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SQLBits 2024 のオープニングキーノートで発表のあった内容

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2024/03/19~23 の期間で SQLBits 2024 が開催されました。
この期間中は、Azure SQL Update のアナウンスもいくつか行われています。

キーノートの動画公開され、SQL Server ベースの環境について、様々な発表がありましたので関連しそうな内容をまとめておきたいと思います。
(現時点では、キーノートの最初の部分が公開されていなかったので一部キャッチアップできていない内容があるかもしれません)

全体的なアナウンスについては Expand the limits of innovation with Azure data で公開が行われていました。

Azure SQL MI Next-gen GP と Database Watcher

最初にアナウンスがあったのが、Azure SQL Managed Instance Next Gen GP と Database Watcher です。

Azure SQL MI の新しい汎用目的と既存環境との性能の比較 / 現状環境の可視化を Database Watcher を使用して解説が行われました。

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Azure SQL MI Next-gen GP

Introducing Azure SQL Managed Instance Next-gen GP でアナウンスされましたが、SQL MI の次世代の汎用目的がパブリックプレビューでアナウンスされています。

新しい汎用目的では次のような特徴があります。

  • ストレージを Premium ページ BLOB から Premium マネージドディスクに変更したことでストレージパフォーマンスを向上
    • 今までは URL を指定したリモートストレージ指定となっていましたが、Next Gen GP からは、ローカルパス (C:\ManagedDisks) を指定した指定となります。
    • リモートストレージ構成には変化はないが、ローカルパスとして指定することができるようになったことでパフォーマンスが向上しているのではないでしょうか。
    • 既存環境を Next-gen に変更することが可能ですが、私の環境では変更が完了するまで 3 時間程度かかりました。
  • より大きいサイズのストレージ / 仮想コア / データベース ファイルをサポート
    • ストレージサイズ: 最大 16TB → 32 TB
    • 仮想コア数: 最大 80 仮想コア → 128 仮想コア
    • DB の最大数: 最大 100 DB →  500DB
    • データファイルの最大数: インスタンスあたり 280 → データベースあたり 4,096
  • IO スライダーにより IOPS の上限を独立して変更することができる
    • 従来まではサイズに応じて IOPS が決まっていたが、ベースラインの IOPS に対して追加の IOPS を設定できます
    • 追加の IOPS では追加コストが発生するが、ベースラインの設定で使用する場合には従来の MI とコストは同等です

 

Database Watcher

本ブログでも Database Watcher for Azure SQL が Public Preview で提供開始されました で投稿しましたが、Azure SQL MI の新しいモニタリングツールである Database Watcher についても解説が行われました

Introducing database watcher for Azure SQL がアナウンスの内容となりますが、MI を例として、Database Watcher の活用例が解説されていました。

Database Watcher は ADX の Free Cluster をデータストアとして利用することもできるので、どのようなデータ収集 / 分析が行われるかを試して実運用に導入するかを検討することができます。(Free Cluster の場合、Azure Monitor との連携ができないのでアラート設定ができないですが、情報収集 / 可視化については問題なく機能の確認ができます)

 

正規表現用の関数の追加

Introducing Regular Expression (Regex) Support in Azure SQL DB でもアナウンスが行われましたが、正規表現用の関数として「REGEX」の追加がアナウンスされました。

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「REGEXP_LIKE」「REGEXP_COUNT」「REGEXP_INSTR」「REGEXP_REPLACE」「REGEXP_SUBSTR」という POSIX 標準に準拠した正規表現関数が SQL Database に新しく追加されます。

現時点では Private Preview となるため、プレビュー機能のサインアップ が必要となります。

 

JSON データ型とベクター検索によるハイブリッド検索

投稿を書いている時点ではアナウンスの記事は公開されていませんが、JSON データ型とベクター検索の新機能についてもアナウンスされました。

 

JSON データ型

SQL Server では JSON 関数 を使用して、JSON の文字列を操作することができましたが、データについては「nvarchar(max)」の文字列に格納するというのが従来からの方法となっていました。

詳細は解説されていなかったのですが、新しいデータ型として JSON がサポートされるようになり JSON フォーマットの文字列をネイティブに格納できるようです。

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ベクター検索用のベクトルかされたデータを格納するのにも使用することができたりするのでしょうね。

 

ベクター検索を使用ししたハイブリッド検索

SQL Database のベクター検索の利用例としては Vector Similarity Search with Azure SQL database and OpenAI / Azure SQL Database を使用したインテリジェント アプリケーション で公開されている情報があります。

埋め込みモデルによりベクトル化されたデータを使用して、検索対象の情報間の類似性を検索するものとなっています。

ベクトルかされたデータの取得については、従来通り、Azure Open AI を呼び出す必要がありますが、ベクター検索による類似性の評価については新しく追加される「VECTOR_DISTANCE」を使用することができるようになるようです。(デモではコサイン類似度で実行)

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ベクター検索 / 正規表現 / Geo データといったような様々な手法による検索ができるハイブリッド検索が今後のポイントとなるのかもしれませんね。

 

Copilot in Azure SQL Database

Introducing Copilot in Azure SQL Database (Private Preview) でアナウンスされた Copilot in Azure SQL Database についても解説がありました。

現状、Lmited Public Preview での提供となっていますが、Azure SQL データベースの Copilot (プレビュー) でドキュメントは公開されています。

Azure Portal のクエリエディターで Inline Copilot を使用することで、テキストボックスに入力した自然言語により、対象を取得するクエリを生成することができます。

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別の利用ケースとしては Azure Copilot のチャットウィンドウの利用です。

直近 24 時間で CPU 使用率の高いクエリがあるかという質問をすると、情報の取得方法ではなく、実際のクエリストアの情報から該当するクエリの情報が取得されています。

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クエリストアから詳細な情報を取得するためのクエリについてもアドバイスが行われ、利用者が主体的にクエリの情報を分析するための方法についてもアドバイスが行われます。

自然言語を使用しながらデータベースの問題についての状況を確認することができるようになります。

 

SQLBits のセッションは例年は後日一般公開が行われていますので、2024 も公開されるのであれば、https://sqlbits.com/watch/ から閲覧できると思いますので定期的にウォッチしておくとよいかもしれませんね。

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Written by Masayuki.Ozawa

3月 24th, 2024 at 8:34 pm

Posted in Azure SQL,SQL Server

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