今日は久しぶりに Exchange 2010 を触っていました。
ちょっとクライアント側で調べたいことがあったので、Windows 7 + Outlook 2010 の環境を作ってテストしていました。
メールの送受信はできていたのですが、オフラインアドレス帳 (Offiline Address Book : OAB) をダウンロードしようとしたところ以下のエラーが。
[0x8004010F] というエラー番号が表示されていました。
少し調べてみたところいくつか情報がありました。
ワークグループのクライアント環境から Outlook 2007 で接続すると、オフライン アドレス帳をダウンロードすることができません
Outlookキャッシュモード使用時に「0x8004010F」エラーが表示される
オフラインアドレス帳 同期の失敗について
今回使っている環境はパブリックフォルダを作成していない環境なので、OABはクライアントアクセスサーバーから HTTP / HTTPS 経由でダウンロードされます。
HTTP / HTTPS のアクセスであれば、Fiddler を使うと簡単にウォッチすることができるので、確認をしてみました。
Fiddler のインストールは簡単なので画面キャプチャだけを載せておきます。
Fiddler をインストールするとスタートメニューに [Fiddler2] が追加されますので、起動をします。
Fiddler を移動すると IE のプロキシ設定として、LAN の場合はローカルホストの [8888] を使用する設定が行われます。
# Fiddler を終了すると設定は元に戻ります。
Fiddler を起動した状態で Outlook オフラインアドレス帳のダウンロードを行うと HTTP / HTTPS の操作を確認することができます。
# [netsh winhttp import proxy source=ie] を行わなくても取得できました。
ダウンロードをしてみると Fiddler には以下の情報が出力されています。
# 黒に塗りつぶしているところにはメールアドレスのドメイン名が設定されています。
オフラインアドレス帳の取得を行う際に Autodiscover (自動検出サービス) に接続をしに行っていることが確認できます。
自動検出サービスについて の技術情報には以下のような記載があります。
自動検出サービスでは、ユーザーの電子メール アドレスおよびパスワードを使用して、ユーザーのプロファイルを自動的に構成します。電子メール アドレスを使用することで、自動検出サービスはクライアントに以下の情報を提供します。
- ユーザーの表示名
- 内部および外部接続用それぞれの接続設定
- ユーザーのメールボックス サーバーの場所
- 空き時間情報、ユニファイド メッセージング、オフライン アドレス帳などの機能を制御するさまざまな Outlook 機能の URL
- Outlook Anywhere サーバー設定
オフラインアドレス帳の取得にも使われているようですね。
今回の環境ですが、[autodiscover.<ドメイン名>] の DNS の A レコードは作成していませんでした。
そのため、autodiscover の名前解決ができず、自動検出サービスに接続ができないため OAB のダウンロードができなかったようですね。
<
p>DNS の Autodiscover のレコードについては以下の技術情報に記載があります。
Outlook 2010 でユーザー アカウントの自動構成を計画する
エラー 0x80070057 が発生した場合は、2010 の Outlook プロファイルを使用して、自動アカウント セットアップ プロセスは、Exchange 2003 メールボックスを作成
使用している DNS に autodiscover のレコードを登録して再度確認をしてみました。
# DNS 登録後にクライアント側で [ipconfig /flushdns] を実行して DNS キャッシュはクリアしています。
自動検出サービスへのアクセスですが、HTTPS 経由でのアクセスになるようです。
そのため、今回の環境で使っている証明書ではセキュリティ警告が表示されてしまいます。
セキュリティ警告は [はい] をクリックして続行します。
# HTTP でアクセスさせるための方法があれば教えていただきたいです…。
これで、OAB をダウンロードすることができるようになります。
先ほどとは異なり Fiddler に OAB のダウンロードの状況が出力されています。
自動検出サービスの存在をすっかり忘れていて結構ハマってしまいました…。
今回はワークグループ環境でテストをしていた時に気づいたため、[ワークグループ環境で~] というタイトルにしましたが、ドメイン環境でもこの現象は発生しそうですね…。
そろそろ、パブリックフォルダなしの環境でもきちんとテストしないと駄目ですね。