ファイルサーバーやメールサーバー等の検証をする際に帯域の制御をした低速度のネットワークが必要になることがあるかと思います。
QoS のポリシーをグループポリシーで作成、Traffic Management Controller を使用して帯域制御をすることができますが、Hyper-V 3.0 のゲスト OS を使用するゲートウェイで帯域を絞ることができます。
今回の投稿では Hyper-V 3.0 のゲスト OS を使用した低帯域ネットワークを作成してみたいと思います。
■Hyper-V 3.0 を使用したゲートウェイの作成
Hyper-V 3.0 のゲスト OS では、帯域幅管理が可能になっています。
# 使用するためには Hyper-V 3.0 用の統合コンポーネントをゲスト OS にインストールしておく必要があります。
すべてのゲスト OS が Hyper-V 3.0 上で稼働していればこの機能でゲスト OS のネットワークアダプター単位に個別に制限をすることもできますが、一台ずつ設定するのは少し大変ですよね。
そこで帯域を制御したい端末間のゲートウェイとして Hyper-V 3.0 上のゲスト OS として起動しているWindows Server でルーティングとリモートアクセス (RRAS) をインストールし、ゲートウェイとして帯域の制限をしたいサーバー間に挟んであげます。
Windows Server 2008 R2 であれば、[ネットワーク ポリシーとアクセスサービス] の役割を追加し、ルーティングの機能を有効にすることでゲートウェイとして動作させることが可能です。
あとは、低帯域にしたいサーバーのネットワークのゲートウェイとして RRAS を設定し、RRAS でスタティックルートを設定すれば帯域制御が可能なネットワークの作成が完了です。
# サービス用 LAN / バックアップ用 LAN というような用途別の LAN を用意して、バックアップ用の LAN だけ帯域制御をしたいという場合は、RRAS のスタティックルートだけでなく、各サーバーで Route Add を使用してバックアップ用の LAN で使用する NIC のゲートウェイを RRAS にするスタティックルートの設定が必要になります。
こちらがサーバー A/B 間でファイルをコピーしている際に RRAS のゲスト OS の帯域幅を変更した際のネットワークの状態になります。
徐々に帯域幅を増やす、下げるということをしていたのでネットワークの使用状況が一定ではないことが確認できますね。
Hyper-V 3.0 のゲスト OS の帯域幅の変更は再起動を伴わずに設定変更することができますので、動的にトラフィックを制御することが可能です。
0.1 Mbps が最小値となるようですので 100Kbps のネットワークは用意ができそうです。
サーバー老朽化に伴うファイルサーバーの移行の検証をする際などは移行元が 100Mbps の NIC を使用していることが良くありますので、その時の検証をするときなどは帯域幅を制御するとコピー時間の参考値を取ることができそうですね。
[…] Hyper-V 3.0 を使用した低帯域ネットワークの作成 RRAS を使って外部ネットワークとプライベートネットワークをつなぐゲートウェイを作成 […]
Vyatta で作る帯域制御可能なネットワークと NAT 経由の外部アクセス « SE の雑記
13 7月 12 at 08:50