先日開催された Ignite 2023 で LTSC 版の Windows Server の次期バージョンとなる、Windows server v.Next (2022 の後継バージョン) についての発表がありました。
最近情報を追い切れていなかったので、どの辺の情報を見ればよいのかをメモとして。
Igntie 2023 で発表された内容
Igntie 2023 で発表された内容としては次の内容となるようです。
- Windows Server vNext at Microsoft Ignite, and What’s New in Active Directory Technical Takeoff
- Active Directory については、個別に What’s new in Active Directory でも情報が公開されているようです。
- What’s New in Windows Server v.Next
- Do more with Windows Server and SQL Server on Azure
実機で試すためには、Windows Server Insiders からインストールメディアを入手することになるようで、こちらの情報もウォッチしておくとよさそうです。
キーワードとしては次の内容となるのでしょうかね。
- Arc Enabled Windows Server v.Next Hotpatching
- 現状は Azure Edition だけ利用することができる Hotpatch が Arc を導入した v.Next でも利用可能となるようです。
- Active Directory
- 32K データベースページと 64bit Long Value IDs (LIDs)
- アップグレードしたドメインコントローラーでは継続して 8K ページとなるようです
- フォレストワイドですべてのドメインコントローラーが 32K ページのデータベースとする必要があるようなので、既存のドメインに対しての適用は要調査となりそうですね。
- NUMA 対応のハードウェアの CPU を効率的に活用
- パフォーマンスモニターのカウンターの追加と AD 診断データコレクターセットのアップデート
- セキュリティ強化
- TLS 1.3
- 暗号化接続時のみ、機密属性を含む情報の操作を許可
- デフォルトで暗号化通信を実施
- Kerberos で SHA-256 / 384 をサポート
- 対称暗号化には AES がデフォルトとなり、RC4 は使用されなくなる
- SAM RPC パスワード変更メソッドのデフォルト動作の変更
- PKINT の SHA-2 サポートの追加
- レプリケーションの優先順位の調整
- レプリケーションリンクに優先順位を指定する RootDSE mod を追加
- Remote Mailslot が非推奨にとなりDC ロケーションに使用されなくなった
- DC の発見アルゴリズムが改善されている
- AD の機能レベルの追加 (v.Next の機能レベル)
- 新機能向けの機能レベルが追加される
- ローカル KDC と IAKeb
- Kerberos KDC が DC だけでなく、Windows にも組み込まれローカルユーザーアカウントの Kerberos 認証で利用される
- IAKerb: Kerberos ネゴシエーションの強化
- NTLM 非推奨の話とつながる内容
- 32K データベースページと 64bit Long Value IDs (LIDs)
- ストレージ
- NVMe ストレージの最適化
- ストレージ機能の強化
- ストレージレプリカ
- ログの機能拡張によりパフォーマンスを改善
- 圧縮を全エディションで使用可能 (現状はWindows Server Datacenter: Azure Edition でのみ利用可能)
- ReFS
- ネイティブ重複排除と圧縮
- ファイルサーバーストレージで 60%, VHD / ISO / バックアップで 90% 節約が期待される
- 記憶域スペース
- シンプロビジョニングとストレッチクラスターのサポート
- ストレージレプリカ
- フェールオーバークラスター
- AD レスクラスター
- 現状もワークグループクラスターを組むことができるが、証明書ベースの VM のライブマイグレーションがサポートされる
- 2 サイト間の S2D のストレッチクラスター
- ストレージレプリカのパフォーマンスの向上
- クラスター対応更新の信頼性とパフォーマンスの向上
- AD レスクラスター
- Hyper-V
- GPU パーティショニングのサポート
- Azure Stack HCI でサポートされている機能を Windows Server でも使用できるようになるイメージでしょうかね。
- DDA を使用した GPU 利用の HA サポート (GPU プールによる GPU のグループ化)
- 動的なプロセッサの互換性により、複数の世代の CPU を混在させたクラスター
- Gen2 VM が GUI のデフォルトとなり、標準セットアップの VM で Gen2 VM の利点を受けることができるようになる
- GPU パーティショニングのサポート
- ネットワーク
- ネットワーク ATC / ネットワーク HUC
- Azure Stack HCI ですでに採用されているもの
- SDN マルチサイト / SDN ゲートウェイのパフォーマンス向上
- AKS アプリケーションによるモダナイズ
- ネットワーク ATC / ネットワーク HUC
- コンテナー
- ベースイメージで移植性のある ABI により、ベースイメージをアップグレードすることなく vNext 上で Windows Server 2022 コンテナーの実行
- Windows Server AC (年間チャネル) for Containers により、俊敏性のあるサイクルを提供
- より小さな差分レイヤーでイメージサイズを縮小
- Nano Server のアプリ互換性のカバレッジの強化
- ネットワークコントローラーパスのパフォーマンス向上
- ファイルサービス (SMB)
- SMB over QUIC の改善
- SMB でデフォルトで署名が必要
- SMB プロトコル言語制御の改善
- モダンな Windows Server エクスペリエンス
- Windows Update を使用した Windows Server 2022 から v.Next へのアップグレード
- Arc インストーラーウィザードによる Arc の有効化
- 最新の状態にした Windows Server 2022 でも組み込まれている機能となるかと思います。
- Wi-Fi のサポートによるサポートされるエッジシナリオの強化
- デスクトップエクスペリエンスとすぐに使用可能なコンポーネントとしての提供 (デフォルトは無効化されている)
- PAYG によるサブスクリプションモデルでのライセンス提供
- Azure Stack HCI / SQL Server 2022 で提供されているようなサブスクリプションモデルを利用可能
- メインストリームサポート期間中は Microsoft 365 Apps をサポート