Windows Server 2012 がリリースされたので時間を見て検証環境を整備しています。
その時のメモを。
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■ML110 G6 のファームアップ
SQL Server 専用の物理検証環境として HP ML110 G6 を使用しているのですが、久しぶりに自宅にいるときに起動したら起動してからファンの回転が収まらず爆音に。。。
家にいない時にリモートで触っていることが多いのですが、こんなに爆音だったかな~とおもいいろいろと調べていました。
BIOS と iLO のファームウェアが古かったのでひとまず、USB メモリを使用して更新。
HP ProLiant ML110 G6 Server series
Systems ROMPaq Firmware Upgrade for HP ProLiant ML110 G6 Servers (For USB Key-Media)
Firmware Upgrade for HP ProLiant G6/G7 Lights-Out 100 Remote Management (For USB Key-Media)
BIOS から Blow-Out feature が Enabled の状態であれば起動後に多少ファンの回転数が下がりました。
といってもそれなりな音ですが。
■Windows Server 2008 R2 環境のパッチ適用
Windows Server 2012 の Hyper-V マネージャーでは Windows Server 2008 R2 の Hyper-V 2.0 の管理ができない、SCVMM 2012 の Non SP では Windows Server 2012 のHyper-V が管理できない等の問題があります。
当分は Windows Server 2008 R2 で検証する必要があるかなと思い、
An update that enables Windows 8 or Windows Server 2012 to be hosted in a Hyper-V virtual machine on Windows Server 2008 R2
のパッチを適用してみました。
パッチ適用後は再起動する必要があります。
■Windows Server 2012 環境の作成
Hyper-V 3.0 はゲスト OS をエクスポートしなくてもインポートができるようになっています。
検証で使用している NEC Express 5800 GT110b はホストは Hyper-V 専用環境として使用しており、他の機能はインストールしていないため、インプレースアップグレードではなく、既存環境の OS パーティションを削除してそのパーティションに Windows Server 2012 をインストールしてみたいと思います。
Windows Server 2012 のインストールメディアで起動して、インストールを行います。
その際
- Windows Server 2008 R2 をインストールしたディスクの先頭の 100MB のパーティション
- Windows Server 2008 R2 をインストールしたパーティション
を削除して、解放されたパーティションに対して Windows Server 2012 をインストールしています。
インストールが完了したら、Hyper-V マネージャーから Windows Server 2008 R2 でゲスト OS をインストールしていたフォルダに対してインポートを実行するとゲスト OS をインポートすることができます。
ざっくりとですが以下のような方法でインポートすることができます。
Windows Server 2012 の新規インストールをした場合の Hyper-V 2.0 のゲスト OS のインポート
メインで使っているのは NEC Express 5800/GT110b と HP ML110 G6 なのですが RAID ユーティリティなどは Windows Server 2012 に対応していないようですね。
Express5800/GT110b
HP ProLiant サーバー ML110 G6 シリーズのドライバー、ソフトウェア、ファームウェアのダウンロード
■NIC のドライバのインストール
GT110b の標準 NIC は Intel 82574L になるのですが、標準のドライバだと Wake On LAN がうまくできなかったので、Windows 8 用のドライバ (2012 用が見当たらなかったので) を適用して、電源の管理タブが使用できるようにして WOL の設定をしています。
Network Adapter Driver for Windows 8
デモ用で使用している ThinkPad x201i は Intel 82577LM が使われています。
このドライバに関しては以下から入手したものを使用しています。
Network Adapter Driver for Windows Server 2012
Network Adapter Driver for Windows 8
■無線 LAN の有効化
勉強会などのデモで使用している PC はノート PC なので無線 LAN がついているのですが Windows Server 2012 はサーバー OS ですのでデフォルトでは無線 LAN は使用することができません。
無線 LAN を使用できるようにする場合は、サーバーマネージャーから [ワイヤレス LAN サービス] を追加する必要があります。
[WLAN AutoConfig] サービスが起動していれば、ネットワークから Wi-Fi をダブルクリックすれば無線 LAN の設定をすることができます。
■ディスプレイドライバのインストール
ThinkPad x201i のディスプレイドライバはIntel HD グラフィックドライバが使用されます。
Windows Server 2012 のインストール直後の状態ではドライバは [Microsoft 基本 ディスプレイ アダプター] が使用されています。
この状態だと、[Win + P] を押してもセカンドスクリーンが使用できないと表示されてしまいます・・・・。
以下の技術情報を見る限り、Microsoft が提供している第 1 世代 (1st Generation) の Core i プロセッサ用の Intel HD グラフィックドライバについては Windows Server 2012 用のものはベンダー提供されるのを待つ必要がありそうですね。
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/hh831568.aspx
なお、Windows 8 用については Microsoft から提供されているものがあるのですが、Windows Server 2012 ではこのドライバをうまく認識させることができませんでした。
# igdlh10.inf/igdlh11.inf/igdlh12.inf を使ってもうまく認識させることができませんでした。
Windows Server 2012 用が提供されていないため、Windows 7 x64 のものを使おうとしてもうまく認識することができませんでした。
ソフトウェアとデバイスドライバーのダウンロード・ファイル一覧 – ThinkPad X201, X201i, X201s, X201si, X201 Tablet
Intel HD グラフィックス ドライバー (Windows 7 64ビット/ Vista 64ビット) – ThinkPad
IntelR HD Graphics Driver for Windows 7* 64, Windows Vista* 64
現状、Intel のサイトや Lenovo のサイトからダウンロードしたドライバーを使用する場合、
Windows 8 に レガシーなIntel HD Graphics Driver をインストールする
で紹介されている方法を使用する必要があるようですね。
今回使用した手順は、
- IntelR HD Graphics Driver for Windows 7* 64, Windows Vista* 64 からドライバをダウンロード
- 解凍したファイルの Graphicsigdlh64.inf の [Intel Gfx.NTamd64.5.2] に [Intel Gfx.NTamd64.5.0] の内容をコピー
- 以下のコマンドを実行して、ドライバーの署名制限を無効にして、未署名のドライバーをインストールできるようにし再起動する。
bcdedit -set loadoptions DISABLE_INTEGRITY_CHECKS
bcdedit -set TESTSIGNING ON - ディスプレイアダプターのドライバーの更新で、先ほど修正した igdlh64.inf からドライバーをインストール
- 以下のコマンドを実行し署名制限を有効にして再起動
bcdedit -set loadoptions ENABLE_INTEGRITY_CHECKS
bcdedit -set TESTSIGNING OFF
通常起動してドライバーを確認するとデジタル署名者の欄はデジタル署名されていませんとなっています。
このドライバーであればセカンド スクリーンが表示されるようになりました。
■Hyper-V 3.0 管理環境の整備
Hyper-V 3.0 の管理ですが、
- Windows Server 2008 R2 の Hyper-V マネージャーで管理
- Windows Server 2012 の Hyper-V マネージャーで管理
- System Center 2012 Virtual Machine Manager SP1 (SC2012 VMM SP1 : SCVMM 2012 SP1)
のどれかで管理することになるかと思います。
# Windows Server 2008 の Hyper-V マネージャーは試せていません。
Windows Server 2008 R2 の Hyper-V マネージャーを使用した場合、Windows Server 2008 R2 と Windows Server 2012 の Hyper-V を管理することができます。
# 新機能の設定はできませんが。
しかし、Windows Server 2012 の Hyper-V マネージャーでは Windows Server 2008 R2 の Hyper-V の管理はすることができません。
複数のバージョンを統合的に管理する場合には SC2012 VMM SP1 を使用する必要が出てくるということですね。
現在は SP1 Beta の段階ですが、このバージョンであれば日本語の OS 上 にもインストールすることができます。
System Center 2012 Service Pack 1 Beta
SC 2012 VMM SP1 のシステム要件は以下の文書に記載されています。
System Requirements: VMM Management Server
SP1 のサポート対象 OS は Windows Server 2012 のみとなっているようですね。
SQL Server の対応状況についてはこちらに
System Requirements: VMM Database
今まで使用していた SCVMM の環境は Windows Server 2008 R2 上に構築したものだったので、、新規に Windows Server 2012 + SQL Server 2012 CU3 の環境を構築して、SC2012 VMM SP1 Beta をインストールすることにしてみました。
# OS が 2012 でないとインストールできないとなると既存環境への適用がほぼ無理なので RTW 時には変わってくれるとうれしいのですが。
なお、.NET Framework 3.5 をインストールする際には、
Windows 8 または Windows Server 2012 に .NET Framework 3.5 をインストールしようとする際のエラー コード
を見ておくとよいかもしれないですね。
インターネットに接続されている環境であれば問題はないと思いますが、インターネットに接続されていない環境では代替ソースのパスを指定する必要が出てくるはずですので。
SC2012 VMM SP1 Beta は最少メモリが 2GB となっているため、インストール時にこれだけのメモリが確保されている必要があります。
# Dynamic Memory の設定では割り当てが少ない可能性がありますので、固定で割り当てておいたほうが良いかと。
なお、SC2012 VMM では WAIK が必要でしたが SC2012 VMM SP1 Beta では Windows 8 に対応した WADK が必要となります。
Windows(R) 8 用 Windows アセスメント & デプロイメント キット (ADK)
WADK では SQL Server 2012 Express がインストールされますが、SC2012 VMM 用のデータベースを同居させている場合は、インストールする必要はないかと思います。
管理対象のホストの ADMIN$ にアクセスできる必要がありますので、ドメインプロファイルに対して [ファイルとプリンターの共有] は有効にしておくとよいかと思います。