<Windows Sorage Server 2003 R2 インストール手順
Storage Server 2003 R2 でクラスタ用の共有ディスクを作成する手順になります。
以下の 3 つの手順で記載したいと思います。
- iSCSI ターゲットの作成
- 共有ディスクの作成
- iSCSI Initiator からの接続
[Microsoft iSCSI Software Target] を起動して下の操作を実行しています。
[iSCSI ターゲットの作成]
まずは iSCSI のターゲットを登録します。
- [iSCSI Targets] を右クリックし、[Create iSCSI Target] を選択します。
? - ウィザードが起動したら [次へ] をクリックします。
- [iSCSI target name] を入力し、[次へ] をクリックします。
[Descritptions] は説明ですので任意入力です。
ここで入力した Target Name は iSCSI の共有ディスクのグルーピングのようなものと考えていただければと思います。
後述のディスク作成時には iSCSI Target を指定してディスクを作成することになります。 - [IQN identifier] を入力し、[次へ] をクリックします。
IQN はユニークになる必要がありますが、厳密な形式チェックはしていないようですので、適当な値を入力しても通ります。
IQN の正式な形式は以下の URL をご参照いただければと思います。
特集:最新IPストレージ技術「iSCSI」
? - [完了] をクリックして iSCSI ターゲットを作成します。
- 作成が完了すると iSCSI Targets に設定した ターゲット名が追加されています。
? - 接続に認証を設定したい場合は作成した Targets を右クリックし [プロパティ] を選択します。
- [Authentication] タブでユーザー名 / パスワードを設定できます。
認証設定をしたい場合には [Enable CHAP] を有効にしこちらを設定します。
ユーザー名は [Browse] をクリックして IQN を設定することができます。
?
[共有ディスクの作成]
続いては共有ディスクの作成です。
- [Device] を右クリックし、[Create Virtual Disk] を選択します。
? - ウィザードが起動したら [次へ] をクリックします。
- 共有ディスクを作成する場所を選択し [次へ] をクリックします。
iSCSI Terget の仮想ディスクの拡張子は [VHD] だったりします。
? - ディスクのサイズを入力し [次へ] をクリックします。
- [Description] はオプションですので不要な場合はブランクにし、[次へ] をクリックします。
- [Add] をクリックして iSCSI ターゲットを選択し、[次へ] をクリックします。
- [完了] をクリックして共有ディスクを作成します。
- 作成が完了すると Devices に作成した共有ディスクが表示されます。
これでディスクの作成は終了です。
iSCSI のターゲットソフトによってはディスク作成時にクラスタのディスクとして使うかを選択するものもあるのですが
Storage Server 2003 R2 の共有ディスクではないようです。
ここまでの作業で iSCSI イニシエータで接続することが可能になります。
以下の手順は iSCSI イニシエータから接続をする手順になります。
[iSCSI イニシエータからの接続]
接続側のサーバーで iSCSI イニシエータを起動して作業を行います。
iSCSI イニシエータの初回起動時は以下のメッセージが表示されます。
?
[はい] をクリックして iSCSI イニシエータのサービス起動を [自動] に設定します。
また、Windows ファイアウォールのブロック解除のメッセージも表示されますのでこちらも [はい] をクリックしてブロックを解除します。
?
- [探索] タブを選択し、[ポータルの追加] をクリックします。
- ターゲットポータルの名前を入力し、[OK] をクリックします。
?? - ターゲットの情報がターゲット ポータルに追加されています。
- 次は [ターゲット] タブを選択します。
すでに共有ディスクを作成しているのでターゲットに共有ディスクが表示がされそうですが、この段階では
まだ共有ディスクの情報は表示されません。
iSCSI ターゲット側で設定が必要になりますので一度 iSCSI ターゲットのサーバーに移ります。 - iSCSI ターゲット サーバーで iSCSI ターゲットの管理ツールを起動します。
- [iSCSI Targets] から iSCSI ターゲットを右クリックし、[プロパティ] を選択します。
? - [iSCSI Initiators] タブをクリックします。
ここで iSCSI ターゲットに接続をしたいノードのイニシエータの IQN が登録されていないため、
イニシエータ側でディスクを表示することができていません。
イニシエータの IQN を登録するため、[Add] をクリックします。
- [Browse] をクリックすると接続しにきているイニシエータの情報が表示されますので、対象サーバーの
IQN を選択し、[OK] をクリックします。
事前にこの設定をやっておけばサーバー間の移動の手間がなくなると思いますが、IQN を手入力するのは
大変なので一度接続を試行して [Browse] から選択するようにしています。
(一度接続をすると自動的にエントリが登録されるようです。)
これでターゲットを認識できるようになりますので共有ディスクを接続したいサーバーに移ります。 - [最新の情報に更新] をクリックするとターゲットが表示されるようになります。
この状態ではまだディスクは使えませんので、ターゲットを選択し、[ログオン] ボタンをクリックします。
- [コンピュータの起動時にこの接続を自動的に復元する] を有効にします。
この設定を有効にしないと再起動すると共有ディスクに接続されません。
[複数パスを有効にする] の設定は iSCSI ターゲットへの接続パスを複数持っておりマルチパス I/O 構成にする場合に有効にします。
今回はシングルパスになっているため有効にしていません。
また、iSCSI ターゲット側で認証設定をした場合は [詳細設定] をクリックし、CHAP の情報を入力する必要があります。
今回はテスト用に認証情報を設定していますので CHAP の情報入力の手順を実施します。
(不要な場合は [OK] をクリックしてください。)
? - 接続が完了するとターゲットの状態が [接続完了] になっていることが確認できます。
これで iSCSI ターゲットで設定した共有ディスクへの接続が完了です。
?
サーバーマネージャからディスクの管理を開くと新しいディスクとして共有ディスクが接続できていることが確認できます。
([ディスク 1] が iSCSI で設定したディスクになります。)
?
あとは通常のディスクと同様に [オンライン] → [初期化] → [パーティションの作成] を実行して下さい。
(ディスクにドライブ文字を割り当てていないのは意図的に実施しています。)
クラスタで使用したい場合は [iSCSI イニシエータからの接続] をもう一方のノードでも実行してください。
?
以上で Windows Storage Server 2003 R2 の設定は完了です。
検証環境の再構築も完了し、設定系の検証がようやく出来ます♪