WSFC の構築ですが以下の 2 パターンがあると思います。
- 参加させるノードを初期セットアップ時にすべて選択
- 最初に 1 ノードクラスタで構築し、構築後にノードを参加させる。
Windows Server 2003 のときは 2. のパターンでの構築となっていましたが、
Windows Server 2008 では初期セットアップ時でノード構成をすべて完結させることができます。
今回は 1. のパターンで構築してみたいと思います。
- クラスタ管理用のユーザーでサーバーにログインします。
クラスタ管理用のユーザーはクラスタに参加させるサーバーの [Administrators] グループのメンバかつドメインユーザーの
必要があります - [フェールオーバー クラスタ管理] を起動します。
?
ドメインユーザー以外で [フェールオーバークラスタ管理] を起動すると以下のメッセージが表示されます。
?
このメッセージが表示された場合は管理コンソールに [クラスタの作成] が表示されません。
- [クラスタの作成] をクリックします。
- [次へ] をクリックします。
- クラスタに参加させるノードを [追加] ボタンを使用して追加し、[次へ] をクリックします。
?
このときにログインしているユーザーが各ノードで [Administrators] 権限を持っていない場合には
以下のメッセージが表示されます。 - [はい] を選択し、[次へ] をクリックし、構成の検証テストに移ります。
- [次へ] をクリックします。
- [すべてのテストを実行する] を選択し、[次へ] をクリックします。
- [次へ] をクリックし、検証を実行します。
- [レポートの表示] をクリックして検証レポートを表示します。
- 構成に問題がなければすべて [成功] になっています。
今回の環境ではクラスタ管理用ユーザーにコンピュータアカウントの作成権限は付与していないため、
[Active Directory 構成の検証] のみ警告になっています。
ただし、コンピュータアカウントは WSFC 構築手順 [検証準備編] で作成しているため警告が出ても問題はありません。 - レポートを閉じて [完了] ボタンをクリックし、次の処理に移ります。
- [クラスタ名] と [IPアドレス] を設定し [次へ] をクリックします。
コンピュータアカウントが有効になっている場合は以下のメッセージが表示され次の処理に移ることはできません。
? - [次へ] をクリックし、クラスタを作成します。
- クラスタの作成が実行されます。
コンピュータアカウントに対して適切な権限が付与されていない場合は以下のメッセージが表示され
クラスタの作成が中断されます。
? - 以上でクラスタの作成は終了です。[完了] をクリックして画面を閉じます。
これで 2 ノードクラスタの作成は終了です。
以下の画像が作成直後の [フェールオーバー クラスタ管理] の構成になります。
?
[参加させるノードを初期セットアップ時にすべて選択] で構築した場合はクォーラム構成は
[ノードおよびディスク マジョリティ] となります。
ディスクマジョリティで使用されるディスクは 2003 の時と同様クラスタとして有効なディスクの中で
容量が小さいものが自動的に設定されます。
ネットワークについてはクラスタの作成時に入力した IP アドレスのネットワークカードが [外部]
それ以外は [内部] として設定されます。
構築後の設定については [設定編] で。
WSFC のネットワーク設定だけ先行してメモを記載しておきます。
2000 / 2003 の MSCS と異なり、WSFC では内部ネットワークとして使用するネットワークの優先順位の
設定はできなくなっています。
内部ネットワークの優先順位は適切なネットワークを自動で判断し決めているようです。
- HKLMClusterNetworks[ネットワークインタフェース]Priority
のレジストリ値は [ffffffff] となっており、この値を手動で設定しても優先順位は変更することはできません。
# 2003 まではこのレジストリ値で優先順位を設定していました。
ネットワークの優先順位は Windows Server 2008 R2 で機能に変更があるようです。
Clustering in Windows Server 2008 R2
>Network Prioritization ? Plan your internal cluster network for efficiency, giving the fastest network the highest priority
? for internal traffic (heartbeat, CSV & Live Migration traffic)
次は、Windows Server 2003 と同じ [最初に 1 ノードクラスタで構築し、構築後にノードを参加させる]
パターンでの構築を [構築編] その 2 として記載したいと思います。