Azure Stack HCI の利点として、VM に Windows Server Azure Edition を使用できるという特典があります。
2024/3/10 時点で提供されているイメージ (20348.2227.240206) を 23H2 上に展開した VM でライセンス認証を行うために必要となる作業をまとめておきたいと思います。
ライセンスについては、BYOL での利用は想定しておらず、Windows Server サブスクリプションでの利用を想定しています。
Contents
Azure Edition の VM のライセンス認証
Azure Stack HCI で Windows Server サブスクリプションを有効化
今回、ライセンス認証については、Azure Stack HCI の Windows Server サブスクリプションを使用します。
Windows Server サブスクリプションアドオンの有効化については Windows Server サブスクリプションを有効にする に記載されているいずれかの方法で有効化を行います。
Azure 検証の有効化
Azure Stack HCI での Azure Edition の利用については特典の有効化を行う必要があり、23H2 では Azure 検証により有効化が行われます。
VM の展開直後は Azure 検証は「非アクティブ」となっているため、「ゲスト サービス インターフェイスを有効にする」で Azure 検証を有効にします。
展開した VM のライセンス認証のダイアログの非表示
最後に展開した VM のライセンス認証を実施します。
今回は「20348.2227.240206」のイメージを使用しているのですが、ここまでの作業を実施した環境に対して、このイメージで展開した VM にログインを行うと次のダイアログが表示されます。
Azure Edition が利用できる VM については制限があるため、実行している環境が利用の前提を満たしていない場合にこのメッセージが表示されます。
現時点で展開されているイメージついては Azure Stack HCI 上で展開を行っていてもこのメッセージが表示されてしまうようです。
これは既知の不具合となっており、2024/02/14 にリリースされた KB5034770 で修正が行われています。
この修正プログラムですが、前述の「20348.2227.240206」のイメージで展開した VM で Windows Update を実行しても認識は行われません。
現状、認識が行われるのは次のような更新プログラムとなっており、累積の修正プログラムについては、KB5034129 までしか認識が行われません。
Azure Edition については、ホットパッチの仕組みが導入されています。
SR で確認をしたところ、Azure Edition のホットパッチリリースについては、Azure Automanage for Windows Server 2022 のホットパッチのリリース ノート に記載されているように、Azure Edition では 2 月 / 3 月の更新プログラムはホットパッチでの適用となるため、2 月の累積修正プログラムである KB5034770 は Windows Update では認識が行われないということでした。
次のベースライン更新プログラムとなる、2024.4B で対応はされると思いますが、現時点では Microsoft Update Catalog から 22H2 用の KB5034770 を手動でダウンロードして適用することで、ダイアログの表示が行われないようにすることができます。
プロダクトキーの設定
ここまでの設定を実施しても VM のライセンス認証は実施された状態にはなっていません。
最後の設定として、VM に対して AVMA のプロダクトキーの登録を行います。Azure Edition の AVMA キーについては、Windows Server での仮想マシンの自動ライセンス認証 に記載されています。
次のコマンドを実行して AVMA のキーの登録を行います。
slmgr -ipk F7TB6-YKN8Y-FCC6R-KQ484-VMK3J
このような作業を実施することで、23H2 上に展開した Azure Edition の VM をライセンス認証した状態にすることができました。