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Hyper-V で Windows NT ドメインを Active Directory にインプレースアップグレード

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Happy Birthday Active Directory !
Active Directory 誕生 10 周年おめでとうございます。

昨日から Active Directory 関係の投稿を何かしようと考えていのですが、引き出しがありませんでした…。
そこで、Windows NT ドメインからいろいろな OS のバージョンの Active Directory ドメインへインプレースアップグレードする
検証を実施してみました。

■Hyper-V で Windows NT を起動するために

Hyper-V では Windows NT は非サポートですが、[Windows NT など、古いオペレーティングを実行する] を有効にすることで、
インストールして動作させることができます。
また、統合サービスが使用できないので、エミューレートのネットワークアダプタと、SCVMM にリモートデスクトップで
アクセスしている時はキーボードで操作する必要があります。
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■Windows NT ドメインの作成

まずはインプレースアップグレード元となる NT ドメインの作成です。

  1. Windows NT 4.0 を PDC としてインストールします。
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  2. Windows NT 4.0 SP6a をインストールします。

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この環境を使ってインプレースアップグレードを試していきます。

■パターン1
Windows 2000 Server Active Directory へアップグレード

まずは、NT → 2000 Active Directory にアップグレードです。

  1. Windows 2000 Server のインストールメディアを挿入し、インプレースアップグレードします。
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    # 上記画面の処理が長いですが待っていると進みます。
  2. インプレースアップグレードの中で Active Directory 化を実施します。
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  3. Windows 2000 Server SP4a をインストールして最新化の完了です。
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このパターンは問題なくアップグレード完了です。

■パターン 2
Windows Server 2003 Active Directory へアップグレード

Windows NT から Windows Server 2003 へインプレースアップグレードすると Windows 2000 Server の時と同様、
Active Directory の設定画面が表示されます。

ウィザードに従って作業をすると Active Directory 化の完了です。
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フォレストの機能レベルの選択画面が表示されるのですがNT ドメインコントローラーとの併用モードしか選択できません。
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無事に NT ドメイン → 2003 Active Directory への移行完了です。
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今回は With SP2 で実施しているので SP のインストールは無しです。
こちらも問題なくアップグレード完了です。

■パターン 3
2000 → 2003 Active Directory へアップグレード

NT → 2000 → 2003 という順番でアップグレードした場合です。
NT → 2000 はパターン 1 と一緒ですね。

  1. Windows Server 2003 R2 Standard Edition with SP2 のメディアで [adprep /forestprep] [adprep /forestprep / gpprep] を
    実行します。
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  2. Windows Server 2003 R2 Standard Edition with SP2 のメディアでインプレースアップグレードします。
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2000 の段階で統合サービスをインストールしているとこの画面の後にブルースクリーンになってしまいました。
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統合サービスがインストール時にどうしてもタイムアウトしてしまうんですよね。
# 私の環境特有なのかも知れないのですが、SCVMM でWindows 2000 Server に統合サービスをインストールすると
  かなり時間がかかるんですよね。
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マウスは動くので、統合サービスはインストールされているようではあるのですが。
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■回避策

ブルースクリーンが発生してしまった後の回避ができていないのですが、アップグレード前に環境を整備しておけば、
ブルースクリーンを発生させないことができます。

  1. 統合サービスをインストールしない
    統合サービスをインストールしなければ現象は発生しません。
    まぁ当然のお話だとは思いますが…。
  2. 統合サービスをインストールした場合はアンインストールするSCVMM で統合サービスのインストールに失敗した状態ではアプリケーションの追加と削除に表示がされません。
    そのため、アンインストールができない状態になります。
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    そこで、Hyper-V マネージャーの VMCONNECT を使って、統合サービスを一度インストールします。
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    一度 VMCONNECT からインストールして、アプリケーションの追加と削除に表示され、アンインストールできるようになります。
    タイムアウトしていなければ最初から表示されていると思いますので、その場合は再インストールせずに削除します。
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統合サービスがインストールされていない状態であれば、ブルースクリーンは発生せずアップグレードをすることが可能です。image

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この現象ですが

  • Windows 2000 Server SP4a + 統合サービス → Widnows Server 2003 R2 with SP2

へのアップグレードでも発生しました。
私の環境では、統合サービスありの状態でアップグレードすると発生してしまうようですね。
Windows 2000 からアップグレードをする場合は統合サービスをアンインストールしておいた方がよさそうですね。

■パターン 4
Windows Server 2008 Active Directory へアップグレード

インストールメディアの ISO をマウントしても読めなかったので、一度 VHD に ISO の内容をコピーしてアップグレードを実行しています。
Windows Server 2008 x86 With SP2 を実行しているのですが残念ながらアップグレードパスはありません。
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■パターン 5
2000 → 2008 Active Directory へアップグレード

SP4 以降であれば Windows Server 2008 のインストーラーを実行可能です。
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ただし、SP4 以降にしても Windows NT では C ドライブの容量を 4G に設定するパターンになっていると思いますので、
そのままでは、容量不足でアップグレードができません。
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仮想環境は VHD なので、一度 Hyper-V マネージャで拡張して、その仮想ディスクを VHD マウントしてパーティション拡張しました。
ボリューム拡張後はアップグレードが可能になります。
今回は 4 G から 40G に拡張しました。
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AD のアップグレードですので、2008 のメディアから[adprep] 関連の作業を事前に実行しています。

OS の選択はできるのですが、
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アップグレードはできない状態です。
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そのため、[windows.old] が使用される形でのインストールとなります。
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どうなるかが気になるので、ひとまずこのままインストールをしてみました。
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インストールが終了するとこの画面に。
# 統合サービスはインストールしたままですが、2008 にはアップグレード可能でした。
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きれいに再インストールされてしまいました。
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■パターン 6
2000 → 2003 SP2 → 2008 Active Directory へアップグレード

2000 の段階で 4G → 40G にパーティションは拡張済みです。

Windows Server 2003 では NonSP の状態でもインストーラーを起動可能です。
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ただし、SP1 以降でないとアップグレードはできません。
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NT → 2000 → 2003 R2 With SP2 というステップでアップグレードした環境に対して、 2008 x86 のインプレース
アップグレードを試してみました。

2000 → 2003 へは特に問題もなくアップグレード完了です。
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ログオン後に統合サービスをインストールして 2008 x86 にアップグレードです。
ドメインの機能レベルを 2000 ネイティブ以上にして、2008 の [ADPREP] を実行してからアップグレードを実行します。

OS の条件とドメインの条件 (ADPREP) を満たしていると、アップグレードがクリックできます。
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互換性のレポートを確認するとアップグレードが開始されます。
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[vmbus] でエラーが発生し、起動しませんでした…。
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そのあとの画面で、[Windows セットアップ Rollback] があるのですが、これを実行すると Windows Server 2003 の状態に
ロールバックすることが可能です。
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2008 のベースは入っているはずなので、SCVMM から統合サービスのインストールを試したのですが、残念ながらインストールできず…。
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一度ロールバックしてみます。
# このような機能があることを知りませんでした。
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Windows Server 2003 が起動しました!!ロールバックできるものですね~。
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一度、統合サービスをアンインストールして再度 2008 にアップグレードしてみます。
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統合サービスをアンインストールした状態だとアップグレードが成功します。
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2008 にアップグレードしたタイミングで、システムルートが [WINNT] → [Windows] に変更されるんですね。
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Active Directory 誕生 10 周年ということでいろいろな OS を使って NT ドメインからインプレースアップグレードしてみました。

10 年前といえばまだ学生で、Windows 98 を多少触れるぐらいの IT スキルだった気がします。
社会人になってから支給された社用 PC が Windows 2000 Professional でそのとき初めて NT 系の OS を触ったことを覚えています。

それから開発系の仕事をメインに携わり、プログラマーとして業務をしていきたいと考えていたこともあるのですが、
今は ITPro として製品を詳しく理解したいという気持ちが強くなっています。10 年たつとスキルの志向も変わるものですね~。

Active Directory を触り始めて 3 年ぐらい。誕生してからの半分の期間も触れていないんですね。
誕生 15 周年、20 周年の時にはもう少し Active Directory のスキルを付けていたいものです。

次の Active Directory の記念日に備え、これからも勉強に精進したいと思います!!

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Written by Masayuki.Ozawa

2月 17th, 2010 at 3:00 pm

Posted in Active Directory

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