TechNet フォーラムに [Windows 7 Pro]Sysprep後もライセンス認証は保持されることがあるのか? という投稿があったので、少しまとめてみたいと思います。
Windows 7 / Windows 8 (8.1) の MAK を対象としています。
また、大量展開を対処としたボリュームアクティベーションの利用を想定していますので、Pro / Enterprise Edition の VL 版が対象となります。
# 大量展開をする場合、VL 版を使用して OEM ライセンスを使用する形になるかと思いますので、OEM アクティベーションは対象としていません。
詳細については以下のドキュメントが参考になります。
Volume Activation 2.0
ボリュームアクティベーション展開ガイド
Windows 8 ボリューム アクティベーション ガイド
MAK を使用した認証では一台ずつライセンス認証をする必要があります。
ライセンス認証をする際には、応答ファイルで SkipRearm を使用し、ライセンス認証クロックのリセットをスキップすることがあるかと思います。
# ライセンス認証クロックをリセットしない場合、CMID がクリアされないため、Windows Vista または Windows 7 ベースの新しいクライアント コンピューターをネットワークに追加しても、KMS の現在の数が増加しない が発生する可能性があります。
Sysprep 前の状態は以下のようになっています。
# slmgr ?dlv の実行結果になります。
ライセンス認証クロックのリセットをした場合 (応答ファイルで SkipRearm を指定しなかった場合) はライセンス認証の状態もクリアされ、ライセンスの状態が [最初の猶予期間] となります。
この場合は Sysprep 後にライセンス認証が必要となります。
以下のような応答ファイル (Unattend.xml) を作成して、ライセンス認証クロックをリセットしない用に設定して、Sysprep を実行してみます。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?> <unattend xmlns="urn:schemas-microsoft-com:unattend"> <settings pass="generalize"> <component name="Microsoft-Windows-Security-SPP" processorArchitecture="amd64" publicKeyToken="31bf3856ad364e35" language="neutral" versionScope="nonSxS" xmlns:wcm="http://schemas.microsoft.com/WMIConfig/2002/State" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"> <SkipRearm>1</SkipRearm> </component> </settings> <cpi:offlineImage cpi:source="catalog:c:/temp/install_windows 7 enterprise.clg" xmlns:cpi="urn:schemas-microsoft-com:cpi" /> </unattend>
この場合、ライセンスの状態は [ライセンスされています] となり、ライセンス認証が初期化されず、認証された状態となります。
MAK の場合、ハードウェアに大幅な変更が発生した場合、ライセンスの状態は [追加の猶予期間] となり、再ライセンス認証が必要となります。また、同一のハードウェアを使用している場合にもこの状態になるケースがあるかもしれません。
# ハードウェアの変更については具体的な内容は公開されておらず、メモリの追加程度では発生しないと思いますが、同一のハードウェアでも発生する可能性があるということは考慮しておいたほうがよいかと。
MAK を使用している場合、基本的には再ライセンス認証の必要が発生することを前提として運用をするのがよいかなと思います。
再ライセンス認証の必要が発生した場合の運用としては、
- ライセンス認証の実行ユーザー
- ライセンス認証の実行方法
を考慮しておく必要が出てきます。
ライセンス認証はデフォルトの設定では一般のユーザーでは実行することができません。
一般のユーザーでライセンス認証を実行する場合は Windows 7 と Office 2010 のライセンス認証をユーザー権限で実行 のような方法を実施しておく必要があります。
レジストリを設定しておくことで、管理者でなくてもライセンス認証を実行することができますので、端末の利用者に管理者権限を付与していない場合にもライセンス認証を実施させることができます。
# ユーザー主体のライセンス認証を実施することができるようになります。
ライセンス認証ですが
- インターネット
- 電話
- VAMT
の 3 種類が使用できるかと思います。
一般的に利用する方法としては、インターネットまたは電話でしょうか。
インターネットに接続できる環境であれば [slmgr ?ato] 等を実行することでライセンス認証を実施することができます。
一つのイメージを複数の端末に展開し、再ライセンス認証が基本的に必要となる環境ではこのコマンドを自動的に実行させるようにスタートアップスクリプト等で設定しておくと自動的にライセンス認証が実施できるかと思います。
# コマンド実行のタイミングでインターネットに接続できている必要がありますが。
MAK のライセンスキーについてはライセンス認証回数が決まっています。
ライセンス認証回数については VAMT を使用することで確認ができますので、展開時には VAMT を入れておくと便利かと。
# VAMT を利用して MAK の認証を実施することもできますが、今のところこれを使って認証したことは無かったりします。