少しずつ検証をしている Hyper-V Server 2008 R2 の USB 起動ですが、VHD を使わずに直接展開することが
できましたので手順を投稿してみました。
この方法は、USB ブートの方法を調査していたときに参考にさせていただいたブログに記載されていた方法になります。
参考にさせていただいたリンクは以前に投稿した内容に載っておりますのでそちら参照いただければと思います。
Hyper-V Server 2008 R2 の Flash Media Boot について
[用意するもの]
- WAIK の imagex.exe
- Hyper-V Server 2008 R2 のインストールメディア
- USB メモリ (ブート可能な状態にしたもの)
- Hyper-V が動作する端末
DISM を使用して WIM ファイルの展開ができればよかったのですが、Hyper-V Server 2008 R2 の DISM では
Mount-Wim が実行できませんでした。
そのため、Wim ファイルの展開には WAIK の imagex.exe を使用します。
HYper-V Server 2008 R2 のインストールメディアに含めるか USB メモリに入れておくと便利だと思います。
ブート可能な USB の作成に関しては以前の手順と変わりません。
DISKPART でパーティションを Active にして、Bootsect で USB メモリにブートセクタを書き込みます。
今回は作成の手順は省略しています。
今回は直接 USB に Hyper-V Server 2008 R2 を展開しますので、ローカルディスクは不要になります。
検証中は HD を外した状態で作業をしていました。
[WIM の展開]
- Hyper-V Server 2008 R2 のメディアでブートします。
- [Shift + F10] を押してコマンドプロンプトを開きます。
- imagex で install.wim を USB に展開します。
コマンドは以下になります。
imagex /apply <インストールメディア>SOURCESINSTALL.wim 1 <USBメディア> |
これで WIM を直接展開することが可能です。
ただし、USB への直接展開ですが私の環境では 4 時間以上かかっていました。
- BCDBOOT で USB に BCD を作成します。
この辺は、VHD の場合と変わらないですね。今回は VHD ではなく USB に展開していますので、
VHD 用の設定は不要になります。
以下のコマンドでロケール設定を日本語にして BCD を作成できます。
今まで勘違いしていたのですが、BCD で指定する Windows ディレクトリはシステムルートの指定なので、
USB や VHD の Windows ディレクトリを指定すればよかったんですね。
bcdboot <USB メモリのドライブ>:windows /s <USB メモリのドライブ> /v /l ja-jp |
WAIK 実行できる環境があれば、Hyper-V Server 2008 R2 のメディアでブートしなくても、
USB に WIM を展開することができますね。
Windows 7 / Windows Server 2008 R2 の環境があれば、VHD をマウントして WIM を展開することも
できると思います。
INSTALL.WIM を展開した場合は英語環境で展開されています。
これは INSTALL.WIM の既定の言語設定が英語になっているためのようです。
INSTALL.WIM は複数の言語パックを含んでいるのですが既定の設定は英語になっています。
この辺は展開サービスのスキルが必要になってくるようで詳しくはないのですが、調べてみたところ、
WIM ファイルに含まれている言語パックの情報は以下のコマンドで取得ができるようです。
imagex /info <インストールメディア>SOURCESINSTALL.WIM
~ 省略 ~
<LANGUAGES> <LANGUAGE>de-DE</LANGUAGE> <LANGUAGE>en-US</LANGUAGE> <LANGUAGE>es-ES</LANGUAGE> <LANGUAGE>fr-FR</LANGUAGE> <LANGUAGE>it-IT</LANGUAGE> <LANGUAGE>ja-JP</LANGUAGE> <LANGUAGE>ko-KR</LANGUAGE> <LANGUAGE>pt-BR</LANGUAGE> <LANGUAGE>ru-RU</LANGUAGE> <LANGUAGE>zh-CN</LANGUAGE> <LANGUAGE>zh-HK</LANGUAGE> <DEFAULT>en-US</DEFAULT> </LANGUAGES> ~ 省略 ~
|
<DEFAULT></DEFAULT> が en-US となっているため、imagex で展開をすると英語版となります。
INSTALL.WIM を書き込み可能な場所に保存して、以下のコマンドを実行することで、
既定の言語を日本語に変更することができます。
imagex /mountrw <インストールメディア>SOURCESINSTALL_JP.WIM 1 c:tempmount Intlcfg -ALL:ja-jp -IMAGE:c:tempmount imagex /unmount /commit c:tempmount
imagex /info e:SOURCESINSTALL.WIM
~ 省略 ~ <LANGUAGES> <LANGUAGE>de-DE</LANGUAGE> <LANGUAGE>en-US</LANGUAGE> <LANGUAGE>es-ES</LANGUAGE> <LANGUAGE>fr-FR</LANGUAGE> <LANGUAGE>it-IT</LANGUAGE> <LANGUAGE>ja-JP</LANGUAGE> <LANGUAGE>ko-KR</LANGUAGE> <LANGUAGE>pt-BR</LANGUAGE> <LANGUAGE>ru-RU</LANGUAGE> <LANGUAGE>zh-CN</LANGUAGE> <LANGUAGE>zh-HK</LANGUAGE> <DEFAULT>ja-JP</DEFAULT> </LANGUAGES> ~ 省略 ~
|
私は最近、インストールメディアは USB を使っているので、そのままコマンドを実行することができました。
DVD を使用されている方は一度ローカルディスク等に保存する必要があります。
イメージの展開で応答ファイルのようなものを使えば言語は指定できるとは思うのですが、imagex の
コマンドではそのようなオプションが見当たらなかったので、WIM ファイルの既定の言語を変更する
方法をとっています。
展開サービスの使い方を理解すればこの辺のスキルも取得できそうですね。
Intlcfg コマンドを使用することで複数の言語パックをインストールしている WIM ファイルの既定の言語を
変更することができます。
このコマンドを使用して既定の言語を変更しています。
[参考]
Intlcfg.exe でインターナショナル設定を構成する
既定の言語を日本語にした WIM を展開すると日本語環境で展開されます。
WIM を USB に直接展開、または、USB 内に作成した VHD に WIM を展開することで、ローカルディスクを使わずに
USB に Hyper-V Server 2008 R2 をインストールすることができますが、展開にかなりの時間がかかりますので、
一度ローカルディスクに VHD を作成してWIM を展開または、メディアブートしてインストールする方法が
一番時間かからずに環境を作れると思います。
あとは実運用でどれぐらい使用できるかを検討してみないといけないですね。
週末に、スキルチャージプログラムで貸与されている ML110 G5 の移行を考えてみたいと思います。