今のうちに検証しておきたいなとおもって試してみました。
Exchange 2010 の開発は既に終了しており 11 月には RTM が入手できる用ですね。
複数の投稿に分けて書けばよかったのですが、ひとつの投稿でつらつらと書いていたら
長くて読みにくいものになってしまいました・・・。
Exchange 2010 は Windows Server 2008 R2 で動作する Exchange Server になります。
# Exchange 2007 は Windows Server 2008 R2 にインストールすることができません。
Exchange 2010 は Windows Server 2008 でも動作します。
今回は Windows Server 2008 R2 にインストールして検証したいと思います。
Exchange 2010 ベータのステップバイステップガイドを参考に検証しています。
Exchange Server 2010 公開ベータ版向け ステップバイステップガイド インストール 編
[Exchange 2007 からのアップグレード]
Exchange 2007 をアップグレードしようとすると以下のメッセージが表示されインストールはできないようです。
Exchange 2000 / 2003 から Exchange 2007 へ移行する時と同様に、Exchange 2010 への移行も、
共存環境を構築してアップグレードする形になりそうです。
構築の検証をしながら必要となる設定をまとめていきたいと思います。
[Active Directory の前提条件]
- [フォレストの機能レベル]
Exchange 2010 ではフォレストの機能レベルが [Windows Server 2003] 以上である必要があります。
Exchange 2007 ではフォレストの機能レベルは [Windows 2000] (Windows 2000 AD デフォルト設定) でよかったのですが、
Exchange 2010 ではフォレストの機能レベルをアップグレードする必要があります。 - [ドメインの機能レベル]
フォレストの機能レベルと同様でドメインの機能レベルが [Windows Server 2003] 以上である必要があります。
Exchange 2007 ではドメインの機能レベルは [Windows 2000 ネイティブ] に上げる必要がったのですが、
Exchange 2010 でも一段階機能レベルを上げる必要があります。Windows Server 2003 の情報になりますが、フォレストの機能レベルとドメインの機能レベルは以下の KB がわかりやすいです。
Windows Server 2003 でドメインの機能レベルおよびフォレストの機能レベルを上げる方法 - [スキーママスタのドメインコントローラー]
Windows Server 2003 + 最新のサービスパックまたは、Windows Server 2008 + 最新のサービスパックで
スキーママスタを実行する必要があります。Exchange 2007 でも同様の条件だったはずです。
- [グローバルカタログ]
Windows Server 2003 + 最新のサービスパックまたは、Windows Server 2008 + 最新のサービスパックで
スキーママスタを実行する必要があります。こちらも、Exchange 2007 でも同様の条件だったはずです。
フォレストとドメインの機能レベルに変更が必要になるため、Exchange 2010 を導入する組織では
[NT ドメインコントローラー] [Windows Server 2000 AD] が存在できなくなるようです。
Exchange 2000 / 2003 の共存環境を作成して、Exchange 2010 へアップグレードができるのかはまだ試せていないのですが、
Exchange 2000 /2003 では Windows Server 2000 / 2003 の AD が必要となります。
# 2008 の AD では Exchange の Information Store のサービスが起動しなかったはずです。
Exchange 2010 の導入と併せて Windows Server 2008 の AD へ移行をされる場合は、各 Exchange が必要とする
AD のバージョンに注意する必要があるかと思います。
Exchange のバージョンと Active Directory のバージョンは Exchante Team のブログが参考になります。
Exchange Server and Windows Server 2008
対応している AD の OS と Exchange の関係をざっくりとまとめると以下の表のようになりそうです。
# () 内は Exchange の Service Pack です。
2000 AD | 2003 AD | 2008 AD | |
Exchange 2000 | ○ | ○ | × |
Exchange 2003 | ○ | ○ | ○ (SP2) |
Exchange 2007 | × | ○ | ○ (SP1) |
Exchange 2010 | × | ○ | ○ |
機能レベルは以下の表になるかと。
# 最低機能要件になります。上位の機能レベルをどこまでサポートしているかは要調査です。
フォレストの機能レベル | ドメインの機能レベル | |
Exchange 2000 | Windows 2000 | Windows 2000 混在 |
Exchange 2003 | Windows 2000 | Windows 2000 混在 |
Exchange 2007 | Windows 2000 | Windows 2000 ネイティブ |
Exchange 2010 | Windows Server 2003 | Windows Server 2003 |
[Active Directory の準備]
前提条件と重複する内容もありますが、Exchange 2010 をインストールするにあたっての Active Directory の準備です。
私の検証環境はフォレストの機能レベルとドメインの機能レベルが 2008 になってしまっているので、一部は設定個所だけの
記載となります。
- [フォレストの機能レベルの設定]
PowerShell 2.0 は以下の URL からダウンロードできます。
Windows Management Framework
PowerShell 2.0 がインストールされていない環境で組織の準備をすると以下のエラーとなります。
Exchange Server 2010 には Windows PowerShell が必要です。 |
- Exchange 2010 のインストールメディアを AD DC に挿入します。
Exchange 2010 に AD のリモート管理コンソールをインストールすることで、Exchange 2010 上で
実行することも可能です。
私は、Exchange には AD 関連のコンソールはインストールしないようにしているので、
AD DC 上で実行しています。 - コマンドプロンプトを [管理者として実行] で起動します。
- 以下のコマンドを順番に実行して、Exchange 2010 用に AD を準備します。
D:>setup.com /ps Microsoft Exchange Server 2010 無人セットアップへようこそ
インストール プロセスを続行することで、
Microsoft Exchange Server 2010 のライセンス条項に同意します。これらのライセンス
条項に同意しない場合は、インストールをキャンセルしてください。これらのライセンス
条項を確認するには、以下を参照してください。
http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=150127&clcid=0x411/……………
キーの押下が検出されませんでした。セットアップを継続します。
Exchange セットアップの準備セットアップ ファイルをコピーしています ……………………. 完了しました
No server roles will be installed
Performing Microsoft Exchange Server Prerequisite Check
Organization Checks ……………………. COMPLETED
Configuring Microsoft Exchange Server
Extending Active Directory schema
Progress ……………………. COMPLETEDThe Microsoft Exchange Server setup operation completed successfully.
D:>setup.com /pl
Microsoft Exchange Server 2010 無人セットアップへようこそ
インストール プロセスを続行することで、
Microsoft Exchange Server 2010 のライセンス条項に同意します。これらのライセンス
条項に同意しない場合は、インストールをキャンセルしてください。これらのライセンス
条項を確認するには、以下を参照してください。
http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=150127&clcid=0x411/……………
キーの押下が検出されませんでした。セットアップを継続します。
Exchange セットアップの準備セットアップ ファイルをコピーしています ……………………. 完了しました
No server roles will be installed
Performing Microsoft Exchange Server Prerequisite Check
Organization Checks ……………………. COMPLETED
Configuring Microsoft Exchange Server
Updating legacy permissions ……………………. COMPLETED
The Microsoft Exchange Server setup operation completed successfully.
D:>setup.com /p
Microsoft Exchange Server 2010 無人セットアップへようこそ
インストール プロセスを続行することで、
Microsoft Exchange Server 2010 のライセンス条項に同意します。これらのライセンス
条項に同意しない場合は、インストールをキャンセルしてください。これらのライセンス
条項を確認するには、以下を参照してください。
http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=150127&clcid=0x411/……………
キーの押下が検出されませんでした。セットアップを継続します。
Exchange セットアップの準備セットアップ ファイルをコピーしています ……………………. 完了しました
No server roles will be installed
Performing Microsoft Exchange Server Prerequisite Check
Organization Checks ……………………. COMPLETED
Configuring Microsoft Exchange Server
Organization Preparation ……………………. COMPLETED
The Microsoft Exchange Server setup operation completed successfully.
D:>setup.com /pd
Microsoft Exchange Server 2010 無人セットアップへようこそ
インストール プロセスを続行することで、
Microsoft Exchange Server 2010 のライセンス条項に同意します。これらのライセンス
条項に同意しない場合は、インストールをキャンセルしてください。これらのライセンス
条項を確認するには、以下を参照してください。
http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=150127&clcid=0x411/……………
キーの押下が検出されませんでした。セットアップを継続します。
Exchange セットアップの準備セットアップ ファイルをコピーしています ……………………. 完了しました
No server roles will be installed
Performing Microsoft Exchange Server Prerequisite Check
Organization Checks ……………………. COMPLETED
Configuring Microsoft Exchange Server
Prepare Domain Progress ……………………. COMPLETED
The Microsoft Exchange Server setup operation completed successfully.
- コマンドプロンプトを [管理者として実行] で起動します。
- 以下のコマンドを実行して、Exchange 2010 に必要となる役割 / 機能をインストールします。
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:IIS-WebServerRole
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:IIS-ISAPIExtensions
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:IIS-IIS6ManagementCompatibility
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:IIS-Metabase
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:IIS-NetFxExtensibility
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:IIS-LegacySnapIn
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:IIS-BasicAuthentication
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:IIS-DigestAuthentication
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:IIS-WindowsAuthentication
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:IIS-HttpCompressionDynamic
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:WAS-WindowsActivationService
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:NetFx3
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:WAS-NetFxEnvironment
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:WAS-ConfigurationAPI
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:WCF-HTTP-Activationdism /Online /Enable-Feature /FeatureName:IIS-HttpRedirect
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:IIS-LoggingLibraries
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:IIS-HttpTracing
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:IIS-WindowsAuthentication
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:IIS-ClientCertificateMappingAuthentication
dism /Online /Enable-Feature /FeatureName:RPC-HTTP_Proxy
- [NetTCPPortShareing] サービスのスタートアップの種類を [無効] → [自動] に設定します。
- Exchange 2010 のインストールメディアを実行します。
- [Exchange 言語オプションの選択] → [言語バンドルからすべての言語をインストールする] をクリックします。
- [インターネットから最新の言語パック バンドルをダウンロードする] を選択し、[次へ] をクリックします。
- [完了] をクリックします。
- [Microsoft Exchange のインストール] をクリックします。
- [次へ] をクリックします。
- [使用許諾契約書に同意します] を選択し、[次へ] をクリックします。
- [エラー報告] の設定をし、[次へ] をクリックします。
- [Exchange Server のカスタム インストール] を選択し、[次へ] をクリックします。
- インストールする役割を選択し、[次へ] をクリックします。
- [次へ] をクリックします。
- CEIP の設定をし、[次へ] をクリックします。
- [インストール] をクリックします。
- インストールが開始されます。
- [終了] をクリックしてインストールを終了します。
管理コンソールから Exchange 2007 / 2010 の両方が見れるというわけではないみたいですね。
組織の構成に関しては Exchange 組織内の設定ですので、Exchange 2007 / 2010 で共通の設定となります。
メールボックスの Exchange 間の移動は [ローカル移動要求の新規作成] から行えるようです。
移動先のメールボックスを選択することで別のサーバーを選択することが可能です。
# 2008-EX-01 が Windows 2008 + Exchange 2007 の環境になります。
Exchange 2007 から 2010 への移行は、今までと同じでメールボックスの移動で対応できそうです。
Exchange 2007 と 2010 の共存環境が作れたのでいろいろと触ってみたいと思います。