Azure Local VM 管理 では、Azure Marketplace で提供されているイメージの他に、ユーザーが用意した VM のイメージを展開することができます。
投稿時点では、Azure Marketplace で提供されているイメージは Windows のみとなっているため、Linux を Azure Local VM 管理で管理された VM として展開する場合にはユーザーがイメージを準備する必要があります。
Ubuntu の場合は、Azure Arc で有効になっている Azure ローカル VM 用の Ubuntu イメージを準備する の手順でイメージを準備し、Azure Local VM として展開を行います。
この方法で展開された VM に対して VM Insights を有効にしようとしたところ、エラーが発生したのでその際の調査内容をまとめておきます。
結論を書いておくと、今回使用していた Ubuntu 24.04 LTS が VM Insights の依存関係エージェント (Dependency Agent) をサポートしておらず、このエージェントの導入でエラーとなっていました。
発生したエラー
Azure Arc 対応サーバー / Azure Local VM については、Azure Portal で該当の VM のブレードを開き、分析情報から、VM Insights を有効にすることができます。
Azure Portal から有効化を行ったところ、DependencyAgentLinux の拡張機能のインストールでエラーとなりました。
エラーメッセージとしては次の内容になります。
Extension failed to install. Extension returned non-zero exit code for Install: 51. Extension error output: std error: Running as unit: run-r09a52e57aa77454b982dc3e9d0e334ac.scope; invocation ID: 168125ef08ed4515925862934b5d3524
Unsupported distribution: Ubuntu 24.04.2 LTS
The Dependency Agent was not installed.
See https://aka.ms/ServiceMapTroubleshooting (exit code = 0x00000033) for assistance.
.
Extension Error: Python 3.12.3
Dependency Agent 9.10.18.4770 Setup for Linux
==========================================================================
Checking installation environment…
Running as unit: run-r09a52e57aa77454b982dc3e9d0e334ac.scope; invocation ID: 168125ef08ed4515925862934b5d3524
Unsupported distribution: Ubuntu 24.04.2 LTS
The Dependency Agent was not installed.
See https://aka.ms/ServiceMapTroubleshooting (exit code = 0x00000033) for assistance.
(コード: HCRP400)
Ubuntu 24.04.2 LTS が非サポートとしてエラーになっています。
このエラーについては、Make OmsAgentForLinux and DependencyAgentLinux extensions available for Ubuntu 22.04 LTS でも報告されており、22.04 の段階から報告がありました。
DependencyAgentLinux がサポートする Linux のディストリビューションですが、次のドキュメントで記載されています。
Ubuntu については、20.04 までのサポートとなっています。
Azure Monitor エージェントについては、 24.04 までサポートしていますので、Ubuntu で VM Insights を使用する場合には、DependencyAgentLinux のインストールはスキップする必要があります。
DependencyAgentLinux のインストールのスキップ
DependencyAgentLinux のインストールのスキップ方法ですが VM Insights を有効にする に記載されています。
Azure Portal から VM Insights を有効にする場合は、データ収集ルール (DCR) を新規に作成し、依存関係マップは無効にした状態で DCR を作成します。(自動作成される DCR では依存関係マップが有効になっています)
これにより、依存関係マップが無効の状態となりますので、DependencyAgentLinux 拡張機能のインストールは行われず、エラーは発生しません。
VM Insights の依存関係マップは使用できませんがパフォーマンスについては使用することができます。