となります。
また、直接のアップグレードは検証が完了していないためサポートされておらず、新規インストールのみサポートするというようなケースもあるようですので、使用しているハードウェアの 23H2 のサポート状況についてはアップグレードを実施する前に確認をしておく必要があります。
アップグレードの手順
22H2 から 23H2 へのアップグレードについては、Azure ローカル アップグレードについて の一連のドキュメントから確認することができます。
大きな作業としては次の 3 点かと。
- 23H2 への OS のアップグレード
- 日本語のインストールメディアでインストールした環境でもこのアップグレードは動作しました。
- ソリューションのアップグレードの前の準備状態の検証
- 日本語版のインストールメディアでインストールした環境ではこの検証でエラーとなります。
- ソリューションのアップグレードのインストール
「1.」「2.」に関しては私のサブスクリプションでも実施することができたのですが「3.」については現時点ではまだ実施することができていません。
今回は英語版の Azure Local 22H2 を使用して検証環境を構築し、準備状態の検証はすべて完了した状態とすることができました。
しかし、「3.」のソリューションのアップグレードのインストールを実施することができませんでした。
ドキュメントでは Azure Portal からソリューションのアップグレードのインストールを実施するためのバナーが表示されるということになっているのですが、現時点の私のサブスクリプションではバナーが表示されませんでした。
ソリューションのアップグレードのインストールのドキュメントには次の注釈があります。
OS のアップグレードが一般公開されている間、ソリューションのアップグレードには段階的なロールアウトが行われます。
OS のアップグレード (22H2 → 23H2) については一般公開が行われましたが、ソリューションのアップグレードのインストールについては、段階的にロールアウトされているようでまだ私の環境では実行できないのかと思います。
Azure Local 23H2 では、新規の展開を実施した際には Azure Arc リソースブリッジが作成され、HCI 上にリソースブリッジ用の Kubernetes が展開された状態となります。
OS のアップグレードを実施しただけでは、このリソースブリッジの作成は行われておらず、作成はソリューションのアップグレードのインストールを実行したタイミングで実施されるようです。
そのため、現時点では 23H2 のアップグレードを完了することができませんでした。
段階的にロールアウトをしているようですので、そのうち制限なくインストールできるようになるかと思いますが、現時点では自分が使用しているサブスクリプションで 23H2 アップグレード後のソリューションのアップグレードのインストールが実行できるかを、Nested Hyper-V の環境等の試験環境に 22H2 を展開して、確認してみたほうが良いのかもしれませんね。