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Exchange 2007 / 2010 をゲスト OS を実行している環境での Windows Server バックアップの注意点

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Exchange 2003 あたりでも同じ動きになるのかもしれないのですが、2007 / 2010 でしか確認ができていません。

以前、Exchange 2007 / 2010 のバックアップについて という投稿で、Windows Server 2008 / R2 の
Windows Server バックアップと Exchange 2007 SP2 / 2010 の VSS プラグインとの連携について書きました。

Windows Server バックアップを使用して、バックアップをすると Exchange のログ切り捨てが実施されます。

これと、先日投稿した、VSS 非対応のゲスト OS を実行している環境での Windows Server バックアップの注意点
合わせ技が今回の投稿になります。

ゲスト OS が格納されているボリュームを Windows Server バックアップでバックアップを取得すると、
そのボリューム内で稼働している ゲスト OS の VSS と連携がされます。
# ゲスト OS に統合サービスがインストールされており、統合サービスでバックアップの機能が有効になっていることが前提ですが。

では、Exchange が実行されているゲスト OS のボリュームをホスト OS から取得すると、ゲスト OS の Exchange の
VSS との連携はどのようになるのでしょうか。

■Exchange 2010 を実行しているゲスト OS のボリュームを取得

以下が、私の検証環境で稼働している Exchange Server 2010 の環境になります。
ホスト OS の E ドライブに Exchange Server 2010 のメールボックス関連のファイルを格納しているディスクを配置しています。
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ゲスト OS で対象のディスクの内容を確認してみます。
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ログファイルががっつり蓄積されています。
# この投稿を書く時のために蓄積しておきました。

それではホスト OS で E ドライブ (Exchange のゲスト OS が格納されているドライブ) のバックアップを取得してみます。
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Windows Server バックアップで [シャドウ コピーの作成] がされるタイミングで、ゲスト OS の [Microsoft Exchange Writer] と
連携がされます。
# 右の画像がゲスト OS で [vssadmin list writers] を実行した結果になります。
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Exchange の VSS と連携されているため、ホスト OS のバックアップで、トランザクションログの切り捨てが実施されます。
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■ホスト OS からのバックアップの落とし穴 その 1

ホスト OS からのバックアップで Exchange のログが切り捨てられて便利そうなのですが、このバックアップには落とし穴があります。

ホスト OS から取得したバックアップですので、アプリケーションには [Hyper-V] しか含まれていません。
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ゲスト OS からこのバックアップを復元しようとしてもアプリケーションは [Hyper-V] しか選択できません。
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Exchange の VSS と連携して取得されたバックアップであれば、アプリケーションには [Exchange] が表示されるのですが、
ホスト OS から取得した場合には、[Exchange] のバックアップとしては取得されていないため、ゲスト OS のメールボックス部のみ
復元するといったことができません。

特定時点のゲスト OS のバックアップということではこのバックアップでもよいのかもしれませんが、Exchange として
整合性が取れたバックアップということではないと思います。

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■ホスト OS からのバックアップの落とし穴 その 2

VSS 非対応のゲスト OS を実行している環境での Windows Server バックアップの注意点 と同じように、ゲスト OS が含まれる
ボリュームのファイルのバックアップを取得してみます。

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バックアップを取得する前のゲスト OS の Exchange のログは以下の状態になっています。
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ファイル単位でのバックアップでもボリュームのシャドウ コピーが作成されます。
そうすると、ゲスト OS の Exchange の VSS とも連携がされます。
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この動作により、ゲスト OS が含まれるボリュームのファイル単位でのバックアップで Exchange のログが切り捨てられてしまいます。
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実際に取得されたバックアップのファイルには、バックアップ対象として指定したファイルしか含まれていません。
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ということは、Exchange のバックアップが存在しない状態でログがロストしてしまっています。

Hyper-V のバックアップはゲスト OS で動作しているアプリケーションを考慮して、ボリュームの設計が必要になりそうです。
DPM を使用すると考え方が変わってくるのでしょうかね。

DPM に関してはこれから勉強しようと思っているところなのでまだまだ情報不足です。

ゲスト OS で実行しているアプリケーションを意識して Hyper-V のバックアップを検討する必要がありますね。
Exchange や SQL Server を実行している場合は、アプリケーションとしての整合性を取るためにホスト OS から
バックアップを取得するのではなく、ゲスト OS からバックアップを取得する必要がありそうです。

今日、MCP 70-659 を受験するために 1 週間 Hyper-V を重点的に勉強したのですがまだまだ勉強が足りないですね。
実運用を意識した勉強ができるようこれからも頑張りたいと思います!

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Written by Masayuki.Ozawa

3月 14th, 2010 at 2:08 pm

Posted in Windows Server

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