SQL Server 2012 CTP3 は 32 ビット (x86) の OS にも対応しています。
# サーバー OS では、Windows Server 2008 SP2 が唯一 32 ビットに対応しています。
SQL Server "Denali" のインストールに必要なハードウェアおよびソフトウェア
Microsoft SQL Server Code-Named “Denali”, Community Technology Preview 3 (CTP 3) Evaluation:
サポートされているオペレーティング システム: Windows Server 2008 R2 SP1、Windows 7 SP1、Windows Server 2008 SP2、および Windows Vista SP2。
プロセッサ:
64 ビット インストールの最小要件: AMD Opteron、AMD Athlon 64、Intel EM64T 対応の Intel Xeon、EM64T 対応の Intel Pentium IV。プロセッサの速度: 1.4 GHz
32 ビット インストールの最小要件: Pentium III 以上または同等の互換プロセッサ。プロセッサの速度: 1.0 GHz
メモリ: 最小: 1 GB
ただし、32 ビットの OS を使用した際の AWE によるメモリ拡張ができなくなっています。
# メモリ内のページロックの AWE は使えます。
以前、SQL Server で WOW64 その 2 で少し触れていたのですが単体のエントリとしては書いていませんでしたので、今回はこの内容についてまとめてみたいと思います。
■32 ビット環境の AWE 非サポートについて
SQL Server 2008 R2 の段階で、32 ビット OS の AWE は非推奨機能となっていました。
SQL Server 2008 R2 データベース エンジンの非推奨機能
SQL Server 2008 R2 で AWE を有効にすると、Profiler で Deprecation Announcement としてキャッチされます。
SQL Server 2008 R2 では、AWE を SSMS で有効にすることができました。
# SQL Server 2012 CTP3 の SSMS で SQL Server 2008 R2 に接続して表示しています。
それでは、SQL Server 2012 CTP3 の画面を開いてどうなっているか確認してみます。
SQL Server 2012 CTP3 では、AWE の設定のチェックボックスが表示されないようになっています。
# 微妙なスペースに SQL Server 2008 R2 までで設定できることの名残を感じますね。
sp_configure を実行して、項目が存在しているかを確認してみたところ、awe enabled という設定自体 SQL Server 2012 CTP3 では削除されているようですね。
SQL Server 2012 CTP3 では、AWE が使用できないため 2GB or 3GB が SQL Server で使用できるメモリの上限となります。
/3GB スイッチを使用しない場合、Total Server Memory としては以下の状態で打ち止めとなりました。
/3GB スイッチ (bcdedit /set {current} increaseuserva 3072 ) を設定した場合は、以下のようになります。
# Windows の限界に挑む: 物理メモリ が参考になります。
SQL Server 2012 CTP3 では AWE が使用できませんので、データのキャッシュとしてはこれが上限になると思います。
# 実際の環境ではプロシージャキャッシュでもメモリが確保されますので、ここまでデータのキャッシュはできないと思いますが。
32 ビットの SQL Server 2012 を使う場合は、このメモリの制限を十分に意識しておく必要がありそうですね。