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Azure Stack HCI でデスクトップエクスペリエンスが有効な Azure Edition のホットパッチを試してみる

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先月 Hotpatch is now available on preview images of Windows Server VMs on Azure with the Desktop Experience installation mode で Windows Server Azure Edition でデスクトップエクスペリエンスを有効にしている環境に対してのホットパッチがプレビュー機能として提供されたことがアナウンスされました。

先日、Windows Server Azure Edition を ISO からインストールする という投稿で、Azure Stack HCI 上の Windows Server Azure Edition の実行についても触れていたのですが、本日、ホットパッチの対象となる更新プログラムの提供が開始され、Azure Stack HCI の実機を使用して、最新の更新プログラムを使用したホットパッチの動作が確認できるようになりました。

実際に使用することができるようになったので Azure Stack HCI 上に展開した Azure Edition で挙動を確認したいと思います。

ホットパッチについては、次の情報を確認しておくとよさそうでした。

ホットパッチではないですが、Windows Server Azure Edition (WSAE) について、次のドキュメントも確認しておいたほうが良いかと思います。

  • Windows Server 用 Azure Automanage
  • プレビュー: Azure Automanage 用 Windows Server VNext Datacenter (Azure Edition)
    • WSAE には次の特徴があります。
      • 年間リリース周期を使用し、Azure のプロパティでの実行に最適化されている WSAE は、従来の長期サービス チャネル (LTSC) エディションの Windows Server (2016、2019、2022 など) より速く、新しい機能を Windows Server ユーザーに提供します。
      • WSAE の年 1 回のリリースは、完全な OS アップグレードではなく、Windows Update を使用して提供されます。 この年次リリース周期の一環として、毎年春に WSAE Insider プレビュー プログラムが開始されて次のリリースの早期ビルドにアクセスでき、秋に一般提供されます。 一般提供の前にすべての新機能に早期にアクセスするには、プレビューをインストールしてください。
    • 現状、リリースされている WSAE は、21H2 をベースとした Windows Server 2022 Datacenter Azure Edition となっていますが、現在 Insider Preview で提供されている vNext の WSAE は 22H2 をベースとした環境となっています。このバージョンへのアップグレードの話がそろそろ出てきそうな気がしますので、WASE と LTSC の違いとして把握しておくことも重要ではないでしょうか。

 

Azure Stack HCI 上に展開した Azure Edition でホットパッチ適用を試してみる

ここからが本題で、Azure Stack HCI 上に展開した、デスクトップエクスペリエンスが有効な Azure Edition に対して、ホットパッチ適用を試してみたいと思います。

使用するベースイメージ

今回ベースとして使用している環境は 2023/05/10 時点で Azure Arc VM 管理で Azure Stack HCI 向けに提供されている Marketplace の Azure Edition のイメージです。

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ライセンス認証については、次の方法で認証済みの状態としています。

  • Azure Stack HCI ホスト OS で、Windows サブスクリプションを有効化
  • 展開した Azure Edition のゲスト OS に対して Azure 特典 を有効化
  • 展開した Azure Edition のゲスト OS にログインし Azure Edition の AVMA キーを設定し、認証済みの状態とする

 

事前作業

最初に ISO から構築された Azure Edition 仮想マシンのホットパッチを有効にする (プレビュー) に記載されている次の作業を実行します。

  1. コンピューターを準備する
  2. ホットパッチ サービス パッケージをインストールする

「1.」は必要なレジストリの設定となり、「2.」でホットパッチを受信するために必要となる KB5003508 (Hotpatch Enablement Package) のインストールが行われます。

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これで準備は完了です。

 

ホットパッチ適用の検証を実施する

ホットパッチ向けの更新プログラムについては、Azure Automanage for Windows Server 2022 のホットパッチのリリース ノート で記載されている次の 2 種類があります。

  • ベースライン (再起動が必要)
  • ホットパッチ (再起動が不要)

本日提供されたのは、「2923.5B」というホットパッチとなります。

そのため、「2023.4B」を適用した後に再起動をし、「2023.5B」を適用した際に、再起動が不要であることを確認したいと思います。

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2023.4B は、2023 年 4 月 11 日、ホットパッチベースライン で公開されている KB5025230 となります。ベースラインの更新プログラムについては、Microsoft Update Catalog で公開されていますimage

今回使用したイメージでは、すでに適用済みとなっていました。(Azure Stack HCI 向けの Marketplace のイメージ、毎月更新されていそうな雰囲気がありますね)

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この状態であれば、2023.5B (KB5026456) が適用可能となっているはずです。

ホットパッチについては Microsoft Update Catalog では公開されておらず、Windows Update か WSUS 経由で配信する必要があります。

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今回は Windows Update を実行します。

適用対象として、Azure Stack HCI の Azure Edition 向けのホットパッチが認識されていますね。

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適用後の状態が以下になるのですが、ホットパッチとなるため、インストール後の再起動要求は発生していません。

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まとめ

Azure Stack HCI 上に構築した、デスクトップエクスペリエンスが有効な Windows Server Azure Edition でホットパッチ適用が可能なことを確認できました。

よく寄せられる質問 には、ホットパッチの無効化などについても触れられており、これを Azure Stack HCI で実現するためにはどうするか / 既存のデスクトップエクスペリエンスが有効な Azure Edition の Azure 仮想マシンをホットパッチの適用対象とするにはどうすればよいか等、まだ調査が必要な内容はありますが、ホットパッチは魅力的な機能ですので利用できる環境では活用していきたいですね。

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Written by Masayuki.Ozawa

5月 10th, 2023 at 1:03 pm

Posted in Azure Edition

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