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MSDN / TechNet サブスクリプションのメディアでは App-V で Office 2010 を実行できない

3 comments

先週ぐらいから Office 2010 で App-V をシーケンスして配信するための勉強を少ししていました。
MSDN / TechNet サブスクリプションでは Office 2010 のメディアが提供されているのでそちらを使っていろいろと検証していました。

検証していく中でいくつかわかったことがありますのでまとめていきたいと思います。

Office 2010 のシーケンス ~ 実行までの手順は [MCTの憂鬱] で紹介されていますので、こちらがとても参考になります。
App-V検証~その4 Office 2010 をシーケンス処理する

私が Twitter でつぶやいた内容に関してはこちらにまとめてみました。
App-V で Office 2010 Beta を使用する方法

  1. シーケンサにMicrosoft Office 2010 Deployment Kit for App-V (Beta)をインストール。
  2. MAKのキーを使いたいので、Office 2010 のセットアップを [Setup.exe /admin] で OCT を起動して、
    MAK のプロダクトキーを設定して、カスタムインストールを可能にしておく。
  3. App-V のシーケンサを起動して監視を開始し、Office 2010 のインストールを開始。
    Microsoft Office 2010 Deployment Kit for App-V をインストールしないでシーケンスすると途中でこけます。
  4. App-V サーバーに作成したパッケージをインポートして、配信可能な状態にする。
  5. 配信されるクライアントにMicrosoft Office 2010 Deployment Kit for App-V (Beta) をインストールしておき、
    配信されたOffice 2010 をインストール。配信後にApp-V のキットをインストールしても OK です。
  6. Microsoft Office 2010 Deployment Kit for App-V (Beta)をインストールした状態で、
    配信されたOffice 2010を起動すると初回は、プロダクトキーの入力が面が表示されるのでMAKのプロダクトキーを入力。
  7. Microsoft Office 2010 Deployment Kit for App-V は配信されたOffice 2010のライセンス認証に使用されるため
    インストールが必要です。
    インストールしていないと配信されたOffice2010の実行時にエラーになるはずです。
  8. ただし、Beta版を使っている場合は、Deployment Kit for App-Vを配信された側にインストールしていなくても
    実行できてしまいます。
    その場合、プロダクトキー入力のポップアップが表示されません。
    RTMだとインストールしていないとエラーになるのでBeta特有。
  9. 配信側にインストールした、Deployment Kit for App-V はライセンス認証系だけでなく、
    仮想環境のOfficeと実環境の連携機能を提供しています。
  10. 連携機能に関しては、先日のカンファレンスの[Office 2010 導入・展開手法]に書かれています。資料の入手はこちらから。
    http://tinyurl.com/374wvnk
  11. いろいろつぶやいたのですが、KBありますというオチ。 ブログに関連情報のリスト化してありますです。
    http://tinyurl.com/336qunt
  12. Office 2010のIME 2010はシーケンスできないため、配信できません。IME 2010を使いたい場合はApp-Vでなく、
    SCCM等で展開する必要がありそうです。IME 2010は6/17単体提供予定。
    http://tinyurl.com/2banlja
  13. Deployment Kitを使って配信できるOffice 2010はVL版になります。
    [Office 2010 volume license client products]
    http://tinyurl.com/2ejhn94
  14. Office 2010 BetaはVA 2.0のMAKが提供されているので、Deployment Kitで配信可能みたいです。
    MSDN/TechNetはRTL版(パッケージ版)なので、MAKが必要となる、Deployment Kitで配信しても認証から先に進めません。
  15. Office 2010 BetaでOffVirt.msiのPIDKEYSでMAKを設定せずにOCTでMAKを設定しているのは
    一度試してうまく設定ができなかったためです。
    あまり検証できていないので使えるかも。
    RTMだとOffVirtでRTLのキーを指定するとエラーになります。
  16. Office 2010はVA2.0を使用しているので、KMSホストライセンスが使用できます。
    Office 2010のKMSホストの構築にはMicrosoft Office 2010 KMS Host License Packを使用します。
  17. 現時点で、MSDN/TechNetサブスクリプションで提供されているMicrosoft Office 2010 KMS Host License Packの
    プロダクトキーはBeta用のものですので、ダウンロードセンターで入手できるLicense Packには使用できません。

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■MSDN / TechNet サブスクリプションで提供されているメディア

MSDN / TechNet サブスクリプションで提供されているのが以下のメディアです。
[パッケージ版 (RTL 版) のメディア] が提供されています。
# Plus 以外のメディアも [製品版] となっています。

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■App-V で使用可能の Office 2010 のメディアについて

Office 2010 を App-V で配信する場合、[Microsoft Office 2010 Deployment Kit for App-V] を使用します。
Deployment Kit for App-V の [System Requirements] には以下のように記載されています。

This download works with the following Office products: Office 2010 volume license client products

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App-V で Office 2010 を展開するためにはボリュームライセンス版のメディアが必要となります。
MSDN / TechNet のメディアはパッケージ版のメディアでの提供となっています。

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■RTL 版のメディアを使って Office 2010 を App-V で配信して実行

RTL 版のメディアを使っても手順があっていれば、シーケンスと配信を実行することが可能です。
ただし、配信後のプロダクトキーの入力 → 認証の処理を実行することができません。

RTL のプロダクトキーを入力すると、[入力したキーは有効です。] と表示され、[続行] をクリックできるのですが、
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[プロダクト キーをインストールできませんでした。別のプロダクト キーを試してください] となってしまい Office を使用できません。
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これは、Office 2010 を App-V で配信するために必要なのは VL 版だということに起因していると思います。
VL 版のメディアの場合、MAK または KMS を使用して認証を行います。
# VA 2.0 のライセンス認証の方法になります。

RTL 版のプロダクトキーは MAK のプロダクトキーではないため、プロダクトキーとしては正しいのですが、
App-V で必要となる MAK のキーではないため、最終的なプロダクトキーの確定ができないものと思われます。

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■現状 App-V のテストをするためには

MSDN / TechNet のメディアでは VL 版の Office 2010 のメディア、ライセンスキーは提供されていません。
そのため、企業で上記のメディア、ライセンスキーを持っていない場合、RTM版の Office 2010 のApp-V のテストができません。

私も検証は個人的に実施しているので VL 版のメディアは残念ながら持っていません。
そこで、[Office 2010 Beta] のメディアを使って検証をしています。

Office 2010 Beta のプロダクトキーですが実は MAK のプロダクトキーが使用されています。
そのため、App-V で配信をしても正常に実行することが可能です。

私は Beta の提供が開始された時のインストーラーを持っているので昔にダウンロードしたものを使っています。
現在は、MAK のベータ版が見つからなかったので今から入手するのは難しいかもしれません…。

Deployment Kit は Beta 用のものが用意されているのでこちらを使用します。
Microsoft Office 2010 Deployment Kit for App-V (Beta) – 日本語

KMS のテストをする場合は、[Microsoft Office 2010 KMS Host License Pack (Beta)] を使用します。

MSDN / TechNet で提供されている KMS Host License Pack のプロダクトキーですが実はこれ Beta 版のもののようです。
RTM 版の KMS Host License Pack では使えませんので注意が必要です。
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また、KMS ホストですが、今まで気づかなかったのですが VL 版の Windows にしかインストールができないんですね。
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クライアント OS で KMS ホストを作る時には注意が必要そうです。

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現状 Office 2010 の App-V を個人で検証するためには [Beta] 版を利用するほかに手段がなさそうです。
評価用の VL 版のメディアとライセンスキーが提供されるようになるとうれしいのですが。

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Written by Masayuki.Ozawa

6月 5th, 2010 at 9:01 am

Posted in MDOP

3 Responses to 'MSDN / TechNet サブスクリプションのメディアでは App-V で Office 2010 を実行できない'

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  1. 前から気になってたんですが、そもそもOffice2010Pro PlusってVL版しかないはずなのにRTLってのがおかしいですよね。VL版が提供、ほんとにやってほしいですね。

    正樹

    5 6月 10 at 10:08

  2. なるほど。いわれてみればそうですね。ボリュームライセンスのみ提供になっていますよね。そう考えると、メディア自体は RTL / VL で同一の可能性もありますね。ProPlus と Standard に関しては「製品版」ではなく「マルチ ライセンス認証」のキーが提供されていてもよさそうですね。

    真之

    5 6月 10 at 13:56

  3. へー.. 参考になりました。2010は、Professional Plus/ Standard とも、 パッケージ、VL 両方存在するらしいです。

    knoji

    5 6月 10 at 19:52

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