先日の第 0 回 SQLTO でお話ししようと思っていたのですが、時間配分を誤ってあまりお話ができなかったのでブログにまとめてみたいと思います。
現在は RC ですので製品提供時には仕様が変わっている可能性がありますのであらかじめご了承ください。
System Center Advisor の情報は TechNet で公開されています。
Welcome to System Center Advisor
Contents
■System Center Advisor とは?
System Center Advisor ですが以前は Codename "Atlanta" と呼ばれていた製品になります。
System Center とついていますので System Center ブランドの製品にカテゴリされると思います。
この製品は環境のアセスメントを実施するためのクラウドサービスとなります。
構成としてはこのようになります。
# SQLTO の資料として公開しているものをそのまま貼り付けているだけですが…。
診断対象のサーバーに Agent を導入して、Gateway から、クラウドサービス上にデータをアップロードするという構成になります。
そのため、診断対象のサーバーを直接クラウドサービスからアクセスできる場所に配置するということは不要になります。
Gateway + Agent という構成もできるのですが、実際に使用した場合を考えると役割を分割するのが一般的な構成となるかと思います。
System Center Advisor の管理コンソールは Web ベースになりますので、ユーザーはブラウザを使用して System Center Advisor にアクセスをし収集されたインベントリの情報を確認します。
上図に書かれている URL は Network Monitor でキャプチャしてわかった DNS 名になるのですが、[clodapp.net] が使用されているところが面白いな~と思いました。
このドメイン名は、Windows Azure でつかっわれているものになります。
System Center Advisor のセキュリティは Azure と同等となるそうなのですが、Azure の環境も一部使われているようですね。
Gateway → System Center Advisor 間は TCP 443、Agent → Gateway 間は TCP 80 で通信が行われます。
Atlanta の時には Agent → Gateway 間は TCP 445 (SMB) で通信が行われていました。
そのため、Agent で収集したデータは Gateway の共有フォルダに送信がされていました。
共有フォルダ経由になるとワークグループ環境だとかなり面倒なことになりそうだな~と思っていたのですが、System Center Advisor になって、Agent → Gateway 間は TCP 80 (HTTP) で通信が行われるようになりワークグループ環境でも情報収集が楽になっています。
# Gateway のプログラムでは WCF が使われているようです。
Atlanta の時は SQL Server に特化したアセスメントの実施だったのですが、System Center Advisor になって以下のアセスメントを実施できるようになりました。
What is System Center Advisor?
- Windows Server 2008 and later:
- Active Directory
- Hyper-V Host
- General operating system
- SQL Server 2008 and later
- SQL Engine
OS / AD / Hyper-V についてもアセスメントが可能となっています。
■System Center Advisor のシステム要件
System Center Advisor のシステム要件に関しては以下に記載されています。
System Center Advisor System Requirements
OS |
Windows Server 2008 Datacenter |
SQL Server |
SQL Server 2008 and 2008 R2 Enterprise |
.NET Framework | .NET Framework 3.5 SP1 |
Browser |
Windows Internet Explorer 7 (or a later version) |
OS に関しては、WIndows Server 2008 / R2 / Hyper-V Server 2008 R2
診断可能な SQL Server のバージョンは、SQL Server 2008 / R2
Gateway / Agent をインストールする端末には .NET Framework 3.5 SP1
が診断対象の前提となります。
Hyper-V Server 2008 R2 が入っているのが面白いですね。
クラスター環境の SQL Server に関しても診断可能です。
現在、最新の SQL Server は SQL Server Codename "Denali" になるのですが、これをインストールしてしまうとどうにもうまく診断をすることができませんでした…。
ブラウザーに関しては、System Center Advisor の管理コンソールにログインする際に使用するので、これは診断対象でシステム要件を満たしていなくても問題ありません。
# System Center Advisor の管理コンソールは Web ベースになります。
■System Center Advisor で取得される情報
System Center Advisor では SQL Server の診断が可能です。
この診断の結果にはデータベース内のテーブルのデータなどは含まれていません。
サーバーのプロパティやデータベースのプロパティといった情報が収集され Gateway にアップロードがされます。
System Center Advisor で取得される情報は以下に公開がされています。
Advisor Data Collection Details
Excel で取得される情報の一覧が公開されていますので、細かな情報を確認するにはこちらを見るのが良いかと思います。
System Center Advisor – Configuration data points
■System Center Advisor のインストール
System Center Advisor の RC の登録は以下から行うことができます。
Microsoft Sytsem Center Advisor
Windows Live ID があれば登録はすぐに完了することができます。
登録をして Sign in すると以下のような Silverlight ベースの管理コンソールが表示されます。
すでにいくつかのサーバーを登録した状態の環境ですが、System Center Advisor ではこのような Web ベースの管理コンソールを使用して情報を確認していきます。
初期の状態であれば、System Center Advisor のプログラムをダウンロードするためのダイアログが表示されるのですが、すでに何台かサーバーを登録している状態ですので、その場合には Servers をクリックして、
[Add Server] をクリックすることでダウンロードのダイアログを表示することができます。
System Center Advisor を実行するためには
- セットアップ プログラム
- 証明書
の二種類が必要となります。
セットアップ プログラムは Agent と Gateway の両方が含まれているものになります。
証明書は、Gateway に導入する証明書になります。
この証明書を使用して Gateway → System Center Advisor 間の通信が保護されていますので、外部に漏れないように保存しておく必要があります。
インストールに関しては以下の情報でまとめられています。
Deploy System Center Advisor
それでは、実際に Gateway と Agent をインストールしてみたいと思います。
[Gateway のインストール]
Gateway をインストールするためにはダウンロードした以下のファイルをサーバーに保存しておきます。
- AdvisorSetup.exe
- RegistrationCert.pfx
準備が整ったら、AdvisorSetup.exe を実行してインストールを開始します。
- [Next] をクリックします。
- [I accept the terms the License Agreement] を有効にして、[Next] をクリックします。
- [Next] をクリックします。
- インストールする役割を選択して、[Next] をクリックします。
Gateway を有効にすると、以下のダイアログが表示されます。
これは、Gateway では TCP 80 が使用されるためです。 - [Browse] をクリックして、証明書を選択して、[Next] をクリックします。
Gateway はSystem Center Advisor にデータを連携する役割を持つのですが、社内のプロキシサーバーを通さないと外部に出れないような場合は、プロキシサーバーを設定することも可能です。
# きちんと試せてはいないのですが、認証プロキシは苦手のような雰囲気が…。
また、接続できる Agent を制限する場合には、[Allow only ~] を有効にし、コンピューターアカウントを使用したアクセス制御をすることも可能です。 - [Install] をクリックしてインストールを開始します。
- [Finish] をクリックしてインストールを終了します。
以上で Gateway のインストールは完了です。
インストールが完了すると、[System Center Advisor Gateway] というサービスがインストールされます。
これが Gateway のサービスとなります。
Gateway の設定に関してはレジストリと構成ファイルで設定が行われています。
Configure the Gateway and Agent
Configure Proxy Settings for the Gateway
Gateway の主な設定に関してはレジストリに記載されています。
主にアップロードのタイミングなどが設定されています。
デフォルトではアップロードは 24 時間に一回されるような設定となっていたはずです。何時にアップロードされるかは初期設定ではある範囲内でランダムで決まります。
この辺のタイミングを制御したい場合は、レジストリを変更して Gateway のサービスを再起動します。
# サービスの再起動はもしかしたら必要がないかもしれませんが、私はサービス再起動しています。
[C:Program FilesSystem Center AdvisorGatewayService.exe.config] が構成ファイルとなるのですが、これに関してはプロキシの設定が記載されています。
余談ですが Atlanta の時はインストーラーはこのような素敵インターフェースでした。
System Center Advisor になってもこれが踏襲されるかとワクワクしていたのですが、立派な GUI がついてちょっと残念だったり。
F/W のルールに関しても自動で作成がされていますのでインストール後に設定はしなくても大丈夫だと思います。
続いて Agent の導入をします。
[Agent のインストール]
途中までは Gateway のインストールと同じです。
- [Agent] を選択して、[Next] をクリックします。
- Gateway のサーバーを設定して、[Next] をクリックします。
- [Next] をクリックします。
- [Next] をクリックすると System Center Operations Manager 2007 R2 Agent がインストールされます。
System Center Advisor では OpsMgr 2007 R2 の Agent プログラムが使用されています。
通常の環境で OpsMgr 2007 R2 を使用している場合は共存可能だそうです。
# やったことは無いのですがセミナーではそのように言われていました。 - [Install] をクリックします。
- [Finish] をクリックします。
インストールが完了すると [System Center Management] サービスがインストールされます。
これは OpsMgr の Agent プログラムと同じだと思います。
アップロードのタイミング等は Gateway と同様レジストリで設定がされています。
Configure the Gateway and Agent
デフォルトでは、12 時間に一回 Gateway に情
報がアップロードされる設定になっていたはずです。
こちらも時間に関してはある程度の範囲からランダムで決まります。
こちらもアップロードのタイミングを変更したらサービスを再起動して設定を反映させています。
以上でインストールは完了です。
インストールしたタイミングで初回の情報アップロードは行われるようなので正常にインストールが終わっていれば細かなインベントリは収集できていなくても [Servers] にサーバーの登録情報はアップロードされていると思います。
どのような情報が取れるかは次の投稿でまとめたいと思います。
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