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SQL Server 2019 CTP 2.1 がリリースされました

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SQL Server 2019 CTP 2.1 がリリースされました。
PASS Summit 2018 の開催に合わせて、新しい Preview をリリースした形でしょうか。
モジュールの入手は こちら から。
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追加された機能については、What’s new in SQL Server 2019SQL Server 2019 preview release notes に記載されています。
CTP 2.1 の追加内容は次のようなものがあるようです。

CTP 2.1

Community technology preview (CTP) 2.1 is the latest public release of SQL Server 2019 preview. The following features are added or enhanced for SQL Server 2019 preview CTP 2.1.

  • Big Data Clusters
    • Deploy Python and R apps
  • Database Engine
    • Intelligent query processing adds scalar UDF inlining
    • Truncation error message improved to include table and column names, and truncated value
    • UTF-8 collations support in SQL Server setup
    • Use derived table or view aliases in graph match queries
    • Improved diagnostic data for stats blocking
    • Hybrid Buffer Pool
  • Tools
    • Azure Data Studio

 

Big Data Clusters の機能向上

R / Python のスクリプトを Big Data Cluster に展開することができるようになったようです。
これに伴い、「mssqlctl-pre」というコマンドが追加されているようです。
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How to deploy an app on SQL Server 2019 big data cluster (preview)
 

Database Engine の機能向上

Scalar UDF Inlining
公式ブログの内容はこちら
Introducing Scalar UDF Inlining
Intelligent Query Processing に新しく、Scalar UDF inlining が追加されました。
CREATE FUNCTION に次のオプションが追加されています。

INLINE = { ON | OFF }
Specifies whether this scalar UDF should be inlined or not. This clause applies only to scalar user-defined functions. The INLINE clause is not mandatory. If INLINE clause is not specified, it is automatically set to ON/OFF based on whether the UDF is inlineable. If INLINE=ON is specified but the UDF is found to be non-inlineable, an error will be thrown. For more information, see Scalar UDF Inlining.

ユーザー定義関数を使用した場合の処理性能の問題が、これで緩和されるケースが出てきそうですね。
 
文字列切り捨て時のメッセージ改善
これ、CTP 2.0 にも含まれていたのですが、2.1 に記載されていました。
TF460 を指定すると、文字列超過時のメッセージが改善され、どのようなデータが切り捨てられたのかを判断しやすくなっています。

String or binary data would be truncated in table ‘%.*ls’, column ‘%.*ls’. Truncated value: ‘%.*ls’.

 
セットアップ時の UTF-8 対応の照合順序のサポート
CTP 2.0 ではインストール時には UTF-8 対応の照合順序を設定することができず、インストール後に DB や、列レベルで設定していたのですが、セットアップ時に選択できるようになりました。
UTF-8 に対応した照合順序を選択した場合は、「Char/Varchar ストレージオプション」を選択することができます。
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Static Data Masking
公式ブログの内容はこちら
Static Data Masking for Azure SQL Database and SQL Server
サマリーには載っていなかったのですが、本文にさらっと書いてありました。
データコピー時に対象の列に対してマスクをすることで、実データをマスキングするための機能となるようです。
動的データマスキングの場合は、実データはそのままの状態になっており、マスクの権限によって、マスクした状態で返すか、そののままのデータで返すかが決まりますが、静的データマスキングについては、実データ自体をマスクした状態にするみたいですね。
この機能は、SQL Server の機能としてではなく、SSMS の拡張機能となるようで、SQL Server 2012 以降で利用することができるようです。
(11/10 時点では、具体的な利用方法のドキュメントが出ていないので、どこから機能を利用するかが公開されていません)

How to download Static Data Masking

Static Data Masking ships with SQL Server Management Studio 18.0. The latest preview SQL Server Management Studio 18.0 is available today for download.

Compatibility

Static Data Masking is compatible with SQL Server (SQL Server 2012 and newer), Azure SQL Database (DTU and vCore-based hosting options, excluding Hyperscale), and SQL Server on Azure Virtual Machines.


統計情報のブロックの診断データの改善
統計情報の更新操作が待機している、長時実行されているクエリの診断データの改善が行われているようです。
sys.dm_exec_requests の Command に「SELECT (STATMAN)」というコマンドが追加され、
sys.dm_os_wait_stats に「WAIT_ON_SYNC_STATISTCS_REFRESH」という待ち事象が増えました。
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同期的な統計情報の更新により、待ちが発生しているクエリの状況をつかみやすくなっているようですね。
 
グラフの MATCH 句で派生テーブルまたはビューのエイリアスを使用
公式ブログの内容はこちら
Public preview of derived tables and views on graph tables in MATCH queries
MERGE (Transact-SQL) が、2019よりサポートされるようになりましたが、派生テーブルやビューも使えるようになったようです。
 
Hybrid Buffer Pool
Hybrid Buffer Pool は PMEM (永続化メモリ) を使用した、新しい Buffer Pool の構成のようです。
TF809 を有効にすることで、PMEM に格納されたデータベースファイルのページに直接アクセスを行うことができるようです。
PMEM にデータがある場合、DRAM 相当の速度が出るため、その部分のデータはメモリキャッシュせずに PMEM から読み込むことで、メモリの効率的な利用ができるようですね。
(ダーティーページは DRAM に保存された後に PMEM にフラッシュされるようですので、更新されていないデータについての動作みたいですね)
この機能を Windows / Linux 両方で使えるようです。
CTP 2.0 の時には PMEM の利用用途の拡張は Linux のみとなっており、Windows は SQL Server 2016 相当だったようなのですが、この辺が緩和されてきている形でしょうか。
PMEM が個人ユースで買えるようになるまでこの辺の検証は難しく…。
 
Azure Data Studio
Azure Data Studio の 11 月の更新の内容ですかね。
The November release of Azure Data Studio is now available
SQL Server 2019 extension (preview) がアップデートされているようです。

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Written by Masayuki.Ozawa

11月 8th, 2018 at 12:38 am

Posted in SQL Server

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