続いてはエンタープライズ アレイの構築になります。
エンタープライズ アレイの場合、[Enterprise Management Server] (EMS) という役割のサーバーが必要となります。
この EMS ですが、TMG サーバー (TMG の F/W 機能を持つサーバー) と共存することができません。
そのため、エンタープライズ アレイを構築する場合は、別途 EMS 用のサーバーを準備する必要があります。
エンタープライズ アレイの構築としてまずは、EMS のインストールについてまとめていきたいと思います。
[環境の概要]
今回の環境ですが最初の環境は以下の図のようになっています。
TMG-01 / 02 に関してはスタンドアロン アレイと同様で最初はスタンドアロン サーバーとして構築しています。
EMS をインストールする TMG-EMS-01 / 02 に関しては、ドメインに参加させた状態となっています。
今回の投稿では、EMS をインストールする手順からまとめていきたいと思います。
[1 台目の EMS のインストール]
それでは、EMS をインストールしていきたいと思います。
- TMG 2010 Enterprise Edition のインストールメディアを挿入し、[autorun.hta] を実行します。
- [準備ツールの実行] をクリックします。
- UAC が働いた場合は、[はい] をクリックします。
- [次へ] をクリックします。
- [ライセンス条項に同意します] を有効にして、[次へ] をクリックします。
- [Enterprise Management Server (EMS) (アレイの一元管理に使用)]? を選択し、[次へ] をクリックします。
? - [次へ] をクリックすると、EMS をインストールするのに必要な役割、機能がインストールされます。
- [Forefront TMG インストール ウィザードの起動] を有効 (デフォルト) にし、[完了] をクリックします。
- UAC が働いた場合は、[はい] をクリックします。
- [次へ] をクリックします。
- [使用許諾契約書に同意します] を選択し、[次へ] をクリックします。
- [次へ] をクリックします。
? - [次へ] をクリックします。
- 今回は最初の EMS のインストールになりますので、[この EMS に新しいエンタープライズ構成を作成] を選択し、
[次へ] をクリックします。
- [次へ] をクリックします。
- エンタープライズ名を入力して、[次へ] をクリックします。
エンタープライズは TMG の管理単位の最上位の階層となります。 - 今回はドメイン環境ですので、[単一のドメインに展開] を選択して、[次へ] をクリックします。
? - [インストール] をクリックします。
- [完了] をクリックします。
これで 1 台目の EMS のインストールは完了です。
インストールが完了すると以下のような構成となります。
EMS は TMG の CSS の機能のみを持つサーバーとなり、F/W の機能は持ちません。
このサーバーは以下のサービスが動いているシンプルなサーバーとなります。
- Microsoft Forefront TMG 記憶域
- ISAGCCTRL
構成を補完するためのサービスのみを提供している形になりますね。
[2 台目の EMS のインストール]
続いて、EMS を冗長化するために 2 台目の EMS をインストールしたいと思います。
- 以下の画面までは 1 台目のインストールと手順は同じです。
こちらの画面が表示されたら、[この EMS に既存のエンタープライズ構成をコピー] を選択し、[次へ] をクリックします。
- 1 台目の構成保管サーバーのサーバー名を入力し、[次へ] をクリックします。
- [ネットワーク上でレプリケートする] を選択して、[次へ] をクリックします。
# 私の環境ですとなぜか表示がおかしいのです…。 - 今回はドメイン環境なので、[単一のドメイン内に展開] を選択して、[次へ] をクリックします。
- [インストール] をクリックします。
- [完了] をクリックします。
今回は、[Domain Users] グループのユーザーで、各 TMG / EMS サーバーのローカル [Administrators] グループに
参加しているユーザーでログオンしています。
以上で、EMS のインストールは完了です。
この手順までで以下の環境が構築できました。
このままでは、TMG サービスのサーバーはスタンドアロン サーバーとなっており、各 TMG サーバーが EMS に接続していない
状態となっています。
次の投稿で、スタンドアロン サーバーを EMS に接続する手順をまとめていきたいと思います。