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SQL Server 2016 CTP 2.0 の AlwaysOn 可用性グループを使ってみる その 1

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SQL Server 2016 では AlwaysOn 可用性グループにいくつかの拡張が入っていますので少し触ってみたいと思います。

詳細について High Availability Enhancements に書かれているものになるかと。
他の機能のように個別ページが見つからなかったのですよね…。

今回の投稿では「基本的な可用性グループ」についてまとめてみたいと思います。

■基本的な可用性グループ


以前、SQL Server 2016 では Standard Edition で AlwaysOn 可用性グループが構築できるように!! で書いたのですが、SQL Server 2016 から Standard Edition でも AlwaysOn 可用性グループが制限はありますが使用できるようになりました。

今まで Standard Edition でミラーリングを使用することができましたが、これにより、ミラーリングから AlwaysOn 可用性グループに使用する機能が移っていくことになるかと思います。
# ミラーリングは廃止予定の機能としてマークされています。

SQL Server では、評価版 (Evaluation Edition) では Enterprise 相当となっていますが、この評価版でも Standard Edition 相当の可用性グループを作成することができます。

これが、「基本的な可用性グループ」になります。

以下の画像が、SQL Server 2016 CTP 2.0 の可用性グループの作成画面になるのですが「基本的な可用性グループ」の項目が表示されていることが確認できます。
これを有効にした状態で可用性グループを作成すると、Standard Edition 相当のものを作成することができます。
image

これにより、CREATE AVAILABILITY GROUP に「Basic」という設定が追加されています。
# BOL にはまだ追加されていないようですが。

CREATE AVAILABILITY GROUP [TEST]
WITH (AUTOMATED_BACKUP_PREFERENCE = PRIMARY,
BASIC,
DB_FAILOVER = OFF,
DTC_SUPPORT = NONE)

 

基本的な可用性グループには、以下の特徴があります。

  • 可用性グループに含められるノードは 2 ノードまで
  • 同期モード / 非同期モード / 自動フェールオーバーを利用可能
  • 一つの可用性グループに追加できるデータベースは一つ

    image

  • 「読み取り可能なセカンダリ」を有効にすることはできないため、バックアップ 取得用 DB として利用できない

    (バックアップはプライマリでのみ取得可能)

image

  • セカンダリのデータベースに直接アクセスすることはできないが、データベーススナップショット を作成して、スナップショットからデータベースを読み取ることは可能image

RTM ではリスナーが作成できるようになりました

  • 可用性グループリスナーを作成することはできない

    image

 

Standard Edition のミラーリングの場合は同期モードだけだったはずですが、AlwaysOn では両方のモードを使用することができるようです。
最初の方に紹介したものについては、Ignite で発表されたものですが、一番意外だったのは「リスナーを作成することができない」点でしょうか。

AlwaysOn 可用性グループの特徴の一つとして、リスナーの DNS 名と IP を使用した単一接続点による透過的なフェールオーバーがあります。

しかし、CTP 2.0 の基本的な可用性グループでは、リスナーが作成できませんので、単一接続点による透過的なフェールオーバーは使用することができません。

フェールオーバーの発生を考慮した接続文字としては、ミラーリングの接続文字列 の「Failover Partner」を使用することで、自動的にプライマリに接続をすることができるようです。

# 今までの AlwaysOn でもこの接続方法は使えました。

SSMS でテストをする場合には以下のような指定ですね。

image

リスナーについては今まで情報をキャッチできていないので意外でした。

 

現状は CTP のため、RTM したタイミングで、制限は変わっているかもしれませんが、Standard Edition で AlwaysOn 可用性グループを使おうとしている方は、早い段階で触っていた方がよさそうですね。

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Written by Masayuki.Ozawa

6月 13th, 2015 at 9:01 pm

Posted in SQL Server

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